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唐松岳
八方尾根
 日 時  平成23年10月10日(月)
 メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
 行 程  ゴンドラリフト駅(7:30)〜 第1ケルン(8:15)〜 八方池(9:15−9:35)〜 唐松小屋(11:40−13:25)〜唐松山頂(13:40−13:50)〜 唐松小屋(14:10)
  「何時から並ばれました?」乗車券売り場の方が笑顔で問いかけてくる。「6時半から並びました。」と答える。昨日、ゴンドラリフトを利用する観光客が多いので、朝の混雑の様子を訊ねたのを憶えておられるようだ。
 地元の方に教えて頂いた少し離れた静かな駐車場で車中泊したが、する事も無く眠るので睡眠は十分早起きは苦にならない。
 おかげで後の長い行列をしり目に、ゴンドラ・リフトを乗り継ぎ短時間で第1ケルンに到達する。
 一昨日の白馬岳の静けさに比べなんと賑やかな事、ヨチヨチ歩きの子供から杖を突いたお年寄りまで家族連れが多い。この八方尾根を歩くのは確か今回が5度目の筈だが、こんな賑わいは初めてだ。(30数年前と比べてみても・・・ね)
鹿島槍・五竜を眺めながら登る
 久し振りの八方池、水面に映る静かな白馬三山を写すぞ!と張り切っていたのに、池の周りには沢山の人影。声をかけなければ、そのまま素通りしそうなMを呼び止める。山というより観光地のようで、振り返ったMはなんだか浮かぬ顔をしている。八方尾根は右に不帰嶮・白馬三山、左に五竜岳・鹿島槍を眺めながらのなんとも贅沢なコースだ。行楽シーズンの3連休、登山者だけの山ではないのだ。
八方池
 しかし池を過ぎ、丸山ケルンまで頑張るともう登山者の世界だ。ほんの数パーティーしか出会わなかった白馬に比べれば、随分賑やかなのだが。
 今日は唐松小屋泊まりと決めてゆっくり歩いたが、それでも昼前には到着してしまい、これなら五竜小屋まで行けるが・・・と迷う。取り敢えずは電話でアドバイスして下さった唐松小屋のご主人に挨拶しお礼を言う。
 それとなく迷いを口にすると、「この時間だと五竜小屋まで行けるね。調子良かったら行ったらいいよ。」と気持ちよいお言葉が返る。
 そのことをMに伝えると「よし、今日はここに泊まろう。ここでゆっくりしよう」と言う。そうだね、軽アイゼンも不要という他の山小屋の情報だったのに、「人様の命にかかわることなのに不要だなんて言えません。」ときっぱり言ってくださったご主人。少しでも荷を軽くしたいと考えてしまったが、不要かもしれないが持っているということが、いかに心強いことか白馬岳で実感することができた。好天気が続く中、今回はアイゼンの出番は無いと思ったが、念のためザックの底に入れている。
 宿泊の手続きを終え、つまらぬ相談にも親切にアドバイスしてくださったご主人にリンゴを二つ差し出す。「長野県産ではありません。ほら山口市徳佐リンゴ園の袋でしょ」とつけ加える。車を離れる時ふと思いつき、ザックに入れたのだが、ご主人がびっくりされ「こんな重たい物を、めずらしい物を・・・」と喜んでくださるのでこっちの方がびっくりする。リンゴの産地長野県でも、山の稜線ではめずらしいのかな。
 登山者が少なくなったので唐松の山頂に向かう。
唐松岳・不帰嶮
 山頂は、360度の展望、一昨日登った白馬岳や、明日登る五竜岳への稜線ははっきりと見渡す事ができる。残念ながら立山・剱岳はぼんやりと霞がかかっている。
 若い時眺めた残雪の剱岳の姿が思い浮かぶ。下手なスケッチをした記憶があるのだが・・・。
 Mも懐かしそうに若い頃の話をする。 残雪期に鹿島槍〜白馬縦走中、ここ唐松で強風のためテントのポールが折れてしまった。そこで縦走を止め八方尾根でスキーをして帰ったら、先輩にこっぴどくしかられたらしい。その先輩はもういない・・・。
唐松山頂より白馬岳方面を望む
唐松小屋
 いろんな思いを胸に小屋まで帰るが、そのまま素通りして牛首の岩場に向かう。35年前の縦走時の記憶はほとんどなく、ご主人に訊くと「空荷で一度クサリ場を歩くだけで違いますよ」とアドバイスを頂いたので下見に行くことに。太くしっかりしたクサリ、ホールド、スタンスも十分でこれならなんとかなりそうだ。いいアドバイスをいただいたなと思う。
空荷でトレーニング
 小屋に帰るとご主人がコーヒーを御馳走して下さる。あのリンゴのためお気遣いさせてしまったのかと恐縮する。明日の予行練習も出来たし、コーヒーを飲みながらゆっくりとくつろぐ。新しく建てかわった小屋は清潔で気持ちよい。
食堂でコーヒータイム
 夕方、小屋の窓の外は真っ白なガスで覆われる。予報では、明日も好い天気の筈だが・・・。
 夕食は宿泊者で程良く混んだ食堂で頂く。色どり良し、味良しで、ついつい○膳おかわりをし笑われる。同じテーブルの方々とは、あちこちの山の話で大いに盛り上がる。
 唐松小屋に泊まって、本当によかった・・・。
( 文・斉藤(滋)   写真・斉藤(宗)  斉藤(滋) )
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