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夏山合宿 穂高岳登攀 報告
  期 間  2010年8月4日〜8日
  目 的  岩壁登攀
  山 域  北アルプス穂高連峰

  ルート 
 1.前穂高岳北尾根4峰正面壁 北条・新村ルート
 2.北穂高岳滝谷 ドーム中央稜
  隊 員  4名 ; 村上 知之(CL・医療)、村岡 浩二(SL・装備)、 鹿野 陽介(食料)、
      石田浩二(講師、所属「アルピナ」)
  天 候  全日程晴れ、微風。 但し、7日のみ現地は午前中、霧で視界不良。

  行 程
8月4日  下関(19:00)〜山口南IC(20:30)〜山陽・中国・名神・東海北陸道〜
8月5日  〜高山IC〜国道158〜平湯(6:00)、 タクシー〜上高地(7:00)〜
涸沢(14:00)
8月6日  出発(4:00)〜北尾根5/6コル(5:15)〜北条・新村ルート取付(8:30)〜
登攀開始(9:00)〜石田/村岡 終了(11:15)、村上/鹿野 終了(13:15)〜
北尾根5/6コル(14:30)〜涸沢(16:00)
8月7日  出発(4:00)〜北穂高岳山頂(6:30)〜ドーム中央稜取付(8:30)〜
登攀開始(9:00)〜石田/鹿野 終了(?)、村上/村岡 終了(12:30)〜
〜涸沢(14:50)
8月8日  涸沢(4:00)〜上高地(8:40)、タクシー〜平湯(9:10)〜国道158〜
〜高山IC〜山口南IC(19:30)〜下関(20:30)
  装 備  団体;4人テント、朝晩3食分、ダブルロープ50m2組み
 個人:アイゼン、バイル(ストック)、登攀用具一式(ハーケン、フレンズ含む)
  感 想
 今回の目的は、宇部山岳会の若手筆頭である鹿野陽介君にアルパインクライミングの本髄(厳しさと楽しさ)を知ってもらうことである。スポーツクライミングでは5.11台をオンサイトする鹿野君だが、アルパインの経験は少ない。そこで、アルピナの石田さんと本会の村岡さんに相談し、今回のルートとベース地を選んだ。単に有名なクラシックルートだからではない。重い荷を担いでの登山、雪渓やヤセ尾根の登下行、急斜面のトラバース、落石や天候への対処など、アプローチから下山までトータルな登山能力が必要とされるからである。  初日は前穂北尾根4峰正面壁である。
徳沢から眺める前穂高。ピーク右の白っぽい大三角形が4峰正面壁の上部
 涸沢から北尾根5/6コルまで雪渓を登り、コルから反対側に谷を下り、そして隣の雪渓に回り込み、再び取付きまで登り返す行程である。
 途中、かなり悪い崩壊斜面のトラバースがあったが、無事通過。ここは状況によってはロープを出す必要があろう。
5/6コル直下の北壁斜面のトラバース
 また、草付きの斜面はよく滑った。
 村岡さんは転んだ際、アイゼンを失ったので、その後は厳しい雪渓登りが待っていた。
4峰正面壁に向かってC沢をつめる。先頭の村岡はアイゼンを片方失くし、しかもズックにストック。
 石田さんのインターネットによる下調べのおかげで、取付きは容易に見つかった。
 経験のあるルートでもその都度、下調べはきちんとやるべきだと思った。
 北条・新村ルートのグレード自体は高くない。しかし、落石や大きな岩がボコッと外れるなど、本チャンルートならではの危険が待っていた。
 鹿野君はスポーツクライミングや人工壁では味わえない「危険」を感じ、かなり緊張していた。
 村上・鹿野パーティーは石田・村岡パーティーに2時間も遅れてしまったが、充実した登攀となった。
北条・新村ルートの核心を越えた鹿野
 終了点から4/5コルと5峰を越えて5/6コルに至るまで、気が抜けなかった。
 翌日は滝谷ドーム中央稜である。北穂高岳稜線付近は濃い霧に包まれ、視界が悪い。
 視界の悪さと足場の悪さから、取付きを探し出すのに苦労した。
 ガリーを幾つも登ったり降りたりして、取付きを探し始めて2時間、やっと発見した。
 ルート自体は変化に富んだ名ルートである。4人とも、慎重に登攀を楽しんだ。
滝谷ドーム中央稜は霧に包まれ、寒く暗い
滝谷ドーム中央稜の最終ピッチ
 2日間の充実した登攀を終え、鹿野君は大きな成果を得たようだ。
 今後、他の多くの若い会員もこのような経験が何度も積めるよう、我々年配者が率先してその機会を作ってやりたいものである。
 いつもの事ながら、我々の会の山行に快くお付き合いいただき、指導して下さるアルピナの石田さんに感謝したい。
(村上)
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