|
甲斐駒ガ岳 |
|
|
|
月 日 |
2010年7月25〜28日 |
メンバー |
斉藤 宗、斉藤 滋 |
|
|
|
|
ここ最近 長雨とその後の猛暑で 容易な近辺の低山ばかり歩いていて、大きい山に行っていない。
パートナーのGは「南アルプスの山には 縁が無かった。」と言っていたので「年取ったら行けなくなる。大きい山は逃げる」と説得し 南アルプス北部を計画する。
例年のことだが 梅雨明けの予測がたてづらく ボヤボヤしてたらいきなり梅雨明け宣言。しかし世の中3連休で、年金生活者が混雑に拍車を かけては申し訳ない。次の日曜なら高速道も空いているだろうと25日(日曜)出発とする。
中国道は信じられない位 空いている。快適走行は続き 難なく中央道に入る。
初日の車中泊は「小黒川PA」とする。SA並みの設備が整い標高も700mを越え 蚊も居なく涼しい。 |
|
|
|
|
甲斐駒ガ岳 |
|
|
7月26日(月) |
|
|
涼しい夜で熟睡し 目覚めは良い。
今日の行程には 時間的に余裕があるのに はやる気持ちで6時には出発。韮崎の先の双葉Jctから中央横断道に入り、白根ICで高速道を下り 芦安へ向かう。
朝から行く所も無く 乗合タクシーの勧誘にのり 広河原まで進む。1200円也。
ここには ビジターセンターがあり 少しなら時間を費やせる。
しかし北沢峠へのバス便は少なく 時間潰しに辺りを散策する。河原から仰ぎ見る北岳には雪渓が何本か残っている。
携帯電話のIモードから 北岳の週間天気予報を見ようとしたが Iモード圏外とのこと。遠くの都市部からなら予報がわかるわけだ。
12時過ぎ やっと北沢峠行きのバスが来た。乗客が多いので数台が出るようだ。
バスは左側が谷の狭い道をクネクネと進む。所々でバスはサービスで停車する。そこにはカモシカや鹿が食事中で車内は和む。
終点の北沢峠には 13時はるか前に到着。行く所もないので、予約済みの 北沢駒仙小屋に向かう。
小屋の近くで 突然声をかけられる。「え!こんな所で?」と驚く。以前会員だったHhさん夫妻で 小屋の傍のキャンプ場でテント泊まりとのこと。
北沢駒仙小屋で2連泊の申し込みを受付てもらい、ここからが筆者のゴールデンタイムが始まる。この時間帯をねらいGには内緒で ウイスキーを 持ち込んでいるのだ。
小屋の前 河原の側のテーブルですぐに食べられる魚肉ソーセージ・自家栽培のトマト(ミスマッチだが)をつまみに至福の時間が始まる。
Gは例により 荷物の確認や詰め替えでしばらく出てこない筈だ。
青空の下 さわやかな空気と緑と鳥の声に包まれてウイスキーはより味わい深い。
あたりが うす暗くなりかけた頃 「今そこにカモシカが来ていますよ。」と小屋の人が教えてくれる。小屋のすぐ前 沢を挟んだ向かいの斜面で 緑の葉を食べている。
見物の人間達と10m位しか離れていないのだが 気にもかけずのんびりと夕食である。 |
|
|
7月27日(火) |
|
|
駒仙小屋(4:45)→仙水峠(6:10)→駒津峰(7:40)→甲斐駒山頂(9:40〜10:10)→駒津峰
(11:40〜12:00)→双児山(12:40)→北沢峠(14:10) |
|
|
|
今日は 甲斐駒ケ岳に登る日だ。夜明けとともに歩きはじめる。仙水小屋の表に水場があり ありがたく頂く。
筆者はこのコースは初めてであるが、道は広く迷いは無い。ただ大雨の後は渡渉が困難な箇所がある。
八ガ岳でも見た 苔むした林を過ぎると 木は低くなりそのうち 黒褐色の岩塊の中を歩くようになる。
大きな岩は無く見通しは良いが デコボコ道で結構疲れる。
逆光の中 仙水峠に着く。目の前に魔利支天の大岩壁がそびえる。水流のある滝も見える。
朝食を摂り、あらためて地形図を見ると この先急坂が続いている。前後する登山者の姿も見えず 黙々と登る。
背後の栗沢山の尾根がすごく急に見える。多分こちらの駒津峰への登りもそうであろう。
上から大勢の人の話し声が聞こえて来る。
