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ブナ原生林を求めて木谷峡源流域へ
2008年5月23日
 メンバー  斉藤宗、三浦比、H(コンパス)、K,T(一般)の5名
白いイワカガミ コケイラン
 鹿野ICから 木谷峡へ入る時、小西集落で 「ブナ原生林」の目立つ案内板を見かける。わざわざこんな標示があるからには かなりの規模と想像する。
 桑原良敏氏の著書「西中国山地」にも 小西川奥の左岸には天然林が残されていると記述されている。
 すぐ横にも「ブナ林まで1300m]と赤い矢印をつけて大書してある。案内板の中に書いてある2.5Kmとは、違う。
 7〜8年前 2.5Km近くの 最源流地帯を歩いたが、大伐採されブナの記憶は無い。赤い矢印の「ブナ林まで1300m]は比較的新しく見えるので こちらを信じる。
 国土地理院の地形図を見ると、等高線が入り込んでいて起伏に乏しい 読図山行には難解な 地形で、下手をすると「ここは どこ?」 状態になるかもしれない。
 ここ数年 曲がりなりにも読図山行をやってきたので、腕試しに ここに入ることにする。でも読図山行の御大Fさん(やまびこ)が 都合で参加できないらしい。不安はあるが 上記の方々の参加同意を得て、決行する。
 1・ 今回は 未知の部分が多く、情報もないので 最短距離での踏査を目的にし、早目に抜け出したい。(多分 熊の生息域なので  山中ビバークは避けたい。)
 2・ でも読図山行は貫き、事前にコースを設定し その通りに歩く。
ブナ原生林の案内板 予定コース
 3・ もう一つ欲張り、木谷峡上流部が 沢登りの対象になるか 観察しながら林道を下る。
 9時5分 小西林道を上流に向かい 歩き始める。最初は荒れていて 普通車では 入らない方がよさそう。そのうち 良い道に なり、回りを見る余裕がでる。
 山菜類が目立つが 今からどんな困難が待ち構えているか分からないので 採取は控える。
 灰の木の白い花がきれいに咲いているのをきっかけに 木や花の名前を教え合ったり、傍の沢を覗きながら登って行く。
 途中 小西谷を渡る橋があるが壊れたままである。対岸でのかなりの岩石落下が原因のようで、これらは苔むしている。
 色んな採りごろの山菜を横目に、林道終点は1時間後。
 ここで 前方の景色を見て 全員唖然とする。
 深いブナの原生林を想像していたのに やたら明るい伐採・植林地になっている。
小西林道 林道終点の意外な景色
 心の動揺を隠し「ここがA地点、進行方向Bにシルバコンパスをセットして」といったものの 締まらない。
 廻りが見え過ぎて コンパスが無くても 進行方向がわかる。それどころかそちらに踏み跡があるではないか。
 筆者は 計画の段階で地形図とにらめっこし、「南の小西谷と北の木谷川上流の間に分水嶺」を見つけ これを辿るコース設定をした つもりである。
 ほとんどそれと同じコースに 植林のための小道が続いている。すべて丸見えの読図山行では、当初のテンションは 低下する。
これじゃ読図山行にならない でも俺は読図したいんだ
 B,C,D地点の確認はできるが 小道から外れるのでショートカットする。
 足元にはワラビがたくさんある。「山菜採りに変更!」「ワア!」と歓声。
 茎の長い花だったらしいものが種をつけている。踏まずに 歩くのが困難なくらい群生している。
 Tさんから ショウジョウバカマと教わる。
 しばし楽しんだ後の E地点〜F〜G地点は 樹林の中で やっと読図山行らしくなったが ほぼ直進なので 容易過ぎる。
 伐採から逃れたブナも所々あるが 大木には程遠い。イワカガミの花が 人知れず咲いている。
E点からF点に向かう 平家岳への一般登山道
 平家屋敷跡で 早い昼食を取り、平家岳に向かう。
 オモ越までの林道は整備中で やや幅広くなっている。
 ここから 笹が多く一般登山道なのに今日始めての藪漕ぎになる。
 こんなに笹の背丈が高くなると 笹ゆりは大丈夫かなと心配である。
 頂上近くになると笹の背丈は低くなるが 潅木が増え 展望が狭まりつつある。特にアセビが多い。これも温暖化の影響か。
 皆さんは 笹を掻き分け 笹ゆりをさがし 「蕾がある」「ここにも」と言っている。
 6月に入れば楽しめそうである。
 頂上から東に大将陣が大きくみえるが 北と西は潅木が伸び展望は得られなくなっている。
 特に西の展望台へは 酷い笹漕ぎになって いる。
平家岳頂上直下 どこでも登れそう
 ウドを少々採取しながらのんびり下るが、木谷峡上部の渓相が良くなると 目線は谷へ。
 皆さんそれぞれの沢登りのイメージを しているようである。
 上流でありながら小滝・釜や淵が多く 泳ぎ好きには楽しそうである。
水遊びに最適 昼食はここが良さそう
 落差の大きい滝が無いので 上級者には物足りないかもしれない。
 でもトラック図にポイントした「急傾斜の支流」は 手強そうで 岩登りの道具を必要とする。(水量は少ない。泳いで取り付く)  程ほどの時間に一周して 帰り着いたが 入山前の情報収集不足を反省している。
 目的のブナ原生林は違う山域だったのかも知れない。
 伐採したのに案内板はそのまま残っているのかもしれない。
 もっと調べて再度入山するかどうか決めたい。
本日の周回コース
(文、写真、トラック図) 斉藤
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