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アケボノツツジを求めて(四国の山旅)その3
日 時   平成22年5月11日(火)~ 15日(土)
メンバー   斉藤(宗)  三浦(比)  斉藤(滋)  Ks(一般)
初夏の霧氷
冠山・平家平
  5月14日(金) 丸山荘(6:40)~(8:05)ちち山分かれ(8:10)~ 一の谷越(8:40)~(9:25)
冠山(9:40)~ (10:30)平家平(10:40)~(11:20)電線巡視路分岐(12:05)~(14:30)
住友フォレスタ(14:45)  ~ (15:50)日浦登山口(16:10)~ 新居浜 ~ しまなみ海道 
来島海峡SA(18:30)
 明るくなって目覚める。かなり冷えている。 屋外の洗面台(鉄製)で水を流すと 次々と透明のコブが盛り上がる。氷が出来ている。
 急いで身支度をして管理人室に行くとご主人が朝からご馳走を並べておられる。「何も出来ません」と言われるが 卵焼き・汐鮭・味噌汁(具たくさん)等前日の宿より1000円高いとはいえ格段の差だ。それに今朝は炊き込みご飯。 朝から食欲モリモリ。あぁ~あ これで又山歩きで痩せるどころか・・・。帰宅後体重計のメモリが右に2メモリは移動しそうだ。
 お願いしたお弁当を受け取りご主人と記念写真におさまる。寒風山に向かわれる埼玉の男性ともここでお別れだ。
ご主人と記念撮影
 昨日の内に笹ヶ峰のピークを踏んだので近道を取りちち山との鞍部にある紅葉谷分岐を目指す。予想した通り今朝も霧だ。
 今日も長丁場なので黙々と登る。昨日笹ヶ峰から丸山荘までイッキに下っていたのできつい登りを覚悟したが山頂を越えない分標高差が少なく、楽に主稜に出る。
 ただ急坂の岩場もあるので疲れている時は要注意コースだ。
 稜線に出れば後はトラバースしながらの下りで楽と思ったのは大誤算。笹ヶ峰から気持ち良さそうに見えたコースは登山者があまり歩かないのか実際は笹が倒れた片足幅の片斜面の道で時々石が隠れていて手こずってしまう。
 ちち山分岐でようやくトラバース道から解放され尾根歩きとなり荒れてはいるが少し楽になる。家で準備の時は好天で汗を掻きながら歩く姿を連想したが朝の内は風も冷たく 汗を拭くはずのタオルはマフラー代わりだ。
 そうだ標高を忘れて近くの山を歩くと同じ程度にしか考えていなかった。(もちろん防寒着は持っているが)
ちち山別れ ~ 冠山 ~ 平家平 ~ 日浦登山口
 山は今日も遠来の登山者にプレゼントを用意してくれているようだ。昨日はアケボノツツジに歓声を上げたが今から辿るコースになにやら白い花の大群落が・・・? 霧氷だ!初夏に霧氷に出会うとは思ってもみなかったので自然と足の運びは速まる。
 上手く写真に撮ることが出来るか自信は無いがプレゼントされたばかりの新品のカメラなのでピンボケでは様にならない。私がねらった一枚は霧氷のアケボノツツジだがどうかピンボケでありませんように。
今日も出合えたアケボノツツジ
 アケボノツツジの霧氷
 前方に黒い二つの突起が見えてきた。冠山の名前の由来だろう。
 道はこの間を上手く回り込み危険個所は無い。出発から3時間。冠山の山頂は予想に反して狭く、一突起という感じだ。本日の第一目標達成で気持ちが楽になる。
 Mhさんが三日がかりで運んでくださったオレンジをいただく。みずみずしく美味しい。(私なら 重いものは初日に出してしまいそう 有難う!)
