比叡山クライミング三昧

2004年12月21日、22日

福永 眞幸、三浦 章(宇部山岳会)

月曜夕方仕事を終え宮崎へ向かう。もともとは大山の予定だったが雪不足のため急遽計画変更。阿蘇でテントを張り、翌日比叡へ。

12月21日
第一スラブスーパー
三浦はツルベで登れそうなルートとして第一スラブスーパーを選らんだ。

1P 50mW三浦右から左上し樹林でビレイ。
2P 40mW+ 自分の番だ。ルートは少し登り左へトラバースしまた登る。ピンが遠いため怖い。

2pを登る福永。(円内)

3P 30mW−、4P 15mV 三浦トップで繋いで1pとする。
5P 35mW+ ルートは左右に二つある。左は11a、右はW+。自分がトップである限り右しかありえない。狭いクラックをずり上がって右上の棚に移ればよいが、左向きでずり上がったので途中で体を反対向きにしてバンドに移った。そこから岩角に沿い登っていくが、ピンが遠いため三浦のアドバイスで途中フレンズで1箇所支点を作り登った。
6P 25mW+ 三浦トップ。
7P 25mW 自分がトップだったが記憶不鮮明。
8P 40mX+ このルートの核心部。三浦トップ。順番とは言えちょっとホッとする。なんなく登り次は自分だ。出だし少し右に行き直上し小さな岩の右角を登る。ちょっといやな感じだったが手を伸ばすとホールドがあった。その後少し微妙なホールドを拾いながら登る。自分の力ではトップだとおそらく限界のグレードだろう、などと感じながら登っているとカラカラと音がする。見るとヌンチャクが滑落していく。回収したものがきちんと掛かっていなかったようだ。あと少しでこのピッチも終わるところだったのだが。あきらめようかと思ったら、取りに行こうと三浦。確保点でテンションを掛けてもらいダウン。結局このピッチのスタート地点で回収しこのピッチは2回登ることになった。2回目はかなりスムーズだった。
9P 最終ピッチ 35mW− 8P終了点と9Pスタート点は10m程度バンドを左へ移動しなければならない。三浦はロープを抱え移動し、すぐ後を付いていく。最終ピッチは自分がトップだったが記憶不鮮明。三浦との初つるべはこうして終わった。先日門田とも日向神でつるべが出来たがやはりいいものである。力量に大差があっても協力して登った気がして心地よい。
8:30〜10:50

ニードル左岩稜ノーマル
一旦トイレのある駐車場まで降り昼食、休憩の後ニードル左岩稜ノーマルへ。
三浦から「次は1Pをお願いします。後は難しいので自分が行きます」と言われる。
登ったことはないがまさに針の様に尖った岩を自分がトップで行けるとは到底思えず当然と納得する。だが、3P目のニードルの先へのピッチはX−だしひょっとすると、と少し思いもしたが。

1P 25mW 左右にルートがあり左Y、右Wである。もちろん自分のレベルだと左は厳しい。三浦からも右をと言われていた。福永トップ。ジェードルを登り左へ乗り移り左上する。いつも思うが最初のピッチは怖い。安全な地面から突然「落ちたら死ぬ」場所に身を置くわけだ。スイッチが切り替わっていないのか。
2P 30mY ビレイ点から見ると、フレーク状の薄いクラックを手がかりに登るように見える。三浦は念の為フレンズ×1、ロックス×2個をセットする。支点はなくナチュプロ頼りのピッチのようだ。上部に残置のシュリンゲが見える。念を入れたプロテクション作りに困難な箇所であることが分かる。思ったとおりフレークを上手く利用し乗り越えていった。
自分の番であるが取り付いてみるとこのフレークの最初の一歩がどうしてよいのやら。三浦の真似をしようとするが出来ない。とりあえず厳しい体勢になることが明白な3つのプロテクションの回収を手が届く安定したこの場所で済ますことにする。しかし、最上部のロックスがどうしても回収できない。回収をあきらめフレークを利用し取り付くがやはり難しい。こうなればいつものA0に頼るしか方法はない。回収出来なかったロックスのヌンチャクとフレークを持ち強引に登る。次に残置フレンズのシュリンゲに持ち替えなんとか体勢を維持しロックスの回収に取り掛かる。だが、容易に抜けない。ホールドとし思いっきりテンションを掛けたので当然だろう。徐々に体勢を維持している右手が厳しくなる。ハーネスにヌンチャクをセットし残置シュリンゲに掛けぶら下がり楽になる。回収もなんとか出来た。これでYとは驚きだ。到底自分の歯が立つピッチではない。
3P 45mX− 三浦トップ。自分が登るがX−だが高度感とナチュプロの不安感でやはりこれも自分には到底無理だと確認した。ニードル岩上は絶景で、下から見たあの針の先に自分がいるかと思うと爽快である。

