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比叡山ロックタワーほか(宮崎県延岡市)
 
 
日 時  2020年10月24日(土)
天 気  晴れ
メンバー  内田、鹿野(会員外)
行 程  山口~宇部東IC~延岡JCT~比叡山~延岡JCT~宇部東IC~山口
 気がつけば10月も後半。クライミングの適期となったので、比叡山に行くことにする。今回はどのルートに登れるか楽しみだ。

 金曜夜に出発したところ、東九州自動車がまさかの工事通行止め。大分宮河内ICで降ろされ、佐伯ICまで下道を走るが、夜というのもあって、道が分かりにくい。かなりの時間をロスして駐車場に到着。どこを登るか相談しながら、いつものように軽く宴会してから就寝した。

 朝イチは鹿野のお勧めロックタワーへ。雨が降ったら水の通り道になるのだろう。苔で緑色となった岩を左上すると、ロックタワーが目の前にそびえ、美しいクラックが現れた。クラックにカムが使える気もするが、クラック横に打ってあるボルトにヌンチャクをかけて登った。
苔だらけの1ピッチ目
クラックはジャムが良く効いた
 3ピッチ登った後、第1スラブのスーパーと合流する。4ピッチ目は左の5.11aに取り付いたが、見事なスラブに手も足も出ず、2ポイントのA0で抜ける。その後は快適なクライミングでAピークに突き上げた。
1スラスーパー左の5.11a
 お次は左方カンテを登るつもりで3峰に行くと、ルート近くに大きなハチの巣ができており、スズメバチが盛んに出入りしている。かなり活性化しているようなので、無理せず撤退し、ニードルのダブルフレークに転進した。
 以前、ダブルフレークを登った際は、出だしでA0の嵐となってしまったので、今回はリベンジを狙う。
 ハンドジャムで取り付くが、やはりバランスが悪い。1度テンションをかけてしまったので、最初からやり直して再スタート。鹿野のアドバイスもあり、何とかフリーで抜けることができた。それにしても、比叡山のⅥ級はつくづく厳しい。
ニードル「ダブルフレーク」
 その後は順調に登るが、3ピッチ目に出た途端に風が強まり、思わず身体が吹き飛ばされそうになった。所々で耐風姿勢を取りながら、風が弱まったタイミングを狙い、何とかニードルの頭まで抜ける。
 これまで何度かニードルを登ったことはあるが、こんなに強い風は初めてだ。突風を警戒して、ダイナミックな動きができないので、3ピッチ目はかなり難しく感じた。強風と寒さに心が折れ、その先を続けるモチベーションも上がらず、ニードルの頭から懸垂して下山した。
這う這うの体で懸垂
 時間はまだ14時。車に戻って、食べ物を口にすると、元気が出てきたので、もう一本どこか登ることにする。鹿野と相談して、石田さんお勧めの2.5スラブへ行ってみることにした。二人ともルートが分からないので、近くにいた親切な地元クライマーの方に教えてもらい、上の樹林帯から先をイメージしてから取り付いた。
 1ピッチを50mいっぱいに伸ばした後、歩きで樹林帯を抜け、目の前に現れたスラブを登る。2ピッチ目の直上するルートの左側にもボルトが見えたので、左がⅦ-なのだろう。
 ところが、何だかおかしい。二人とも順調にロープを伸ばしていくが、ルートがトポと微妙に異なっているのだ。頭の中で?マークを連発しながら、ボルトに導かれて登る。後日、石田さんに聞いたところ、なんと我々が登ったのは、第2スラブノーマルだった。
下部のスラブを越えて樹林帯に入る
実際には2スラだった2ピッチ目
 2スラのノーマルは以前、二人で登ったことがあるはずだが、恥ずかしいことに二人とも覚えていなかったのだ。トラバースして右のスラブへ移る4ピッチ目は印象的なセクションだが、完全に我々の記憶にはなかった…。
右にトラバースしてからスラブに乗り込む4ピッチ目
 後半は特に難しい箇所もなく、長時間クライミングシューズを履くことによる足の痛みも出てきて、緊張感の途切れる登りとなってしまったことを反省。
 陽が傾くのと競争するように最終ピッチを登った後、薄暗くなった登山道を急いで下山した。
夕日に照らされる最終ピッチ
 比叡山にはまだまだ登ってみたいルートがある。これからも、岩を拓いてきた先人への感謝の気持ちを忘れず、力量に応じた自分の納得できるクライミングをしたい。
(文:内田、写真:鹿野・内田)
      
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