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比婆山全山縦走(2020) |
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人懐っこいロッジのヤギに迎えられる |
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日 時 |
2020年10月6日~10月7日 |
天 気 |
晴れ |
メンバー |
斉藤(宗) 斉藤(滋) |
行 程 |
10月5日
休暇村 蒜山高原~蒜山高原散策~ ひば道後山高原荘 泊
10月6日
ひば道後山高原荘(6:30)~比婆山県民の森駐車場(7:05-7:30)~笹尾根~立烏帽子駐車場(9:45)~竜王山(10:24-10:37)~立烏帽子駐車場(11:07)~立烏帽子山(11:29)~池の段(11:54-12:18)~御陵(13:25)~大膳原~吾妻山(15:26-15:40)~休暇村吾妻山ロッジ(16:20) 泊
10月7日
休暇村吾妻山ロッジ(8:10)~南の原~大膳原~烏帽子山(10:27)~出雲峠(11:15)~毛無山(12:11-12:30)~伊良谷山(13:17)~牛曳山(13:45)~比婆山県民の森駐車場(15:05) |
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10月6日
宿で朝食を済ませ比婆山県民の森へと急ぐ。一年で最もいいこの季節、本来なら登山者、観光客で賑わう筈の比婆山県民の森公園センター駐車場は静まり返っている。8月末で公園センターは閉鎖されたそうだ。15年以上年末年始を過ごして来たので突然の閉鎖はショックだったが、いずれは再開らしいので、しばらくの辛抱だ。昨年の秋山はここで車中泊したが、熊がいつ出て来てもおかしくない場所での単独車中泊は怖い。昨晩はお正月に宿泊予定のひば道後山高原荘に急遽泊めて頂き助かった。
全くひと気のない駐車場にポツンと1台車を残し立烏帽子駐車場へと向かう。まずは展望園地までの登りだが、歩き始めたばかりでいきなりMがしゃがみ込む。どうした?と思ったら栗拾いだ。小粒だがツヤツヤと光って美味しそうな柴栗が辺り一面イガイガから弾け出ている。今日は《目指せ5座登頂!》で先を急ぎたいのに思わずつられて拾いだす。戦中派はやはり食べ物を粗末には出来ない? 瞬く間にビニール袋いっぱい、どんな味かな? 茹でるのが楽しみだ(小粒でも栗は栗、美味しかった) |
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展望園地への登り |
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期待した程紅葉は進んでいないがブナの林を歩くのは楽しい。船通山も蒜山も良かったが大好きな比婆山は格別だ。歩き慣れた笹尾根を登り立烏帽子駐車場に到着一息入れる。
全山縦走にこだわらないMだが寄り道の竜王山ピストンに同行してくれそうだ(渋々?)公園センターが閉鎖された所為か登山者の姿が消えた縦走路は何処か寂しく、せっかく咲いたトリカブト、花ラッキョウも寂しげだ。
登山道に通せんぼの倒木も放置のままで鋸、不所持のMは残念そう。いくら片付けたくてもここは国定公園内勝手な事は出来ない。久しぶりの竜王山山頂は花盛り、見事なリンドウの株を見つけ2人だけのバカチョンカメラ撮影会をする。360°の大展望を2人占めし寄り道は大正解と満足する。さぁ帰ろう。来た道だけど復路は違う景色が待っている。 |
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竜王山を後に立烏帽子駐車場へ |
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スローペースながら順調に立烏帽子駐車場まで引き返し、続いて比婆山連峰最高峰の立烏帽子山に登る。
20年以上前の話だが、初めて挑んだ雪積期の比婆山(出雲峠~御陵~池の段~立烏帽子)縦走中、立烏帽子山頂から下の駐車場へと雪の斜面を一気に下った快感が忘れられない。もちろん雪崩には細心の注意を払ったが今にしてみれば若かったなぁ(いろんな意味で)と思う。様々な光景を思い出しながら池の段へと向かう。開花間近の紅葉したホツツジが美しい。 |
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紅葉のホツツジ |
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池の段で休んでいるとやっと若い2人連れが現れる。 いろいろ話してみたいが挨拶だけ交わして御陵へと出発する。 |
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これから向かう御陵、大膳原、吾妻山を望む |
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御陵へのブナの純林は所々若草色で新緑の林を歩いている・・・と錯覚しそうだ。何度歩いても清々しく空気が美味しい!
