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秋の道後山(2022)
 
岩樋山から道後山に向かう
 
日 時  2022年10月27日
天 候  曇り
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)  田中(山口山岳会)
行 程  10月27日
宇部自宅(4:50) ~ 中国道(庄原IC) ~ R183 ~ 道後山月見ヶ丘駐車場(9:05ー9:15) ~ 岩樋山(10:15) ~ 道後山(11;15) ~ 大池(11:50) ~ 東屋(12:45-13:15) ~ 月見ヶ丘駐車場(13:45) ~ ひろしま県民の森公園センター (泊)
 大海山の常連Kさん、Sさんコンビから耳寄りな情報を得た。比婆山登山で《ひろしま県民の森》に宿泊したところ、料金が只同然だったとの事。言われるままに書類を数枚書いたが、余りの安さに間違いではないか?とわざわざ訊き直したと未だに半信半疑の様子だ(間違いでしたと請求書が来るのでは・・・と笑っておられたが)全国一斉の旅割5000円引きを利用しても只同然にはならない。どうして、そんなお得な事になるのだろう? 早速、調査開始! 分かりました!! その訳は所在地の庄原市独自の《庄原得泊割》も利用でき、しかも10月31日まで特別キャンペーンという事で更に追加割引中との事・・・確かに殆ど只になる訳だ。東北から帰って間がないが、こんな超お得な話、見過ごすのは勿体ない。早速、比婆山&道後山登山を計画し宿泊を申し込む。喧嘩旅の仲裁役田中さん(山口山岳会)にも声をかけてみよう。
 暗い内に道後山を目指し自宅を出る。「夕食は比婆牛の焼肉でした」の言葉につられたようで《本末転倒》の後ろめたさを感じるが、もちろん大好きな山に登る事が第一の目的だ。道後山は初めての田中さんと歩くのが楽しみだ。自宅を出て約4時間今日も月見ヶ丘駐車場に一番乗りだ。

 曇り空の下、落葉を踏みながら歩き始める。葉を落とし厳しい冬に立ち向かうように凛と立つ裸木、明るい晩秋の林は普段見えない景色を見せてくれる。Mと2人きりなら無言で10mは離れて歩くだろうが仲裁役が加わっただけで心強く楽しい。東屋を過ぎ、岩樋山の登りの分岐で田中さんが足を止める。見入っているのはキャラボクだ。こんな地味な木に興味があるのかな? いつも登っている時に目にしながら気にもしなかったが、好奇心の強い彼女につられ改めて見る。あれ! 1本2本じゃあない、そこらじゅうがキャラボクだらけだ(帰宅後、ネットで見ると《日本海側の鳥海山、氷ノ山、大山、道後山に点在》とあった。復路コースで《キャラボクの純林》という標識にも気づく)道後山といえば《花》しか頭になかったが新たな発見、訪れた甲斐があったようで嬉しい。
キャラボクの純林
 岩樋山の山頂に登り着くと大山、烏ヶ山が意外と間近に霞んでいる。改めてここは鳥取県との境だと気づく。目の前の持丸山(鳥取県では多里大山)に数年前挑戦し藪漕ぎで苦戦した事が懐かしい。「多里大山に行ってみる?」田中さんにその気もないくせに声をかけてみる。即「いや、いいです」の返事で内心ホッ! 胸までの笹を漕がなくてすんだ。
紅葉したイワカガミの葉
 目指す道後山へと続く稜線は石塁に沿っていったん鞍部へと下っている。点在する岩を縫うように露出した滑りやすい踏み跡を辿っているとチラッと目についた花・・・アカモノ? それともシラタマ? (どちらも目にすることが出来た)この時期、花は何もないだろうと思っていたので、3人共大喜びで撮影に余念がない。
名&迷カメラウーマン
紅葉のアカモノ
 山はどんな季節でも何かしら律義にプレゼントを用意してくれている。だから1年中登っても飽きない。少しずつ行っては立ち止まり、しゃがみ込みで1時間もかけてようやく山頂に辿り着く。晴れていたら360度の大展望、いつまでも眺めていたいだろう。ゆっくりと腰を下ろしコーヒータイムは間違いなし。だが寒々とした曇り空の下ではその気にもならず笹原の中の登山道を大池へと下って行く。
凛と咲く
咲き残っていたカワラナデシコ
 大池とは名ばかり、なんだか段々小さくなって来た感じだ。池の縁に沿って進みながら眺める対岸の林は殆どが葉を落とし秋の終わりを告げている。だが少しひねているのだろうか? 大勢の人が紅葉狩りを楽しむ彩り豊かな景色より少し物悲しげなこんな風情が好きだ。耳に届くのは野鳥の声だけ、道後山を独り占めした気分でゆっくりと歩く。
晩秋の大池
岩樋山を眺めながらの復路
  東屋まで近道(トラバース道)で帰り、遅くなった昼食を摂る。下山後に向かう比婆山連峰を眺めながらのコーヒーが美味しい。世情の事を思うと随分贅沢な時間だなと思うが、今日もまた都合よく心の中で折り合いをつけて行く。自分達に残された日々(どれほどかは分からないが)を少しでも大切に過ごしたい・・・。

 駐車場まで帰り着くと車が数台、奈良ナンバーもあれば札幌ナンバーも。沢山の花が咲き揃う時期に比べ、地味だった晩秋の道後山、だが訪れた人の心にきっと何かを残すだろう。
 
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
    
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