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抜月川右ノ谷(高津川水系)
 
 
日 時  令和2年7月18日(土)
天 候  曇り後、晴れ
メンバー  池本、藤村、内田
行 程  山口~山口IC~六日市IC~抜月~駐車地点7:25~入渓7:30~中ノ谷分岐7:45~稜線9:45~ピーク9:50~下山開始~中ノ谷出合11:30~駐車地点~山口
 以前、抜月川のアナノ谷を遡行して、なかなか良かった記憶がある。今回、同じ抜月川でも右ノ谷を探索してみることにした。
 六日市ICを降り、国道187号を通って七日市で高津川を左岸側に渡る。抜月川に沿って進み、道端の空き地に駐車。大堰堤を越えてから入渓した。しかし、すぐに次の堰堤が現れる。この堰堤を越えてから入渓した方が良かった。前回も同じことを考えたような気がする。
 その後、左から合流するアナノ谷を通り過ぎ、今回の目的である右ノ谷へ。橋をくぐると、右ノ谷と中ノ谷の出合となる。橋のところにいた林業の方から、今日は中ノ谷で木の搬出作業があるので入らないように言われた。自分たちは右ノ谷に行くので問題ない旨を伝える。いよいよ遡行開始だ。
右ノ谷と中ノ谷との出合
 地形図を見ても、中ノ谷分岐からしばらくは標高が上がらない。右岸には植林が続くが、水は綺麗で、渓相も明るい感じで美しい。ただ、開けている分、滝らしい滝もないため、藤村がペースを上げて先を急ぐ。水量は平水並みだと思われる。
滝とも言えないくらいの小滝
 しばらく進むと、右岸から二段となった滝が流れ落ちている。上部には陽の光が当たり、何とも言えない存在感だ。一瞬、登ってみようかと引き付けられたが、この先の右ノ谷でどれくらい時間がかかるか分からないので通り過ぎた。
右岸にかかる二段の滝の上部
 入渓後1時間くらいが経過した頃から、次第に雰囲気が出てきたと思ったら、小さなゴルジュの奥に滝が現れた。これまでかなりのペースで進んできたので、身体が火照って水に浸かりたいと思っていたところだ。ここは迷わずシャワークライミング。今日くらいの水量が適度で気持ち良い。
待ちに待ったシャワークライミング
 この辺りから小滝が続き面白くなる。先週の大雨で洗われたのだろうか、岩のフリクションは抜群で、気持ち良く滝を越えていくと、その先に8mほどの立派な滝が待っていた。
滝を気持ちよく越えていく
 3人で滝を観察したところ、水流左端のラインなら何とか登れそうだ。ここはロープを出して登攀開始。シャワーで取り付いて、水流沿いを登る。探せばガバはあるが、全体的な岩の印象は丸っこい。途中、カムで支点がとれた。
立派な8m滝
 その後、何度も分岐が出てくるが、基本的には水量の多い本流を進む。GPSがあれば確実だろう。水量は次第に細くなるが、まだまだ滝は続く。突然、10mほどの滝が現れる。ホールドは豊富にあるが、下部は岩が脆い。今日のメンバーならロープは出さなくても行けそうだ。気をつけてフリーで越えた。
下部は岩が脆いので気をつけて
 さらに水流が細くなり、源流域も間もなくかと思っていたら、まだ滝が現れる。7mほどだろうか。水量の少なくなった岩に陽が当たって、ぬめっているかと思ったが、思ったほどでもない。ここも各自が好きなように登った。
好きなように登る
 ようやく沢は源流域となるが、細々と水流は続く。沢床が岩質で、堆積物がないためか、主稜線のすぐ下まで水が流れていた。最後まで忠実に沢を詰めて、主稜線に出る。ついでにすぐ近くの990mのピークまで行き、小休止とした。稜線上は濃い笹藪となっている。
 下山は右ノ谷のすぐ南の尾根を下る。所々、開けた場所もあるが、基本的には藪が続く。途中、ピンクテープに釣られて中ノ谷へ誘われるが、GPSのおかげで修正。無事、右ノ谷と中ノ谷の分岐である尾根の末端に降り立つことができた。
トラック図(抜月川右ノ谷)
 探索目的で入ったが、思った以上に楽しめる沢だった。前半は変化のない区間が続くものの、後半は滝が続いて面白い。藪漕ぎなしで主稜線まで忠実に沢を詰めることができるのも気持ちが良かった。ただ、下山に多少難ありか。作業をしていなければ、早めに中ノ谷に降りても良いのかもしれない。
(文・写真:内田)
      
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