年取った所為か此処でもしきりと過去の山行の情景が思い浮かぶ。コゲラのドラミングに耳を傾けた事、キノコを見つけて仲間と詮議をした事、四季折々の思い出に浸りながら後何年歩けるか・・・と弱気になる。 |
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ブナの純林を行く |
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広いブナ林の中でこじんまりと針葉樹に囲まれた御陵は今日も静かで厳かだ。今年も登頂できた事に感謝しながらお参りを済ませ烏帽子山への鞍部まで下る。明日登るので烏帽子山はスルーして大膳原への近道を行く。
この下り昨秋歩いているのにもう忘れ意外と長く感じる(明日は登り返しと思うとなおさら) 広ーい大膳原も人影はなくウメバチソウ、リンドウ、フウロの花園の鑑賞者が他にいないのがもったいない。本日目標の5座登頂も残すは1座、重くなった足を叱咤激励しながら頑張り吾妻山山頂にたどり着く。ヤッター!
後は今晩の宿、吾妻山ロッジまで下るだけだ。 これで一安心とホッとしゆっくりと眺める。歩いて来た稜線、今から向かうロッジ・・・大展望を楽しむ。 |
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吾妻山ロッジ方面を望む |
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10月7日
出発前に宿の支払いをする。予想よりはるかに安い。《GOTOトラベル》の恩恵に与ったとしてもおかしい。おまけにクーポン券まで渡され不安になりもう一度フロントに確かめに行く。「比婆牛のステーキ付きでこの値段? 損しておられません? クーポン券まで貰っていいんですか?」矢次早にまくし立ててしまったが「大丈夫、国に請求しますから」との事、後で分かった事だが《GOTOトラベル》+県独自の補助の恩恵にも与っていた。なんともラッキーな事だが仕組みがいまいちよく分からない。
ロッジ裏の大池に寄り吾妻山の山腹を巻くルート経由で大膳原に抜ける。朝の陽を浴びたススキが輝いている。なんて贅沢!全山を貸し切ったような気分で足取りも軽くなる(?) |
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朝の大膳原 遠景は烏帽子山、御陵 |
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烏帽子山まで超スローペースで登り返し出雲峠へと下って行く。雪積期のコース(藪)合流地点までを長く感じる。
2年前の正月、腿までの積雪を交代ラッセルで登ったが、今となっては奇跡のようだ。たった2年(?)気力、体力は何倍もの速さで失くなって行くようで怖い。そんな仕方のない事を考えながら出雲峠まで帰り着く。さて残り3山チャレンジするのか? それとも下山? もちろん「ここまで来たからには全山縦走あるのみ!」と言いたい。
しかし、こちらから言おうものなら恐らく「お前は行けーや。儂は下りる」と返りそうだ。いつものパターンにならぬようおとなしく待つこと暫し・・・徐にザックを担いだM、無言で毛無山へと進んで行く(作戦は大成功!) ゆっくりペースでも程々の時間で3山縦走できそうだ。明るく開けた毛無山の山頂に登り着きお昼にする。昨日吾妻山から見た縦走路を反対側から眺めながらロッジにお願いしたおむすびを頬張る。今日も美味しい。 |
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毛無山山頂 |
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順調に伊良谷山を越え、最後のピーク牛曳山に到着、5年ぶりの全山縦走達成だ。「有難う!」と思わず口にしたが、なぜか喜びよりも安堵感を覚える。Mもそんな感じだ。新緑、ササユリ、紅葉、雪と四季を通じて訪れる比婆山だが今回も優しく迎えてくれた。
下山道の傍らに咲き終えたミヤマヨメナが並んでいる。初夏には又、花壇のごとく白く咲き揃うだろう。記憶に残るブナの大木も健在だ。前回下った沢沿いのコースは疲れた足に堪えそうなので伊良谷山との鞍部まで引き返し第4キャンプ場経由で六ノ原まで帰り着く。
コロナ感染に神経を使いながらも、久しぶりの山旅を楽しむ事が出来た。だが後日、テレビのニュースで吾妻山ロッジが11月末で営業を終えた事を知る。分かっていたらもっと名残を惜しんだのに・・・。親子で、市民ハイキングでとお世話になった思い出の宿、本当に有難うございました。県民の森公園センターと共に、いつの日か再び再開される事を心から願いつつ。 |
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(文:斉藤(滋) 写真:斉藤(宗) 斉藤(滋)) |
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