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四国の山旅 (剣山〜一ノ森)
 日 時  平成23年5月17日(火)
 メンバー  斉藤(宗)・ 三浦(比)・ 斉藤(滋)・ Ks(山歩)
 天  候  曇り時々晴れ・一時雨
 行 程  松山道入野PA(6:50)〜 名頃(9:40)〜見ノ越(10:10−10:20)〜
西島(11:15−11:25) 〜大剣神社・御神水(11:50−12:10)〜
頂上ヒュッテ(12:35−14:00)〜一ノ森(14:50)〜 一ノ森ヒュッテ
(14:55−15:10)〜頂上ヒュッテ(15:55)

 4年前剣山〜三嶺を縦走し、もう一度歩きたいと願っていた。
 http://ubealpine.fc2web.com/19houkoku/10-turugijuusou.html
 ついにその願いがかなう日を迎える。
 昨日の西赤石山登山中にひどく痛んだ左眼も、受診の甲斐あって大丈夫のようだ。
 今日の予定は剣山の頂上小屋までなので、ゆっくりとPA出発前にザックの荷を整える。
 3日にわたる縦走に備え手落ちの無いように入念にチェックし、いざ出発。
 
  途中のかずら橋から予約していた三嶺タクシーへ電話し、久保陰で合流する。下山地の名頃に愛車デリカを置きタクシーに乗り換え、剣山の登山口見ノ越へ向かう。

 4年前は長い縦走に備え、体力温存で西島までリフト利用したが、今回は頑張ろう。リフト代は前回1000円だったので、小屋に着けばビール2缶飲めるよと励まし合う。
 普段より肩にかかる荷は重いがゆっくりペースなので、少し回り道をして大剣神社経由にする。神社にザックを置き、御神水を頂きに90m下る。さすが日本100名水だけあって、まろやかで美味しい。
大剣神社へ向かう 頂上ヒュッテが見える
  神社の社務所の戸が開き、宮司さんらしき方が覗かれる。人懐っこいKsさんが早速声をかける。宮尾登美子の小説「天涯の花」の主人公珠子のモデルになった方はおられるか?と訊いている。私も興味があるので耳をそば立てる。「神社の養子に来たのは、私です。」えっ!?モデルは女性ではないの!? 

 宮司さんが少し照れながら話される。「宮尾登美子さんに、自分が養子であることを話したところ、あのような小説になった。自分のちょっとした話であれだけの小説を書くとは、小説家とは、たいした者です。」主人公の男女の入れ替わりにびっくりしたが、小説の舞台に今立ち、物語の世界と現実の狭間で不思議な感動を覚える。お会い出来て良かった。遠回りして本当に良かった。

 頂上ヒュッテは改築されたのか、記憶より新しくきれいになっている。部屋に荷物を置き、早速ビールで乾杯。(浮いたリフト代の半分が消える。)
頂上ヒュッテ
  ゆっくり休んだので、から荷で一ノ森まで往復することに。
 なんだか空模様が怪しいが、短時間で行けそうなので雨具だけ持って出かける。一雨来ないかと気があせり、急ぎ足になる。(晴れていれば、のんびり出来るのに・・・)
一ノ森へ出発
から荷なので快調に進む
 山頂一歩手前で、とうとう来た。大降りになる前に急いで雨具を着用する。少し遠くで雷の音も。山頂まで100mか?ここまで来て引き返すのも勿体ない。意を決して前進する。それが良かった。山頂の反対側、数10m下に小屋が見える。急いで駆け込む。

 避難小屋かと思った建物は、立派な一ノ森ヒュッテで奥から出て来られたご主人が、「どうぞ上がられていいですよ。」と声をかけてくださる。全員靴を脱ぐのが面倒で、飲み物を注文して土間のイスに腰掛けて雨が上がるのを待つ。なんでもこのヒュッテは、有人の山小屋として西日本で一番最初に出来た小屋だそうだ。
 強かった雨足が弱まり今の内にと外に出ると、目の前に大きな虹の橋が架かっている。「こんなに綺麗な虹は私も見たことがない」とご主人が言われる。なんだか得をした気分になり、足取りも軽く一ノ森ヒュッテを後にする。
一ノ森ヒュッテからの虹
  雷鳴も去り雨もやみ、ホッとする。往路では気付かなかった足もとの小さな白い花(バイカオウレン・ワチガイソウ・コミヤマカタバミ等)にも目が留まる。
 ゆっくりペースで頂上ヒュッテに帰り着く。一ノ森に降った雨は、剣山では大粒の雹だったとのこと、なんと運が良かったかと胸をなで下ろす。
梅花黄蓮(バイカオウレン)
  夕食前に改装されたお風呂に入り気分さっぱり、疲れがとれる。
 今回のコースは初めての比呂子(三浦)さんに、「山頂ヒュッテの夕食は美味しいよ」としっかり宣伝していたが、やっぱり美味しい。
 なんと云っても、揚げたてのアマゴの唐揚げが熱々なのが嬉しい。比呂子さんは、おかわりしたいと一品料理の値段表を真剣に探していたが無いので、数に限りがあるのだろうと諦めた様子。しきりと次回は、おかわりを予約すると残念そう。(またもやビールで乾杯。浮いたリフト代の残りも消える)

 なんとか目の痛みも治まって今日も一日、目いっぱい楽しむことが出来た。明日からいよいよ縦走だ。今夜はゆっくり休もう。
( 文・斉藤(滋)    写真・斉藤(宗) )
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