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涸沢岳から奥穂高岳(春山合宿 後半)
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1.期 日 |
平成23年5月2日〜5月4日 |
2.場 所 |
北アルプス穂高連峰 |
3.メンバー |
石井、今津、鮫島、園山 |
4.行 程 |
5月2日 涸沢岳(12:00)〜穂高岳山荘(12:25)
5月3日 穂高岳山荘(5:50)〜奥穂高岳(6:30)〜白出沢下降
〜白出沢出合(12:40)〜新穂高(15:00)
5月4日 宇部帰着(7:00) |
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5.内容
・5/2
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12時涸沢岳を発って約30分で穂高岳山荘に到着。 |
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穂高岳山荘に下る |
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山荘に入っておじさん達は早速ビールを注文。
炭水化物大好きなS君も負けじとラーメンを注文。
君は草食系男子?
この時点で計画していた西穂高までの縦走は断念。アラフォーまでなら行っているがアラカン(アラウンド還暦)のおじさん達はもうそんなにガツガツ登らない。本音は今夜も濡れたテントとシュラフで寝たくはなかった。
ビールを飲んでいると4/29に白出沢出合で会ったお姐さんと再会。幸いにも体調も回復し今は山荘の横にテントを張っているとのこと。明日は北穂と奥穂をピストンする予定らしい。よくよく話を聞いてみると冬に涸沢岳西尾根も登っていて若い時は相当やんちゃであったろうと推測。
素泊りの受付をし、濡れた衣類、靴を乾燥室に持って行き乾かす。(テント、シュラフ類はNG)
ソファーに座り外を見ると山荘の人が雪下ろしをやっている。
今年は雪が多かったこととGW前にも雪が降ったので結構ハードな作業である。
我々は暖房の効いたゲストルームで温かい飲み物を飲みつつTVや書棚にある本を読んでくつろぐ。
今まで山小屋は避難用に利用してきたが たまにはユックリ休むのもいいものである。自炊場所で夕食を作り明日の行動を確認。
早々に暖かい布団に潜り込み熟睡。 |
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・5/3
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3時半 起床。 5時50分発つ。
今日もいい天気だ。 前穂北尾根が良く見える。 |
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奥穂の取り付き。梯子の上部が少々急斜面 |
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奥穂の登りは直ぐ梯子が2箇所あり その上部が急傾斜のため少し緊張する。S君は、雪にも岩稜にも慣れサラリと通過。
6時半 奥穂高頂上。360度の展望。遠くは富士山、八ヶ岳も綺麗に見える。 |
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奥穂にて記念撮影 |
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槍ヶ岳やジャンダルムの岩峰も間近に見え、S君とCさんは馬の背付近の偵察。 |
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奥穂頂上から槍ヶ岳縦走路 |
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奥穂頂上から馬の背、ジャンダルム縦走路 |
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イカンイカンこの景色を見ているとムラムラと妄想(明神東稜、奥穂南稜、コブ尾根・・・・)が膨らんでくる。 7時半 山荘に帰ると涸沢のキャンプ場からの登山者が列をなして登って来る。 |
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涸沢キャンプ場からの登山者 |
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我々は涸沢とは逆の白出沢を下降。上部はクラストして雪質も安定しておりゆっくり降りる。 |
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白出沢を下る |
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笠ヶ岳が大きく見え若い頃よく遊ばせてもらった錫杖岳前衛フェースもお久し振り。
白出大滝は滝が露出しているので右の尾根から巻いて鉱石沢へ降りる。大滝からはデブリが見られ左端を素早く通過する。
12時40分、白出沢出合に到着しアイゼンを外し入山時とは逆に蒲田川右俣林道を下る。
穂高平小屋で休んでいると蒲田富士から涸沢岳、穂高岳山荘が見えた。 |
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穂高平小屋にて。蒲田富士〜涸沢岳〜山荘まで良く見えた |
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15時、新穂高駐車場。
16時、駐車場から目と鼻の先にある「ひがくの湯」にて汗を流す。
17時、一路、山口へ出発。 |
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6.まとめ
今回の合宿目的は涸沢岳西尾根の偵察と積雪技術の実践であった。
両者とも初期の目的は達せられたと思う。
幸いにも悪天候に遭遇し涸沢岳西尾根の厳しさも肌身に感じた。ただ、積雪技術については若手のS君には やや物足りなかったかもしれない。しかし入山時はトップ下の2番手だったのに下山時は先頭を歩いていた君の後姿が大きく見えたのは私だけか。これから経験を積んで更なる技術向上を目指してもらいたい。
合宿を通じて、昔出来ていた事が今はなかなか難しい。
自然条件は変わらないと仮定すると現在の自分の実力が明確に認識させられる。
合宿の良い点は山行を通して総合的な状況判断、技術、経験が養われることである。
最近は仕事でも能力主義でスピードと成果を求められる。またグローバル化で世界標準にならなければ生き残れないなど、若い人にとって大変な時代ではあるが是非今後も、合宿への積極的な参加を期待したい。きっと一人の人間として自分を成長させてくれると確信している。
山と対峙していると人間をタフにしてくれるし謙虚さも同時に教えてくれる。今回も登ったのではなく登らせてもらったと思っている。
今後も身の丈にあった登山を心掛けたい。
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( 文、写真 : 園山 ) |
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