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犬戻し峡での沢登り講習会
 1. ルート  犬戻し峡(錦川水系)
 2. 遡行日  2011年7月24日(日)
 3. 天 候  晴れ(気温24℃)
 4. 参加者  江本、加藤、鹿野(陽)、竹之内(真)、西村(佳)、津田、永安、松並、関原、
田村(奈) (10名)
 5. 遡行時間  4時間50分
 6. 行程及び
  コースタイム
 宇部(6:30)〜小郡IC(7:15)〜(中国自動車道)〜六日市IC(8:05)
寂地峡駐車場(8:35〜9:05)〜F1(9:25)〜F7(11:10)〜F10(12:30)
〜遡行終了点〜犬戻し林道終点(13:55〜14:15)〜犬戻し林道〜
寂地峡駐車場(14:55〜15:30)〜六日市IC(15:50)〜(中国自動車道)
〜(山陽自動車道)〜山口南IC(17:20)〜宇部(17:55)
  7. 内容
 
 今年最初となるリーダー会主催の沢登り講習会は、例年通り、初心者にも組みしやすい犬戻し峡で実施した。
 今年は梅雨明けこそ早かったものの、気温の低い日が続き、水に入ることがためらわれたためか、この日が今年はじめての沢登りという参加者も多かった。
 今年の講習会は、沢登り初体験の三名を含む10名の参加だが、そのうち7名は20代と30代の男女である。
 参加者の装備は充実しており、沢登りへの意気込みが感じられた。水量は例年並みだったが、昨年の降雨後に増水した犬戻し峡の沢登りと比較してしまい、物足りなく感じた。しかし、講習会には適したコンディションであった。
 
 寂地峡駐車場で簡単な打ち合わせを済ませた後、入渓。
 河原で水遊びをする家族連れに遠慮しながら沢の中を前進。小さな滝や堰堤をいくつか越えながら進むこと2時間で、今日のルートの核心部入り口のゴルジュである。
 ゴルジュでは、一気に泳いで抜ける者、右岸をへつる者、へつっていたが落ちて、結局寒さに震えながら泳ぐ者などいろいろである。
 ゴルジュは右に曲がり、薄暗い淵のその奥にF7が現れる。さらにその先、F8では先行パーティーが左岸にフィックスを張って登っているのが見える。後で聞くと広島県山岳連盟のクライミングスクールの方たちであった。
ゴルジュの奥、トユ状の滝を直登する鹿野
 F7はトユ状になっている。まず鹿野が先頭きって淵を泳いで取り付き直登。その後に元気の良い数人が続く。女性や初級者は左岸を高巻く者が多かった。
 F8、F9は、先行パーティーが通過するのを待って、ロープをフィックスし順番に通過した。初心者は念のためユマール使用。竹之内が使い方を指導する。
 F9の順番待ちの間、数名が釜の中に飛び込んだり、滝すべりをしたり、着衣で泳ぎまわったりして、水遊びを楽しんでいた。
F9滝すべりを楽しむ
F9をフィックスロープで安全確保しながら登る
 F10は三段の滝。遊歩道の標識には、この滝が犬戻しの滝であると表示されている。
 これまでF9が犬戻しの滝と思っていたし、いろいろな報告書を見てもそのように記載されているが、どうやら違っていたようだ。
 F10の三段の滝は下から見るとかなり険しい滝のように感じるが、適度にホールドとスタンスがあり登り易いので、ロープのフィックスはしない。
 全員が左岸よりのルートを自由に登っていく。
 最初不安そうにしていた女性会員も危なげなくフリーで通過。大きな滝はここが最後だ。
F10をフリーで登る
F10中段を眺める
 この後は美しい滑床がしばらく続く。
 木漏日の中、滑床の穏やかな流れの中をゆっくりと進む。
 予想に反して、昨年よりも長い距離を歩かされたためか、数人のメンバーに疲労の色が伺える。しかしここまできたら抜けるしかない。終了点は近い。
美しい滑床が続く
小さな滝を越える
 時々現れる小さな滝をいくつか越えて歩きにも飽きてきた頃、左岸上部に林道が見えてくる。それからしばらくして沢が二股に分かれ水量が減少し、遡行終了である。
 犬戻し林道終点広場に上がり、沢靴をズックに履き替えていると、途中で追い抜いた広島県山岳連盟のパーティーも続々と到着。
 30名の集団で犬戻し林道を下る。途中遊歩道から今日の核心部の滝を眺めて今日の行動を振り返った。
 林道は緑のトンネルになっており、夏とは思えぬ快適なウォーキングが楽しめて、汗だくになることはなかった。
 15時頃、全員無事に寂地峡駐車場着。
犬戻峡遡行図
 
 今回のメンバーは、初心者と入会一年目の会員が中心だったが、クライミング技術のレベルが高く、核心部を予想より早く抜けることができた。日頃の、クライミングトレーニングの効果があらわれていると考えられる。
 自立した登山者に成長するためには、これからどれだけ実際の山行を経験するかだが、これについてはわれわれリーダー会も工夫していかなければならないと考えている。今後の新人たちの成長が楽しみである。
「遡行図は三浦章著『西中国山地の沢』を参照。」
  
( 文・写真:江本 )
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