大山甲川 (きのえがわ) 平成16年8月25日〜26日
メンバー三浦・伊藤・深野
8月25日(水)夜
19:00 宇部 → 1:30(26日)甲川取り付き(鶯橋)
台風13号の余波のせいで涼しい。今日の入沢は寒そう。鶯橋の側にテントを張り、発泡酒を飲んで、バタンキュー。
8月26日(木)晴れ
5:40起床出発 → 6:30甲川入沢 → 8:30下の廊下 → 9:20中の滝 → 11:40中の廊下
→13:30下の廊下→ 14:00堰堤 →踏跡 →14:30林道 →16:20 鶯谷 新見(中国縦貫・山陽道) →22:00宇部
報告
【下の廊下(小・中滝約10、大釜・小釜3〜5: about)】
涼しさが恨めしい。かんかん照りでこその沢なのに。最初の2mから早速ザイルである。落ちたら抜けるかもしれない少さな潅木にビレイをとる。50代のおっさん3人は華麗な足捌きで難なくこなす。上がればそこはきれいな釜、そのすぐ先にこの廊下の核心である三連の釜がある。
三浦が突入する。なんでもないようなゆるい斜面の小滝だが、これが登れない。三浦の格闘がしばらく続く。のんびり眺めていた二人も応援すべく、泳いで行く。試行錯誤がしばらく続き、結局、滝の左側をショルダーで越す。20〜30分の格闘であった。
後で気がついたことだが、8月の初旬にこの廊下を遡行した我が会の40代の3人パーティーのリーダーが8月中旬に屋久島の淀川小屋でショルダーの話をしていたことを思い出した。このことだったんだ。
【中の滝・中の廊下(小・中約10、中釜・子釜6〜7:about)】
中の滝は連帯である。粛々とこなす。陽光が水面に反射し、まぶしい。春はおそらく渓流のお花畑。しかし、結構長い。うんざりした頃、目の前に側壁50mの苔むした緑の柱状の岩壁が約20mの廊下の左右に現れる。不気味、陰影暗たん、地獄の入口か?
上の廊下である。
【上の廊下(小・中滝5〜6、大釜・小釜3〜4: about)】
ひょうたん型の大釜に三浦が突入する。岩に視界を遮られて何をしているのか判らない。格闘しているに違いないとは思うのだが。じっとしているのも退屈なので、少し泳いで覗くと三浦は既に滝の上にいた。
10数mほど泳いで、右岸の取り付きに行く。リングボルトが水面から2mくらいの高さにある。三浦がシュリンゲにカラビナをセットしている。どうして登ったの?
微妙なバランスでかろうじてリングボルトのシュリンゲにすがり着く。そこからは大錆のハーケンがべた打ちで、朽ちかけたシュリンゲに全体重を懸けてのトラバースと懸垂でどうにかクリアー。 下の廊下のショルダーとここが2大難関であった。
まだ先は長い、黙々と目の前の課題をこなす。堰堤が出てきた地点で終了とする。
【下山】
ふみ跡をたどりながらの沢沿いの上りが続く。勾配が急にきつくなったころ、杉の植林地に出る。少し歩いて、アスフアルト舗装の林道に出る。2時間くらい歩いてようやく鶯橋である。冷えきっていた体は当然のごとく汗だく。
【感想】
長大で困難な見事な沢であった。感動と驚異の沢でもあった。満足である。
(深野記)
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