双児山コースとの分岐である駒津峰に到達。天気は良くて 目的の甲斐駒ケ岳は勿論 目を転じると仙丈ケ岳、北岳、鳳凰三山その奥に富士山も見える。 |
|
|
|
|
標高1位と2位が一望 |
|
|
|
さあ 後一頑張り ここからは尾根道になり、足場の悪い箇所もあり渋滞気味である。
途中 大きな六方石がありその先で 尾根直進と巻き道に分かれる。どちらにしようか迷っているパーティーもいるが 同行するGは高所恐怖症なので 我々は迷わず巻き道を選ぶ。
直進組は悪戦苦闘しているのか 何人もの人が「オーイ」、「おーい」と声をかけあっている。自信が無くなった人は引き返し 巻き道に修正している。
巻き道といえども 風化した花こう岩の粒で滑り易い箇所もある。転落防止のロープが張られ、又 赤い標識が頂上に向けて設置されていて悪天候時には 心強いだろう。
巻き道から 尾根に辿りつくと黒戸尾根コースとの合流点で ここから左に回り込む。一登りで甲斐駒山頂だ。早速記念の写真を撮る。 |
|
|
|
|
甲斐駒ケ岳頂上 |
|
|
|
目の前に鋸岳が見える所に移動し 早いが昼食とする。
若い頃 この鋸岳を登ったが 今の年齢なら近寄る気がしないほど 急なガレ場の山だったと記憶している。
丹渓山荘や第一・第二高点などの名が思いうかぶ。
しかし そのあと登った甲斐駒や仙丈のことは ほとんど憶えていない。 |
|
|
|
|
鋸岳 |
|
|
|
疲れで めずらしく食欲がなかったGも どうにか食べられたようだ。
大展望を充分堪能できたので 引き返すことにする。下山も結構時間がかかりそうだ。 |
|
|
|
|
六方石を行く |
|
|
|
駒津峰まで帰りつき ホッとする。ここでも展望を楽しみながら間食タイム。冷たく保存したゴールドキューイやトマト、キュウリがおいしい。
一休み後 駒津峰からは双児山経由のコースに向かう。登山者は急に少なくなる。
前方には仙丈や白根三山が良く見える。振り返れば 登ったばかりの甲斐駒が青空を背景にドーンと聳え こちらを選んで良かったと思う。 |
|
|
|
|
(トラック.甲斐駒ガ岳) |
|
|
|
しかし樹林帯に入ると花も無く単調で長く感じられ これが不人気の理由かと思う。
日頃 負荷を掛けたトレーニングをしていない 筆者の脚の筋肉や膝が存在感を主張し始め しきりと「休め」の信号を発する。痙攣が来てからでは痛いので予防にツムラの68番を飲む。
14時過ぎ やっと北沢峠に下山し 長衛荘で生ビールにありつく。
脚をかばいつつ ゆっくりと北沢駒仙小屋に帰ると キャンプ場で 昨日のHh夫妻に会う。 彼らは甲斐駒〜仙丈縦走の予定であったが 25日甲斐駒で 夕立に遭い ずぶ濡れになったため縦走を取り止め ピストンにしたとのこと。
アルコールとつまみを持ち寄り 30年近く前からのことを語り合う。驚きの話を沢山聞き 時間はあっと言うまに過ぎる。
駒仙小屋の夕食時間になったので 切り上げたが 時間が許せば 深夜まで話したであろう。 |
|
|
7月28日(水) |
|
|
仙丈岳を目指し 暗い内から行動したが(二日酔いではないのに)体が重く今一シャキとしない。
拭いても拭いても鼻水が止まらない。 後を歩いている Gが異変に気付き 無理をせず 止めようと言う。
天気は今日一日は良いが 小屋の管理をしているNPOの方から 明日・明後日は天気は崩れるとの情報を得ている。 体調がすぐれない時に 3000mの稜線で悪天侯に遭いたくはない。
残念だが 次の機会にまわすことにして Gの意見を聞き下山する。(帰宅後の情報では29、30日と 雨で荒れ気味の天気だったようだ)
Gにとって初めての南アルプス 期待も大きかったと思う。たった一つのピークしか 踏んでいないが 沢山の課題に気付いた山行になった。
再度 南アルプスに挑むチャンスがあれば 特に体の準備が怠りないよう心がけたい。 |
|
|
(文とトラック;斉藤宗 、写真;斉藤滋、斉藤宗) |
|
|
|
|
|
|