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雪の臥龍山を訪ねて
山行日  2009年1月17日 
メンバー 三浦昇 三浦久 村田俊夫妻(と愛犬クマ) 鹿野陽 松田
斉藤宗 斉藤滋  計8名+1匹
 ブナの新緑と黄葉が美しい臥龍山。シーズンにはたくさんの人が訪れている。
 山頂近くに湧き流れる名水や麓に広がる湿原に咲く素朴な花々も人気の一つだ。 ・・が冬の臥龍山の美しさはまた格別だ。
 今年度の市民雪山ハイキングとして予定されているこの山を歩いてみた。
  この雪が落ちたら・・・
 190号線と南部海岸通りが交差する近くの土路石川駐車場発6時。山大前でMa君と合流し山口インターから中国道に乗る。
 戸河内インターで高速を下り 聖湖キャンプ場近くの登山口へ。
 聖湖入り口は少し除雪してあり 運良く2台駐車することが出来る。
 すぐ後来た人は離れた場所に置きに行っているようだ。
 9時20分身支度を整え標識のある(殆んど雪に埋もれている)登山口へ向う。
 土曜日だが間に合った!まだ誰も踏んでいない。 しかし道路側面は除雪された雪が押しやられ 雪の壁となり(高さ1m位)乗越しにまず苦戦。
 やっと上がった所でワカンを装着し 皆さんより 一足先に歩き始める。
 昨秋この日を想定し歩いているので 雪の下の夏道がなんとなく見えるような気がする。
 かなりの積雪なので コンパスをセットすれば何処を歩いてもいいようなものだが やはり登山道の上が埋まりが少ないようだ。
 今日は山岳会で1・2番の若い二人が居るので すぐに追いつかれ先頭を交代する。
 速い速い!なんとも頼もしい。
 それにMuさんちの愛犬クマちゃんも 首の下まで埋まりながらの猛ハッスルで たくさんの元気を与えてくれる。  Muさんの奥さんは スノーシューで深雪に挑戦。
元気なクマチャン
 順調に登り 最初のポイント地点の林道(ヘアピンカーブ)にとび出る。
 1時間ラッセルしたので小休止するが 相棒のMが若い二人に地図とシルバコンパスの使い方を説明している。
 熱心に聴く二人に説明も一段と熱がこもっているようだ。
林道に出る
 1053mPの稜線までのラッセルは Miさんが頑張られるが 二番手の私は足の長さの違いで歩幅が足らず四苦八苦 付いて行くだけでやっとだ。
 辺りは気持ちのよいブナ林が広がっている。
 「素晴らしいですね。」とMiさんも感激の面持ちである。
 そこで 記念写真を撮ることに。
 クマちゃんも加わり撮影が終わった頃 数人づつのパーティーが上がって来たので出発する。
  記念撮影
 次の目標地点は五差路(登山道・林道が5方向に交わっているので勝手にそう呼んでいる)。
 若手を先頭に進むが だだっ広い尾根形状のこの辺りは コンパスをセットしていないと悪天候時には難儀しそうだ。
 やや右に寄りすぎたのを左に修正するよう伝え 程なく五差路着。
   分りにくい尾根
 次のポイント展望台にコンパスをセットし 説明している間に後続の二人パーティーが現れ われわれに方向を確認しながら追い越していく。
 ここで初めて他パーティーのトレースを踏むことになるがそれもつかの間 あっと言う間に追いつき トップを替わってもらう。
 S君とMa君の若い馬力には誰もかないそうに無い。
  若者に負けない余裕の登り
 展望岩に着いたが今日は雪の下。ここから見える筈の深入山・恐羅漢山・聖湖も霧の中では姿を現さない。残念。
 市民ハイキング当日は いつか見たような素晴らしい青空の下で私たちを迎えてほしいと思う。
 しかし 霧にぼんやり浮かんでいる枯木 の風景は幻想的でそれはそれで美しい。
 無雪期には やや煩い潅木帯もこの時期は 殆んど雪の下で気持ちのいい雪原となる。
 臥龍山頂が見え「あの岩が頂上」と言うと 突如S君とMa君が 一番手目指してワカンを着けたまま走り出す。
 さすがぁ〜 先輩のS君は一旦Ma君を抜きながら最後の数歩を後輩にプレゼント。
 見ていてなんとも気持ちがいい。
 12時過ぎ 誰も踏んでいない臥龍山頂に到着。やはりいい気分だ。
 若者二人は早速大岩にワカンを履いたまま上がっている。
   大岩に上がるS君とMa君
 さて本日の楽しみはMiさんが準備してくださった昼食。
 若い二人のザックから取り出されたのは”肉うどん”の材料とテルモスのお湯。
 これだけ担いでいて ワカン着けて走れたんだから凄い!
