大岡山〜築山〜1015mピークの縦走

         2006年 1月22日

         三浦昇、久枝、深野、伊藤、池本、斉藤

 

築山ルート図

前から気になっていた ガイドブックの空白地域である 旧六日市の鹿足河内川の周回コースの一部を縦走することが出来た。
 前夜は 「六日市・しだれ桜の大木」の有るみろく公園の東屋を、地元の許可を得て使用させてもらう。 水・トイレもあり、東屋は軒が大きく 、張りで濡れる心配も無く、快眠できた。
 7時。すぐ上の大元神社の階段を登り、そのまま山道に入る。 良い道とは言い難いが、踏み跡は尾根に沿って直上している。そのうち残雪が現れてきたが、ザラメ状である。 雪が深くなってきたが、ほとんど埋まらず、ワカンを着ける必要もない。
 雑木の少ないところで振り返ると、大将陣山が大きい。
 700mを越すと笹が現れる。左の沢「サコノエキ」には、残雪がよく残っている。尾根上の残雪を拾いながらルートをとると、800mに小ピークがある。この位置から北西方向にこんもりしたピークが見える。あれが大岡山だろう。

800mPからの大岡山

 残雪は豊富だが、かなり締まっていて歩き易い。地元の人の話で「頂上からの展望は良いですよ」と聞いていたので 気持ちがはやる。
 雪田があらわれ、展望が良くなった。
 平家岳が霧氷で化粧されていて朝日に輝く様は美しい。 のんびりしたい所だが、先は長いし今回のメンバー全員にとって総てが未知の山域である。前進あるのみ。

大岡山直下の雪田

 大岡山(897m)頂上には8時40分到着。しかし立ち木が多く、周辺の景色は樹間越しで今ひとつ。
 北方を伺うと、きれいな三角ピークが見える。あれが築山とすぐ分るが、木立が邪魔になり写真にならない。(この3日後、今度は西尾根を登ってみたが、急坂が多く落葉の上に5cmぐらいの積雪部分は登りにくかった。上部は積雪充分でまずまずであった。詳細は和崎氏のHPを「山口URC」で検索し、「山ある記」→「大岡山」参照))
 ここから痩せ尾根の急坂を高度差100m下る。
 笹が多いので、手荒く降りると雪崩そうである。静かにヒールキックでどうにか通過する。鞍部からは、ゆるやかな上りが長く続く。
 尾根上にテープの類はほとんど見かけないが、人が通れる位の隙間がある。 雪の下には踏み跡が在るのだろう。

こんな縦走路

 923mピークからの下りは、植林帯との境を駆け下りる。
 築山の頂上に近づくと 右のヤケオ谷側が急斜面となっていて 所々 雪が崩落した跡がみえる。山のHPで、「築山に登るには この東側の鹿足河内林道から取り付き 急坂を何度かこなす」記事が大半であるが 無雪期に限るようだ。
今回の計画を立てる際、地形図を見ていて HPで紹介されたルートは 積雪期にはヤバイと思ったことを 思い出す。
 主尾根から築山に近づくには 南北どちらか いずれも長いアプローチを こなさなければならず深いラッセルなら 近づけそうもなかった。 しかし 今回は堅雪で歩き易く、ヤブ山縦走に最適な条件になった。幸運である。

築山頂上へ

 10時40分、築山山頂着。予想どおりの大展望が待っていた。 
安蔵寺山、大神が岳、白旗山、寂地山、冠山、小五郎山、羅漢山などが目白押しだ。
(後日28日、安蔵寺山からこの築山を同定したところ、立派な三角錘で親近感をもって眺めた)
 他にも無名だが姿よく登高意欲をそそる峯峰がブナの木立をまとっている。西中国山地が好きな筆者には、いつまでも見飽きない景色である。
 どの季節ならあの未知の峯峰に登れるか、相手が多すぎて考えがまとまらない程だ。

築山頂上にて

 眼下に目をむけると、鹿足河内川へ急峻な尾根や谷が落ちこんでいる。下山予定の尾根はかなり先で、まだ同定できない。
 天気と展望が良いので、頂上直下でM夫妻準備の肉うどんで心まで温まる昼食をとる。

 下った尾根の右下は大規模な笹雪崩がタンゴ谷に落ちていた。おお怖。
更に驚くべきは、左の樹林の中にも 椅子位の大きさの雪のブロックがたくさん転がっている。急斜面に大量の雪が積もると樹林でも要注意だ。
 北に今日の目標である最高点1015mのピークが見える。
次は869mまで下るが 緩やかな尾根歩きである。
 ここら辺りの自然林は素晴らしく、私の好きな木「コシアブラ」も多い。でも新芽時には とても入り込めそうもない。やっとブナの大木も現われ 気持ち良い尾根歩きが続く。

尾根歩き

 1015mピークへは13時到着。築山から正味1時間で来た。全員快調である。
 小休止して再度カロリー補給。しばらく東に向かい尾根分岐に達し、主尾根と分かれる。
左の主尾根は急に落ちているが、再び高度を上げ白旗山へ続く。右への下山尾根を確認し、ほんの少し進むと大展望地があり、皆歓声をあげる。
 先ほどの築山に勝る光景が眼前にある。

1015mP東の展望地から

 雪を抱いた安蔵寺山は堂々と大きい。白旗山は頂上部しか見えないが、その右に1037m峰が近い。この山は、「中国山地」の著者 桑原良敏氏がこだわった所で、氏の信奉者達が訪ねると聞くし、鹿足河内山と呼ぶ人もいるらしい。
 東南に下山する尾根は、高度を下げるにつれて雪は軟らかくなり、時々踏み抜く。地形図のコンターが幅広い尾根を選んだつもりだが、地図で表現していない急な所もある。 
 最後は「オオサンズイ」の沢の左岸側から鹿足河内林道に降り立った。14時20分であった。

 でも、ここから長い長い林道歩きが残っている。若くて馬力のあるIが車をとりに先行してくれ、ありがたい。

右に入ると無雪期の登山口

所々雪が解けていて道ははかどり、16時に猪の檻の前で車の迎えに出会い、歩きは終わった。(林道には大きな倒木があり、雪解け後も車での進入時は地元の情報が必要)

 予定のコースをこなし天気にも恵まれ満足な山行であった。

              記 : 斉藤

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