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冬の雨・安蔵寺山
2008年1月23日
 
メンバー:斉藤(宗)、斉藤(滋)、Fuku(やまびこ)、ヘンリー(コンパス)、T(一般)、Y(一般・広島)
 ユニークで常に前向きな山行をしておられるFさんから、安蔵寺山のお誘いをいただいた。
 毎年雪のシーズンに一度は行く冬定番の山。しかし、Fさんのことだから上高尻からのピストンではないだろうな と思ったら やっぱり。
 安蔵山の地形図を見ていると 高尻コースの展望台あたりから 南東に下ると1028mのPがあり ここから南西に 顕著な尾根がゴギの郷に下っている。
 天気が良いときに 高尻コースを登ると 右側にはっきりと近く見える尾根である。
 今回はこの尾根を下るつもりらしい。
 相棒のMは数年前の冬 会のMさんご夫妻に誘われて、一度このコースを下っている。まさか 私にもそんなチャンスが 巡って来るなんて・・・。
 そこで 気になるのが 天気。当日の予報は降水確率 70% 大荒れではないにしても、雨模様の最悪の予報。
 しかし このところ 大はずれの天気予報。
 今回ばかりは、しっかり外れることを期待しよう。
 宇部発6時。8時過ぎ ゴギの郷に参加者6名が集結。
 あれだけ 外れることを期待したのに、なぜか的中した(?)天気予報。
 8時40分 小雨の中雨具を着ての出発となる。
 お地蔵さんが見守る登山口に着く頃は雨も上がり、この調子で行くと・・・と予報が大外れするよう期待が膨らむ。
 雨も上がって いざ出発
 しかし、谷を挟んで見えるはずの 今日のメインのあの尾根は、霧に阻まれ姿を現さない。
 足元はといえば、最悪の状態だ。
 昨晩は雨だったようで、落ち葉の上に中途半端に溶け残った雪と露出した岩に、ズルズル滑って一歩一歩慎重に進まざるをえない。
 一歩一歩 登る
  長い急坂に一汗かいて尾根に上がると 真っ白の雪の世界だ。
廻り岩を行く
 廻り岩を過ぎた所から避難小屋までのわずかな距離 先頭を歩かせてもらう。頼もしい男性軍がおられるから  私の出番は無いと思うが、膝までも無い雪でしかも誰も踏んでない雪とあらば、先頭が気持ちいい!!
 避難小屋を過ぎ、樹林を抜け 山上部に出るとやはり風が冷たい。
 この辺りでは、時として霧氷に歓声が上がることがあるが 残念ながら今日はだめ。その代り、葉を落し着飾っていない木々の枝の素朴さに気づく。
展望台はもうすぐ
  高度が上がると共に増えた積雪にも拘らず 男性軍の交代ラッセルのお陰で11時15分頂上着。
頂上に着いたけれど・・・
 少し早いが 下山に備え昼食。
 いつもながら 今日のグループは食事時間が短いので、食べやすいサンドイッチにしたが、 食べ終わるのは やはり我が家がビリ。
 山のトレーニングより素早い食べ方のコツを学ぶべき?
 好天への期待も空しく 雪ならまだしも雨となる。カッパを通して、冬の雨の冷たさを感じる。
 未知の尾根下りを楽しみにしていたが、Fさんが この天気では、一旦突っ込んでしまうと 視界が悪い上 エスケープルートが無いので 危険が伴うかも・・・と往路を引き返すことを提案され、全員すぐに納得。
 11時45分他に誰もいない山頂を後にする。
 たっぷりの積雪なら 楽しみな急な下りも 笹の葉が覗く状態では滑りそうで、結構疲れる。
 速い速い先頭に遅れまい・・・と必死に気持ちはついて行っても体がそうはいかず、 スッテンコロリで終わらずそのまま滑り落ち  10mくらい止まらないことも。後ろからの歓声を聞く。
静かな 冬の林
 避難小屋の手前で 時々ご一緒していただくHさんと会う。
 女性二人で雨の中登られるファイトに感服。
 小降りだった雨も下るにつれ本降りとなり、オーバー手袋をしていてもストックを握る手はグシャグシャ。
 それでもこの頃になって 下るはずだった尾根がうっすらと墨絵のように浮かんで来て いつの日かと新たなファイトが湧いて来る。
 13時過ぎゴギの郷に下山完了、解散。
 結果としては、ピストン山行に終わり、冷たい雨にも打たれた・・・にも拘わらず満足な気持ちが、自分でも不思議な気がする。
 そのことを Mに告げると 俺もそうだと意外な返事。
 寂地山、臥龍山と 今シーズンの冬山は春のように暖かかった。
それはそれでとても楽しかった。 けれど 今日は、久しぶりに厳しい冬山を思い起こさせてくれた気がする。
 より厳しい冬山は 年と共に遠のいて行ったけれど、頑張っていた頃を何故か懐かしく思い出せた・・・。
 そんな雨の安蔵寺山でした。
<文・斉藤(滋)    写真・斉藤(宗) >
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