メンバー 三浦・横川(やまびこ)
(やまびこの横川さんからレポートをいただきました)
日向神スピンネフリーラインに挑戦して!
9月15日生まれて初めて本格的なアルパインクラインミングに挑戦した。
現地に到着するまでに色々話は聞いていたが、実際岩を目の当たりにするとあまりの迫力に思わず「でけ〜!!いったこれの何所をどう登るんですか!?」と三浦さんに尋ねてしまった。
ほんとに自分にこんな岩を登る力があるのかと、登る前から少し自信を失ってしまった。
しかしそれとは逆に「こんなところ登れるんじゃ。登りきったらかっこええじゃろうなぁ」と熱く燃えてくる何かを胸の奥に感じた。
さあーいよいよ挑戦だ! 僕がセカンドでまずはビレイから。初めてのダブルロープだったため勝手がわからずかなり苦労してしまった。トップを登る三浦さんにはほんと迷惑をかけてしまった。ほんとすみません。
いよいよ私の番だ。「お願いします!」と気合をいれ一歩目を踏み出す。草が想像以上に生えていて足が利かない。しかも寝不足のためか力が入らない。でもできるだけフリーで登れるよう気合を入れ頑張った。約25分かけ三浦さんの待つ1ピッチ目終了点についた。この場でもすでに40m近くあるようでかなり足がすくんでしまった。「今日は最後まで登りきるのが目標だから、なんでもありでとにかく登ろう!」と三浦さん。
その言葉のおかげで気が楽になり「絶対意地でも登るぞ!」と気合を入れ直した。
そこから3ピッチのぼり次はいよいよ核心のハング越えに挑戦だ。
高度は約100mくらい。ここはエイドが使えないためフリーのみで行かなければならない。しかもこの高度の上、ハングしてその後トラバースするというルートのためミスすると振られるうえ宙吊りになってしまう。しかもビレイしていただく三浦さんの姿もみえない。こんな要因が幾つも重なり、僕は不安と緊張で一杯だった。正直あきらめて帰りたかった。が、もう行くしかない!気合をいれてスタートした。しかし・・・・一歩踏み出してはまた戻り、一歩踏み出してはまた戻りと結局何度も開始地点に戻ってきてしまった。こんなことをしているうちに腕はパンプし耐え切れない状態となってしまった。もう落ちてしまう。本気で思った。でも落ちたときリングボルトやロープは大丈夫かなどが頭をよぎり僕の恐怖はピークに達した。そして同時に頭に浮かんできたのは実家の母の顔。思わず出てきた母に「こんな危ないことしてごめん。もしもの時はほんとごめん」と謝ってしまった。
次の瞬間僕の手は岩から離れた。ロープがきしみ大きく体が振られ、そして宙吊りになった。こわかった!あんな高さで吊られ足はがくがく、まともに立て直すことがしばらくできなかった。その後どうにかもう一度岩に張り付くことができ近くにあったリングで体勢を整えクリアすることができた。(クリアと言っても落ちたせいでルート外を強引に突破しただけだが)
後3ピッチはスラブや草付きなど足場の悪いところが続きこれもかなり緊張した。
どうにか登りきりついに頂上!やっと開放された!と心から思った。クライミングシューズを脱げた時の開放感はほんとよかった。これまで5時間10分太陽に焼かれ不安定な岩場にいたのだから当然かなとも思った。
後は下るだけ・・・しかしこれもきつかった!斜度がきつい上岩の上についたコケに木が生えているような状態のため、ちょっと気を抜くとすぐ転げてしまう。約一時間の格闘の末やっと下山できた。そして三浦さんが満面の笑顔で「おめでとう!」とでっかい手を出してくれて僕は思わず「お世話になりました!」と笑顔で叫び心の中はやりきった感動で一杯になっていた。途中何度も降りたいと願ったが、やりきったからこそこの感動を味わえる。これを伝えたかったんだなとしみじみと感じた。
僕らはその後沢に飛び込んだ!汗や泥で汚れほてった体をおもいっきいりぬらすと、温泉にいるみたいにぶちくつろげてしまいしばらく出られなくってしまった。今回の山行では一番気持ちよかったかな(笑)
最後に今回の岩を通して感じたことは、あきらめずやりきることの大切さ。やったからこそ味わえるこの感動!これを忘れてはいけないと思った。もちろんアルパインクライミングテクニックをもっと勉強し安全で素早い行動が取れる手際のよさも大切だと知ることができた。
今後もっともっと勉強しまた実際の岩での経験値をあげることで、もっといろんな所の様々な岩に挑戦したいと思う。これからも頑張るぞ!
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