辺りが明るくなり始め 歩き開始。猪らしい足跡がたくさん有る。ウシオ谷の鉄橋を渡りすぐに左に渡り直す。この木橋にはトラロープで通行止めがしてある。国体コースは今では使われていないのか?
ワカンを着けて植林地の急坂を登り始める。木の階段は植林帯の右隅に在ったようだがこの積雪量ならどこを登っても同じか。リーダーは直登ラインをぐいぐい登っていく。ここは昨秋の台風では風裏だったのか倒木が少ないので助かる。でもパーテイの後ろになる程ステップが崩れて登りにくい。後ろを振り返ると登り始めの場所が見えないほどの急坂である。
一汗かくとやっと傾斜がゆるやかになり雪も締まり歩き易くなった。
今日は天気が良さそうで気持ちも高まる。ウサギの足跡に導かれ、明るい尾根を緩やかに登っていく。小灌木が冬芽を付けている。日差しの中でこれらを見ると春への期待で嬉しくなる。
楽しい尾根歩きはセオリー道理に交代でラッセルする。でも雪が深い登りになると強力リーダーがいつの間にか後ろにいて「はい!替わりましょう」である。有り難いことである。899m、906mのピークはいつの間にか通過した。
青空が広がりのどかな春の残雪期のようで、今日(平日)働いておられる方々に申し訳ない。せめて この登りを頑張りましょう。数個の大きな岩が現われるとルートは右(西)に向かい徐々に高度を上げていく。広い尾根だが今日のように天気が良いと見通しがきき無駄足が無い。1192mPあたりは右(北)にクルソン仏岩が雪を被っているのが見える(過去何度かは悪天候で見えなかった)。
クルソン仏岩 |
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右奥に冠山のピークが見えるとルートは急下降する。右はチャウズ谷の源頭部である。その後左に植林帯を見ながら登り返す。後ろを振り返るとさっき通過した1192mのピークが尖って見える。
チャウズ谷上部 |
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この後 クルソン岩の尾根と合わさり穏やかに登る。夏は笹がうるさい所だが最近は良く刈られているようだ。
左の展望がよくなり、大峰山や三倉岳らしきが見える。左に植林帯を分け快適に下るとクレソン谷のコースと合流する。昨日今日のトレースは無い。ここから重く深い雪の中の行軍が始まる。後に控える長い登りを皆 知っているので無口になる。
さあ 最後の登りが始まった。交代でラッセルする。
冠山の登り |
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半分くらい登った所で歓声が上がった。木々の先端に付いた雪(樹氷or霧氷)が白い花のようだ。青空を背景に神々しい。
樹氷か霧氷か |
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これで元気を取り戻し 頂上着。予想どうりここも白い花が満開である。
山頂の雪庇の上 |
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熱いおでんと餅で昼食。酒は無いが一足早い花見の雰囲気である。コーヒーで締めくくり、予定の未知のコースへ出発する。しばらくは緩やかに下る。夏道と分かれる所からが正念場で、慎重にコース取りをする。でも今日は天気が良いので良く見え不安は無い。
見事な天然杉を過ぎると広い尾根となる。左下が東の大田川源流コースですねと話ながら気持ち良い穏やかな尾根を下る。
冠山の南尾根 |
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ブナが適度な間隔で有り、笹は雪ノ下。あまりにも広い尾根なので遊びモードに入り横一列で進む。おじさんおばさん(失礼!)達の至福の時である。
小学生の遠足でここに来れば皆喜ぶだろうね とも話す。
左にはタキガ谷を越えて向こうにクルソン仏岩が見える。右には県境尾根が競うように存在感を主張している。1184mのピークを過ぎると尾根はストンと落ちている。急すぎるのであたりを探すと左にいい斜面が有りその先は又適度な尾根が続いている。天気が好いと見通しがきき助かる。地図で確認後めいめい好きな所を下る。ブナ林なので雪崩の心配は無い。
1184mからの下り |
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快適な尾根下りが続き、965mPに達する。
タキガ谷は急斜面で植林されている。右に進路をとっていたリーダーが「下に林道が見える。ここから藪こぎして下りる」
潅木につかまり急下降しているとタラの木が沢山ある。これを握るわけにはいかない。春にここまでタラの芽を採りに来ることも無いだろうなと考えていると最後の法面は滑り落ち林道に降り立つ。雪が深くまだワカンは外せない。
日当たりが良いので湿り雪になって重く歩きにくい。黙々と歩くのみ。途中右上に鉄塔が有ったが見にも行かない(雪がなければ確認に行くだろう)。
しばらく進むと林道の合流点が在る。ここは右下にとる。相変わらずの湿雪で飽きる。
ヘアピンカーブでは変化を求めて植林帯の中を何度かショートカットするが行程は長い。
しばらく写真を撮る気にもならなかったが、まわりの山々を見ると春の芽吹きにそなえ木々の先端が色づいている。白い雪面とこの組み合わせにしばし見とれる。
リーダー夫妻ははるか先を何か話しながら仲良く歩いている。それに比べ我が夫婦の場合では、数10m間を空け無言で歩くであろうと思う。そんなしょうも無いことを考えていると、下に中国自動車道が見えた。地図で確認すると冠山トンネルの吉和側出口の上らしい。リーダーが偵察に降り、自動車道の下を潜りR186への道を確認する。待っている間 猪や狸の家族ってこんなのかなと思う。下からOKの合図が有り急斜面を下る。
下には道路管理事務所らしきが在り工事人達が我々の挙動を注目している。「間違っても高速道は歩きませんよ。」
R186の手前でやっとワカンを外し足が軽くなった。でも約2Kmの国道歩きは疲れた足腰には長かった。
冬には珍しい好天気に恵まれ、強力なリーダーの引率でとても良い山行が出来ますます西中国山地が好きになりました。
( 斉藤 記 )
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