へのリンク
静寂の山・雪の白旗山
山行日  2009年1月28日 
メンバー (宇部)  SL:斉藤宗、斉藤滋、三浦比
(やまびこ) CL:F、Kk、N     (コンパス)  H
(一般)  T、Ks       以上9名
山頂はもうすぐ 
 人里から遠く 特に冬は訪れる人もほとんど無いと思われる 孤高の山・白旗山へ過去2度、挑戦したが いずれも時間切れで途中下山している。
  http://ubealpine.fc2web.com/17houkoku/38-ookayama.htm 大岡山〜築山〜1015mピークの縦走
  http://ubealpine.fc2web.com/21houkoku/6-sirohata.html 白旗・1101mピーク
 やまびこのFさんから、「東の深谷川方向から 登ってみませんか」とお誘いを受け 「面白そうですね」と二つ返事で同意する。
 予定の日の天気も良さそうなので すぐにメンバーは集まる。
 当日 道路凍結を覚悟して出発したが 道は乾き楽勝。六日市に入り田圃に雪の無いのに驚く。気温はマイナス5度で大霜。 さすが 深谷川沿いに上っていくと 陽が当たらない所は凍結している。
 入山口近くには 神社があり、その近くの空き地に駐車させてもらう。
 8時25分 周辺に雪は少ないのでワカンはザックに付け出発。
 先ずは無人の河内神社にご挨拶し 裏手から突入。 近所の犬が吠える中、笹漕ぎから始まる。
 この上で林道に出たが かまわず上へ上へと登る。そのうち間伐も済んだ植林地に出る。
 まばらな雪で 歩き難い。植林地が終わると アセビなどが茂る半藪漕ぎとなる。
 Fさんが先頭で格闘している。
 これが長く続くと「もう止めよう」の声も出るかも知れない。ギリギリのところで全面積雪となる。
 これからが我々が望む 雪の尾根歩きである。
 休憩しているすぐ傍に猪の足跡が続いている。蹄の大きさから推測すると かなり大型だ。
 筆者は雪が嬉しくて先頭に出る。猪の足跡も上に続いている。
 この尾根は陽当たりが良いので 雪が軟らかく重い。
 そのうちスピードが落ち、Fさんが先頭になる。ツボ足の効率が悪くなり、たまらずワカンを着けることにする。
 全員が着け終わるまでにやや時間がかかる。この間 こじろしいGは先頭ラッセルを始める。
  ブナの木に熊の爪痕
 Gの500歩ラッセルの後は 交代で高度を上げて行く。
 850mを越えると尾根は広く、木々も疎らで とても明るい。
800m上・自然林
 狙ったとおりの尾根歩きになる。今日の天気と積雪量なら 目指す白旗山に登れることを確信する。
後ろは小五郎山
 休憩時Mhさんから乾し柿を頂く。先日の蔵王スキーのお土産だそうで カロリー補給に最適である。
  864m付近
 結構大きなブナ林を過ぎると アセビの多い急坂となる。先頭のN君は 何度も雪の下の空洞に落ち込み苦戦している。 ラストのGも何度も踏み抜き「なんで?最後なのになんで?」と言いながらついてくる。
 「減量しろ。そっと踏め」と言ったものの この場に適切なアドバイスは思いつかない。
 やっと難所を過ぎ 広く緩やかな1000mに達する。筆者は「俺こんな緩いところは得意!」と言って先頭に出る。
 とても気持ちいい雪の自然林歩きである。
   今回の予定コース
 そのうち傾斜が急になったので? 先頭をTさんに代わる。「少しでいいよ」のつもりなのにかなり頑張っている。
 交代時の彼女の顔には大汗。
 次は 雪山2年ぶりのMhさん。ブランクを全く感じさせない軽やかな歩みで、主尾根に到達。
 そのまま左に進み 1101mに登りきる。
 今日は天気がいいので 周辺の山がよく見える。近くの小五郎山は勿論、羅漢山、大将陣山、城将山、北には安蔵寺山、香仙原が 至近距離にある。
 いつまでも見飽きないが 先を急ごう。
  1101mを越える
 ここからの縦走路は快適で 皆さんの歩みの速いこと。写真を撮っている筆者はおいていかれる。
 先導するFさんはるか先で姿は 見えない。
   快適な吊尾根
 この吊尾根風縦走路は 雪の西中国山地では第一級と思う。
   前方に白旗山
 いつまでもこの景色は続かず 尾根の左側が植林となり興醒め。でも前方にはっきりした小ピーク(1060m超え)が現れると 自然林にもどる。このピークの左側には露岩があり すっぱりと切れ落ちている。
 先頭のHさんが 振り返りCLのFさんに「右を巻きます」と言っている。
 右の斜面は 急でなく安全に通過できる。(今回の山行で 唯一尾根を外したことになる)
露岩を巻くと穏やかな登り
 この先で少し下り また緩やかに登って行く。先行者の周りは 素晴らしい青空だ。息使い、足音、風の音、何も聞こえない無音の景色の中にいる。
静寂の山
 11時50分 白旗山山頂に到着。何年もかかり永かったような そして意外と呆気なかった雪の白旗山山頂である。
 今日は白旗を掲げなくてよっかた。頂上の丸い石は雪の下。
   白旗山山頂
 筆者だけ思い入れ強かったようで 皆さんは さっさと弁当を開いている。筆者に「早く食べんと また遅れるよ」とKkさんから声がかかる。
安蔵寺山を望む
 賑やかな昼食を終えると、気合を入れてシルバコンパスをセット。
 下山で違う尾根を下り 登り直すと、時間と体力を消耗する。
 セットした進行方向(度数表示)を確認し合い 12時20分 スタートする。
   下山開始
 途中 主尾根から派生する支尾根や落ち込んでいる沢を見れば 地図上で確認し、常に現在地を掌握しておく。
 時間のかかる作業であるが 登り直すよりはいい。
 主尾根が二つ、三つに分かれる時は 特に注意する。
尾根分岐では読図
 こうして確認しながら 14時5分 予定のコースを下りきる。
 雪景色もいいが 道無き山で ピタリと予定地点に帰りつくと満足感で 、晩酌のビールがすすみそう。
 今回の成功は Fさんの発想の良さと 好天気、皆さんの日頃の体調管理と読図山行の訓練の成果であろう。
 高く険しい山でなくても、読図山行にすれば困難もあるが それに見合う満足感もある。
 下山後の参加者全員の笑顔が それを物語っていた。
今日のトラック図
(文:斉藤宗) (写真:斉藤宗、斉藤滋、Ks)  (トラック図:Ks)
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送