平成15年5月24日

犬戻峡沢登り  三浦章、吉田(宇部山岳会)、上田(山口大山岳部)

 

  現在行っている「中国百名山」調査登山の一環であり、私にとっては今シーズン初の沢登りである。

 寂地峡の駐車場に車を置き、身支度をして9:10に出発。すぐ沢に入る。やはりまだ水が冷たい。最初の滝で「へつり」をするが、私は淵に思い切り落ちる。今日は濡れないようにしようと思っていたが、もうどうでもよくなる。

この沢は近年土砂の流入が激しいらしく、以前は滑だったところが砂利で埋まっており、所々堰堤もあって下部は趣がそがれる。

 段々ゴルジュ状の地形になり、登攀的な滝が出てくる。F8は左岸を直登する。しっかりしたボルトが適度な間隔に打ってあり、V級程度の岩登りである。

 次にF9。立派な淵を持つが、ここも土砂の流入で規模がかなり小さくなってきているそうだ。この滝は下段で「滑り台」になり、真夏は淵に向かって飛び込むのが大変面白いらしい。今日は滑らないように慎重に中段まで上がって、そこから右岸をロープで越えた。ここもしっかりした支点あり。

 丁度12時。ハイライトの三段の滝(犬戻の滝)手前に広くて明るい河原があり、昼食のラーメンを食べる。とてもうまい。ここは泊まるには丁度いいところかもしれない(遊歩道の傍なので、幕営すると何か言われるかもしれないが・・・)。焚き火にあたって酒を飲んだら、さぞ楽しいだろう。

 腹ごしらえが出来て出発。3段の滝は特にロープを使わずに超えられるが、上部は万一スリップするとかなり危険なので、慣れてない人がいる場合は、出したほうがよい。しっかりした確保支点のボルトもある。

 あとは平凡な沢になるが、樹林帯が明るく素晴らしいので結構楽しい。通常は林道終点で沢登りも終了とするが、我々は寂地への稜線までつめてみるつもりだ。二股の右股を行くこととする。

 なかなか伏流にならなかったが、そのうち水もなくなり、雑木林をひたすら直登。角度は急だし、藪もうるさい。疲れてきて、いやになってきたところで稜線に出た。

「???」ブナ林の真ん中だが、登山道が見当たらない。しばらくうろうろすると、やや下でようやく主稜線の登山道に出会えた。どうも当初の予定よりもかなり東にずれて稜線に出たらしく、ここは広高山との分岐周辺のようだ。そこからせっせと歩いて寂地山頂に15時ごろ到着した。やれやれ。時間もやや遅かったせいか、我々以外人はいなかった。帰りは寂地林道を経由して、16:40頃駐車場に戻った。この沢は登攀的な滝、滑、泳げる淵、明るい樹林と全て揃っているので、お勧めの沢だ。また幸か不幸か傍に遊歩道もあるので、アクシデントが起こった場合もエスケープしやすい。

 本シーズン初の沢だったが、よく歩いたし、充実していた。これから暑い季節を迎え、益々沢の楽しさが増えていくだろう。

記:吉田

 

 

 

 

  

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