長久実さん(故人)の追悼登山  平成15年6月15日

 

主催 宇部山岳会 霜降会(OB会)

 

 5月に急逝された長久実さんの追悼登山を,故人の思いでの地である大山で,6月15日,会員および故人の友人17名でおこなった。

 当日は,天候に恵まれ北壁の見える元谷小屋近くで,遺影,遺品をかざり雨包山岳会会長のお別れのことば,竹内霜降会会長の焼香,献花によりお別れをおこなった。

 そのあと,遺影を持って北壁の良く見える宝珠尾根から三鈷峰へ登り,故人が活躍した大屏風岩など北壁とお別れさせた。

 

 

お別れのことば

敬愛する山仲間 長久実大兄の霊位に謹んで申し上げます。

長久大兄は、昭和三十年代より夏冬の伯耆大山大屏風岩,前穂,滝谷などの連続登はんをなしとげ,さらに谷川岳一の倉沢衝立岩など、わが国有数の岩場を完登し,山口県岳人の先鋭的登山の先駆けを果たしました。

また,当時非常に困難であった海外登山の先鞭をつけた,モンブラン山系ドリュー南西壁に著名な登山家 大倉大八氏とパーティを組み,日本人として初登はんをなしとげました。

長久大兄は,いつも難しい山に敢然と立ち向かったのは勿論のこと,当時渡航が困難だった海外遠征を実現したのは,身上とするねばり強い実務能力を遺憾なく発揮したことでした。それは私たち山仲間に不可能はないという自信をもたせてくれました。

今,長久大兄を思い出すのは、山は勿論のこと、友の身を気づかい,面倒見のよかったこと,山の唄を誰よりも早く覚えて紹介してくれ、酒を酌み交しながら唄ったことなど、追憶の念はとどまることを知りません。

本日,長久大兄を敬愛し,かつ、共に山を歩いた仲間が馳せ参じ,大兄がこよなく愛した大山北壁の下で,最後のお別れの集いをもつことができました。

目前の北壁に残る長久大兄の踏み跡をたどるとき,更めて大兄の残した偉大な足跡をかみしめております。

願わくば,長久大兄の遺志をひきつぎ,更なる敬愛と友情を永遠に誓った私たち山仲間を暖かく見守っていただきたいと思います。

長久実大兄,最後のお別れを申し上げます。どうぞ安らかにおやすみ下さい。さようなら。                                                         合  掌

 

平成十五年六月十五日

宇部山岳会 会長 雨包栄一 拝

 

 

 

お別れの挨拶

 

遺影を囲んで

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