へのリンク
積雪期読図山行 向山・最早山
日 時 2010年2月24日(水)
メンバー 斉藤宗、斉藤滋、F,H,Kk(やまびこ)、Km(さんぽ)、Ks,Tm(一般)以上8名
 
 数年間 共に読図山行をしてきたFさんが この春富山に転勤とのこと。しばしの別れだ。
 そこで西中国山地での「思い出山行」を準備した。
 選んだ山は 筆者が読図山行には もってこいの山と 常々考えていた広島県安芸大田町の 向山・最早(モヤイ)山である。
 R191をはさんで 深入山の南に位置するこの山は、山上部が広くなだらかなので 地形の読み取りが難しそうでマニアには面白いと考えていた。
 参加メンバー全員この山のことは知らない。
深入山の頂きから見た 周回コース ・ Ksさん提供
 8時に戸河内ICで合流後 深入山南麓のグリーンシャワーの管理棟裏の駐車場に入る。
 2月20日恐羅漢山行の折に見た雪景色の深入山は、ここ数日の暖かい陽気で すっかり姿を変え 南面は 草原の山に戻っている。昨夜「気温上昇→雪崩」を心配したが 落ちる雪が無い。
 8時40分歩き始める。
 取りつきの林道入口は 日陰で雪に閉ざされ 最初から地図を開き現在地確認。国道のすぐ傍の上部の道らしい。 雪の林道には人の足跡は無いが 獣や小動物の足跡は無数にある。 ここは豊かな山なのか。  地形図には 一本道の林道しか記してないが、数え切れないほどの分岐があり どちらに進むべきか何度も悩む。 大原則は 南西方向、少しづつ標高を上げることにする。  先程から 熊らしき足跡が目立つ。(冬眠から覚めたのか・・冬眠していないのか?)
親熊子熊の足跡 熊の爪跡、こちらは下山時
 地形図の林道を進んでいるつもりで、現在地の確認をしようとしても 矛盾が多くなりお手上げ寸前である。
 962mピークへの予定コースの取りつきが確認出来ず どうやら進み過ぎたようだ。林道が下り始めた所で ヘヤピンカーブ状に左上に延びる急坂を登る。
 後ろを振り向くと 恐羅漢山のスキー場が見える。
 林道にはトゲが多い木イチゴが茂り歩き難い。この林道は まさか主稜線にまで上がっているのでは?。そうだとすれば この企画は失敗である。 冷や冷やしながら 林道を避け支尾根によじ登り 細い尾根を行く。
 こんな所にも 赤テープが現れる。先頭から「左下に林道が見える」と声がする。 確かに白い(雪で)帯の様な林道が何本も上に続いている。この山行を企画した筆者は 穴があったら入りたい気分である。
 今さらどうしょうもないが せめて読図山行だけはやり遂げたい。962mから向山山頂にシルバコンパスをセットして これを忠実に辿る。
 向山への登りは笹で 幸いにも雪や先程のトゲトゲは無い。単調な登りの後、前方が明るくなり一面雪の平坦な場所に出る。
 これより高い所は無いので向山と思うが結構雪が深く頂上三角点は探せない。雪田の真ん中あたりの木に「向山」や「柴木山」の板が付けてある。
 青空にブナやナラの木の枝が伸び伸びとしていて 気持ちいい処である。嬉しいことに林道もここまでは来ていない。
向山山頂
 記念の写真を撮り終えた頃には 地図・コンパスを片手に口ぐちに「モヤイ山はこちら!」と言っている。皆さんやる気十分である。
 幸い雪はほどほどに締まり ワカンの必要はない。しかし何度か 踏みぬいたGだけはワカンを着ける。(体重を減らせ!忍者の如く歩け!)
 ポカポカと春の気温だが平坦過ぎて雪崩の心配もなく 起伏の少ない広い尾根歩きは気持ちいい。しかし悪天なら要注意山域であろう。
 好天でも雪がなかったら 足跡が残らないので 立ち止まってぐるぐる体の向きを変えていたら、自分がどちらから来たのかも分からなくなりそうだ。
林の中 好きに歩く
 先程セットしたシルバコンパスの進路を時々確認しながら 疎らな林の中を進む。ここに来て イメージ通りのいい山だと思えて来る。満足である。
本日のトラック図
 先頭はピタリ モヤイ山(蔵座山)に到着。三角形の石が鎮座している。
 山頂といってもピークではなく だだっ広い雪の原が広がっている。 立木はブナ、コナラ、ミズナラ、リョウブ、夏椿、山桜に似た幹のミズメ等。
 ここから少しづつ下りになるがコースを大きく外さなければ どこを歩いてもよい ゆったりとした雪尾根がまだまだ続いている。至福の時間である。
 ノーテンキな人、読図に慎重な人
 先頭を歩いていると 目の前にブナの大木を見つける。このブナは直径1.3mを軽く越えているだろう。幹周りも4m以上(中国地方トップクラス)枝ぶりも堂々たるものでとても風格がある。モヤイ太郎なんて名前を付けたらご無礼であろう。
 このブナの大木の下で昼食タイムとする。
でかいブナの木の前で昼食
 ブナの木 上部
 雪山での昼食は寒く そそくさと終えることが多いが 今日は違う。風の無い陽だまりの中 のんびりできる。
 木立の向こうには深入山が近い。その右に大きな山が見えるが すぐには名前が出ない。Gから臥龍山との声もあったが 正解は??のまま。
 食後さらに下って行くと 杉の美林がある。天然の杉のようだが太く立派な樹形である。
 その先で林道を横断する。何でこんな所まで林道を?と 考える。先程の杉の美林がターゲットなのか。尾根はだんだん細くなり 雪庇の名残もある。
 尾根は細くなる
 雪が少なくなると 低い笹の中にかすかな踏み跡が現れ赤テープも出てくる。 「やっぱり臥龍山よ。右に掛頭山の鉄塔が見えるよ。」と突然Gの声がする。確信できるまでずっと考えていたのか・・・。執念深いGと今後もパートナーとして付き合っていくには かなりの覚悟がいる・・・・。
 途中 エスケープルートとして考えていた支尾根分岐を確認したが、余力もあるのでそれは見送り カナクラ峠に向かう。
 峠からの下山ルートが雪道として見えたが さらに予定の915.3mに登り返す。
 雪は無く薄い笹に覆われた中 手分けして三角点を探す。 笹の下 目立たない三角点をFさんが見つける。大きさから4等三角点とのこと。
 最後の最後まで予定コースに拘り 馬蹄形に延びた尾根を密生するアセビに苦労しながら下る。
 最後は小さい沢を渡りR191に飛び出す。
 駐車地に帰りついたのは 14時半。
 緩やかな西中国山地でも 特筆の平坦・幅広尾根を 予定通りに歩けメンバー全員満足な読図山行でした。
文・写真・トラック図・斉藤(宗)
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送