 さぁ後は平家平まで一頑張りだ。所々に霧氷の白い花の群落を見ながらのびやかに平家平へと続く稜線はまさに笹ヶ峰から眺めた予想通りの美しさだ。
 いつの間にか霧も去り振り返れば笹原の中に咲くアケボノツツジのピンクが鮮やかだ。こんな素晴らしい光景を私達だけしか見ていないなんてなんてもったいないんだろう。
霧氷の稜線を行く
 丸山荘の御主人が「平家平はいい所ですよ。 ゆっくりされたらいい」と話しておられたが確かにどこが山頂かなと思うほどの広々とした笹原が広がっている。
 お天気が好かったらきっと寝ころんでみたくなるだろう。しかし今辿りついた平家平は人影が無く風が吹いているだけだ。時間もお昼には早く少し肌寒いので記念の写真を撮り山頂を後にする。下山を開始して間もなく初めて登山者とすれ違う。
 さて次のポイント地点は主尾根と中七番へ向かう送電線巡視路との分岐である。新居浜市別所山支所に出発前資料を送っていただくようお願いの電話をした際担当の職員さんが送電線巡視路の様子を丁寧に教えて下さったが地元の情報はとてもありがたかった。(なんと 帰宅してみると この方からハガキをいただいていた。資料代と送料を送ったことの礼だが12日未明に現地を襲った激しい風雨を心配して下さっていた)
 分岐は分かり辛いかもと聞いていたが標識もあり全く迷うことは無い。それに笹ヶ峰~平家平山頂までに比べて山頂からこっちは比べものにならない程立派な登山道が続いている。
歩きやすい 登山道
 分岐の周りはブナ林で風も無く腰かけに具合のいい岩も見つかったのでここで昼食タイムとする。小屋のご主人が作って下さったお弁当は朝とほとんど同じメニューだが赤いミニトマトが一つちょこんと入っているのにみな感激。限られた材料の中で彩りまで気を遣って下さっているとは。
 もう山旅も終りに近い。みんなのザックからは次々と食糧が出て豪華なお昼となる。中でもMhさんからのサンマの缶詰が美味しい。湯も沸かしコーヒー・緑茶と好みの飲み物で締めくくる。自家製の「コシアブラ味噌」も味噌スープで出番がある。
 往々にして縦走の後疲れた体で下山する折は下山コースを長く感じることが多いが今日は疲れをあまり感じない。
 新緑のブナ・ミズナラの大木が次から次へと現れついつい立ち止まって見惚れてしまう。Ksさんが 女性の肌に例えた金色がかった美しいヒメシャラの木も多い。(これは18才。これはまだ10才・・・)  それにコシアブラ・太くて軟らかいワラビと今にも手が出そうだ。
 この辺りは住友林業の社有林なのか社名入りの標識が目立つ(別所銅山は住友発祥の地)
平家平からの下り
ブナの大木と出合う
 下山地にある住友フォレスタ―ハウスの庭は春の花が咲き誇っている。 山桜・エヒメアヤメ・クマガイソウ・山芍薬等々。
 残り少ないお茶を口にして県道42を日浦登山口に向かう。後残すところ4キロだ。三日間待っていてくれた愛車の元へ頑張ってくれた足を労わりつつ急ぐ。
 無理をすればこのまま帰宇できるかもしれないが疲れた体で夜の運転は危険だ。それに明日になれば高速代は1000円。無理をしないことで意見一致。
 新居浜市内のスーパーで夕食の材料を買い込みしまなみ海道に乗る。SAでの夕食にMhさん提案のコシアブラとちくわのバター炒めが出る。 手軽にできてビールのつまみに最適である。
 5月15日(土)
 来島海峡SA(6:30)~ 宇部(11:30)
 山旅の思い出にひたりながら無事帰着。
 昨春 寒風山~笹ヶ峰と歩きいつかチャンスがあれば歩いてみたいと思った笹ヶ峰~平家平への稜線を歩くことができた。
 ”西赤石山のアケボノツツジ”を見てみたいといつも言っていたMの夢と私の希望がつながるとは思ってもいなかった。 会のIcさんのお話でMはこの度の周回コースを思いついたようだ。空中分解しかねない2人旅にKsさん・Mhさんが加わってくださったおかげで 本当に楽しい山旅となった。
 別子山支所の職員さんやいろんな方々のおかげでまた新しい思い出を作ることができた。心から感謝々々。
( 文・写真 斉藤(滋)    写真・トラック図  斉藤(宗)  )
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