ニードル先端直下


ニードルから片方のロープを外し20mほど懸垂下降し4Pスタート点へ。
4P ルート図では少し左にトラバースしY、X−と続くが三浦が見つけたというほぼ直上するルートを行く。自分がフォローで行く。最初はそれほど難しくはないが登るにつれ少し荒れてくる。樹の根を掴んだりしながら登る。予想したほど簡単ではなかった。
5P もうピークは直前。ここは簡単なので自分のトップ。
12:05〜14:25

ウォーターカップ
さーいよいよ買出ししてテントで宴会、かと思ったら「ウォーターカップをやりましょう」。いやー、いつもながらの無尽蔵のモチベーションと体力。
正直疲れたなと思いながらも気力と体力を振り絞り3峰へ移動しトンネル上から50m懸垂2回。日没までの時間から上部3ピッチをやることになった。

1P 50m10a 三浦トップで登る。ルートの途中のピッチから開始なので、ハンギングビレイとなり腰が痛い。フォローで自分も登るがグレード10aとなっているが思ったより楽に登れる。それほど苦労せず終了点。
2P 10m5.5 自分がトップ。簡単だが枯れ葉が乗っているところが滑りそうで怖い。少し掃除し登る。
3P 50m10c このルート最難ピッチ。当然三浦トップ。三浦も少し慎重に登った。自分も登ると確かに1Pの10aよりずいぶん厳しい。1Pはスラブだったが、ここは相当立っている。なるべくA0にしないで登ろうと思うがピンスタンス、ピンホールドも何回かあった。

これで今日は終わりだろう。そういえば今日は冬至。日暮れが早いことに感謝する。疲れた。
15:40〜16:50

22日
TAカンテ
昨日の第一スラブスーパーより少し易しいルートでありつるべで登る。

1P 30mW+ 「このピッチがルートで核心だから経験して下さい」ということで、自分がトップ。右に少し行きバンド状を左上する。バンドに乗り上がるところが少しいやな感じ。トラバースは支点が少なく、途中細い木の根本を束ね申し訳程度に支点を足した。松の木がビレイ点。
2P 45mV 三浦トップ。枯葉が乗ったバンドは滑りそうで気を遣う。
3P 35mW+ 自分がトップ。ここから名前のとおりカンテとなる。難しくはないが、支点が遠い。途中左にハーケンがあり長めのシュリンゲで支点を取る。途中には浮いた岩も多く確かめながら登る。右にもう一つ支点がありルートはその後ほぼ直上と見てヌンチャクのみの支点を取る。少し登ると、うん!ロープが来ない。岩角に片方のロープが挟まりはずれない。簡単に登れた所もクライムダウンは怖い。3m位クライムダウンし今度は長いシュリンゲに変える。
良い勉強になった。このピッチは景色も良く爽快。
4P 30mW 三浦トップ。3Pと同じような快適なカンテで少し易しく景色を堪能出来る。
5P 30mW+ 最後ピッチ。三浦の勤務の関係でこれで二日間のクライミングも終わりである。自分がトップで快適に登る。テラスの松の木で切り終了となった。
8:00〜9:25

テントで飲み話をした。三浦はやりたいことをやるだけでなく、出来ることは伝え種をまきたいとも語っていた。自分とつるべが出来るルート選択はその事の実践だろう。しかしそれがまた楽しいとも言っていた。TAカンテ終了時には今回の体験を次は他の人を連れて行くことにも生かしてくれとも。
三浦の熱い思いはひしひしと伝わってきた。自分にそんな能力があるか分からないが出来る事はしたいと思った。三浦とは今年はこれが最後の山だが締めくくりにふさわしい得難い体験であった。
                                                          (記:福永)

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