 Miさんの下準備のお陰で 手際よく温かい肉うどんが出来上がる。
 辺りにいい匂いがしてくると落ち着かないのがクマちゃん  クンクンと鼻をならしおねだり。
 さすがにクマちゃんも寒い中では いつものイリコより温かい肉うどんの方がいいらしい。
 湯気のたつ出来立ての肉うどんは美味しい!
 Miさんち自家製の唐辛子が効く。 みんな大喜び。
出来上がりが待ち遠しいうどん
 さて お腹も充分満足し後は下るだけだが 時間があるので Mの提案どおり猿木峠方面に少し下ってみることにする。
 昨年の冬も同じコースを歩いているが 難なく下った筈の尾根が今日は非常に分かり辛い。
 コンパスをセットしていても 果たしてこの方向でいいのだろうか・・・?
 豪雪のため尾根形状がはっきりせず どの方向も同じ様な斜面の下りで不安になる。
 雪もますます深くなった感じで こうなってはコンパスを信じるしかない。
 予定では 猿木峠に向う夏道を 鋭角に引き返すコースの分岐地点まで下り そこからターンしてそのコースに沿って林道終点の雪霊水まで帰る。
 だが 分岐地点辺りまで下って見たものの 想像以上の雪のため 立っているはずの標識は見当たりそうもない。
 右も左も着雪した樹々が立ちはだかり 山頂までとはうって変わった光景に緊張感が漂う。
此処はどこ・・・?
 およその場所が分かっていながら 気持ちは ”此処はどこ!?”状態に陥りそう・・・。
 そんな気持ちを知らないのかMは 左(帰路方向)へと向きを変える。
  「ちょっと待って!」確かな分岐を確認してからターンしたいと思ったので GPS所持のMにその旨伝えると 「この辺りに 間違い無いが この雪で標識を見つけるのは難しいよ」との事。
 辺りの様子では 無理も無い。雪霊水に向けてコンパスをセットする。
 Mに「ここから ほぼコンター通りに行けば雪霊水に出るはずだから」と言われS君が先頭を行く。
雪のブナ林を行く若者二人
 何もこんな苦労をしなくても頂上から直に下れば 短時間で行くことが出来る。
 しかしわざわざ遠回りするのも訳がある。
 この僅かな間に素晴らしいブナがあるからだ。
 次々と現れるブナの大木に足元の苦労も忘れ見上げる。
今日かなりの登山者がいるようだが このブナを見上げることが出来るのは 恐らく自分達だけだろう。
   雪霊水は近い
 「いいぞ。いい線行ってる」Mも感心するほどS君のコース取りが良く ピタリと雪霊水に辿り着く。
 余分な時間が掛かっても 若い彼らにとって いい勉強になればと願う。
 厳寒の今も 雪霊水は凍ってはいない。春まで人知れず流れているだろう。
 さて 林道に出て一安心したものの まだまだ大変だ。交代で膝までのラッセルが続く。
 Muさんもクマちゃんを連れて大変なのに 二人三脚ならぬ二人匹六脚で頑張られる。
 クマちゃんのスタミナも大したもので全然へこたれていない。
林道に出ても続くラッセル
 途中一箇所林道をショートして辿り 朝の林道出合い地点に帰り着く。
   これが楽しみ
 小休憩の後 ここからは登山口まで各自思い思いに下る。
 これぞ雪山の醍醐味である。 ここでも若い二人は ワカンを履いたまま走って競争している。
下りは楽しく快適
 下山完了は15時45分。  若者と昔若者が協力しあえ楽しい一日となった。
臥龍山トラック図
 (若者二人は帰着後セミナーパークに向い ボルダリングのトレーニング。若さにはかなわない)
( 文・斉藤滋    写真 トラック図・斉藤宗 )
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