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雪山ハイク・天狗石山
山行日  2009年2月11日 
メンバー 斉藤宗  斉藤滋  N(家族) 
 Nの休暇に合わせ 久しぶりに芸北(サイオトスキー場)でスキー(Nはスノーボード)を楽しんだ。
 しかし 年と共に脚力は衰え 昔のように2日3日と続けて滑るなんてとても出来ない。
 そこで 休暇の一日は登山をすることになり Мの提案で来尾峠から天狗石山に登り 帰路は佐々木新道経由でホン峠に下り 高杉山に縦走 場合によってはホン峠から直接サイオトスキー場に下る周回コースを歩くことにした。
山頂間近 雪が舞い始める
 宿で沈殿か・・・と心配した天気も何とか持ち直し「まぁ 山登りですか!」と驚いておられたご主人夫妻に見送られ出発する。
 前日にスキー場入り口までしか 除雪されていない事は確認済みだ。
 路上駐車というわけにもいかないので かなり歩くことを覚悟して 以前停めさせていただいた才乙の集会所に向かう。
 集会所で身支度を整え まさに歩き始めようとした時 一台の軽四が現れ 「中野冠山かね?」と声がかかる。 「いえ 天狗石山です。」「ほぅ 天狗石かね まだ大分あるから車で行った方がええよ。」 「でも 車を停める所がないかもしれませんので」と返事すると「あるある スキー場の入り口の所に うちの土地があるから  そこに停めたらいい。何かあったら ○○が言うたと言っていいから。」となんとも有難い話。 「助かります。お言葉に甘えてそうさせていただきます。」と言うと○○さんは 安心したようにその場を去って行かれた。 田舎の方はなんて親切なんだろうとつくづく思う。 たまたま通りがけに見かけた登山者に わざわざ寄り道して声をかけてくださるなんて。
 教えられた場所に駐車させていただき9時20分 来尾峠を目指しいよいよ雪道に入る。
 アスファルトの道を歩く時間がかなり短縮されて 気持ちに余裕が出る。自前のラッセルを覚悟していたが 数名の先行者もいるようだ。 少し進んで積雪が増えて来た辺りで7〜8名+犬1匹の先行パーティーに追いつく。
 ワカンを装着し終わり出発されるところで 元気な柴犬がはしゃぎ回っている。 来尾峠までは つぼ足で行こうとパーティーの後につかせてもらう。
 しかし腐った雪は ワカンで踏まれていても 数歩ごとにズボッと埋まり 堪らなく私達もワカンを着けることにする。
 間もなく着いた登山口の来尾峠は いつ来ても静かだ。
 17〜8年前の5月 初めてここへ来て 新緑の中 家族で三つ石山まで登ったことが今日も思い出される。
来尾峠
 登山道に入りしばらくは 覚悟していた急登が続くが ほどほどの積雪で 返って歩きやすく順調に高度を稼ぐ。
明るい尾根
 先行のパーティーに追いつくが 急ぐことも無いので ゆっくり登る。
 やがて尾根が右にカーブして 広々とした展望地に出る。
 無雪期には笹原が広がり それまで続いた急登の疲れを忘れさせるほど 気持ちのいい場所だ。 雪の原となった今日も また一段と気持ちいい!!
いつ来ても気持ちのいい尾根
 振り返れば 中野冠山から一兵山家山 来尾峠への稜線が続いているし 右方向には 昨日遊んだサイオトのゲレンデも見える。 目指す 山頂も見えてくる。
中野冠山をのぞむ
高杉山をバックに
 ここからは 今までの急登とは対象的に 穏やかな平坦な尾根歩きとなりやがて樹林帯に入る。
  山頂目指して
 明るかった空が いつの間にかどんより曇り湿り雪が舞い始める。
 山頂までは 間もなくだが ひどくなる前に雨具を着る。
 この辺りは きれいな自然林なので 写真を撮ったりしながらゆっくりと登る。新緑の頃は 空気までおいしいと感じる所だ。 雪がひどくなり視界が悪くなる。
 頂上直下ですぐ下山を始めた先行パーティーとすれ違う。 11時20分 人気が無く寂しい山頂展望台に立つ。
山頂展望台へ上がる
 前回 登ったのは この山頂に咲く オオヤマレンゲを見るためだった。
 今はこの雪の下で じっと春を待っているだろう。
 ますます降り続く雪。薄暗い木立ちに囲まれて食事する気にはならず 記念の写真だけ撮り下山開始する。
 山頂から分岐する佐々木新道へは下らず往路を辿ることに。
 所々つい先刻歩いたトレースが掻き消え 雪山の怖さを感じる。 山頂を発つ時念のためコンパスをセットしてて 良かったと思う。
消えたトレース
 標識は雪の下で見えないが 高杉山への分岐辺りまで下ると Mが 「どうしょうか・・・」と思案している。 この悪天の中 高杉山に向かうかどうか・・・。 下るにつれ いつしか雪は雨に変わり この先好天は望めそうにない。
 山頂も踏めたことだし往路を下ることでスンナリ意見一致。
雪の中 往路をたどる
 急坂をNと二人で 尻セードを楽しみ 登りの半分のタイムで下山する。
尻セードで一気に下る
 雨は降り続いている。 才乙集会所まで戻り 車中で昼食を摂ることに。
 宿の奥様がお弁当にもと たくさん炊いて下さったご飯でにぎった ゆかりとわかめ入りのおむすび。 それにインスタント味噌汁とちくわ。運動の後だからか MもNも「美味しい!」「美味しい!」と大満足の様子だ。
 山頂往復だけの平凡な雪山ハイクとなったが ピークを踏めたのは やはり嬉しい。
 素朴で親切な方との出会い 美味しかったおむすび 心温まる芸北の休日となった。
トラック図
(文・写真 斉藤滋    写真・トラック図 斉藤宗 )
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