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大山(夏山登山道・個人的雪山訓練)
形 態  雪山
日 時  平成24年3月18日(日)〜3月19日(月)
メンバー  中村(直)
天 候  3月18日(移動日) 雨 3月19日 雪のち曇り
行 程  [3月18日(日)]
 9:15 自宅(山陽小野田市) =国道9号線・山陰自動車道
米子東IC=> 16:35 南光河原駐車場==>17:10〜18:15
イオンモール日吉津(夕食・買い出し) ==> 18:40
南光河原駐車場(車中泊)

[3月19日(月)]
 6:30 南光河原駐車場 発 → 8:20〜8:30 六合目避難小屋
→ 9:30 弥山山頂→ 10:10〜10:40 六合目避難小屋(昼食)
→ 11:30〜12:00 南光河原駐車場(滑落停止訓練)=
山陰自動車道・国道9号線=> 19:10 帰宅
 
 1.計画
 
 3月10〜11日の大山雪山訓練に都合により参加できなくなったため、今回の山行を計画した。
 自分の経験を考慮して人も多くトレースも残っているはずの夏山登山道の往復をルートとして選択した。
 
 2.行程
 
 [3月18日(日)一日目]

 9:15自宅を出発。雨が降り続く中、16:35に大山登山口そばの南光河原駐車場に到着する。
 周囲は霧が濃く見通しは悪い。
 駐車場までの県道は両側に除雪された雪が積みあがっているものの路面に雪も凍結もなく、雪対策を全くしていなかった私の車でも問題なく通ることができた。

 早く着き過ぎたので、米子方面に引き返し大型のショッピングモールで買い出しをして夕食を食べる。
 大山の登山口から片道30分もかからないところに市街地があることに意外な感じを覚える。

 18:40再び南光河原駐車場に戻る
 橋を渡ったところにモンベルショップがあったので寄ってみる。
 19時の閉店間際だったが登山道の様子などを店員さんに聞くと親切に教えてくれた。

 「頂上小屋と6合目小屋は使用可能。」
 「5合目まではトレースを外すと雪を踏み抜く恐れがある。ストックを使った方がいい。」
 「明日の天気は多分問題ない。」ということだった。

 21時ころ雨の音を聞きながら車中で就寝。
 [3月19日(月)二日目]

 5時前に目を覚ますと車の窓が雪に覆われていた。車の中もかなり寒い。車中の温度計は2.7℃を指していた。
 外に出ると粉雪が降っている。
 6:30に駐車場を出発する。まだ雪は降っているが風はない。
 雨と雪は朝のうちだけという天気予報を信じて、とりあえず6合目まで登ってみることにする。

 車道を数分歩き登山口へ入る。足回りは登山靴のみで出発したが、登山道に入ったとたん足元がズルズルとすべる。前日の雨と今朝の冷え込みで雪が凍結しているようだ。
 早速アイゼンを装着する。歯が凍結した雪に効いてとても歩きやすい。


 阿弥陀堂を過ぎたところでトレースが分かりにくくなる。雪のせいで隠れてしまったようだ。
 地図上ではとにかく尾根を上がって行けば頂上に着くようになっているので、尾根の背に上がり、左手に常行谷が見えるようにルートを選ぶ。
 すぐに木の枝の赤テープが見つかり安心する。上の端だけ露出した注意書き看板の横を通り、ルートを間違ってないことを確認する。

 表面が凍結した雪の上をアイゼンで歩くため、ラッセルの苦労に比べれば非常に歩きやすい。
 昨晩聞いた通り、木の近くなどでは雪を踏み抜いてしまい片足だけ埋まることが何度かあった。
五合目の祠 木の根元付近は空洞が見られる
 5合目からストックを片づけて、ピッケルを使うことにする。
 ここから次第に樹木が低く、少なくなってくる。

 8:20 出発から2時間弱で6合目小屋に到着。予想していたより早く着いた。
 小屋で休憩する。入口は半分雪に埋まっていたが、ザックを天井にこすりながらも入ることができた。
 中にまで雪が入り込んでいて床の雪は固まっている。
6合目避難小屋
 行動食を食べた後、外に出て方向を確認する。視界は良くないが目印の棒が遠くにうっすらと見える。
 森林限界は抜けているが風はあまり感じない。疲れもないので、進むことに決めた。

 左手の北壁側が切れ落ちて崖になっているのが見えたので近寄らないように注意する。
 上に上がるほど視界が悪くなるが、目印の棒が続いているのを確認しながら進む。
 途中立ち止まって南面側を見ると一面真っ白で、ガスと雪面の境目が分からず平衡感覚を失いそうになる。
 ホワイトアウトするとこんな感じなのだろうなと思いながら進行方向に向き直る。

 前方もほとんどが白の世界なので距離感覚が時々おかしくなる。
 ところどころ夏山用の木道が顔を出しているので参考にする。


 時々風が吹いてあられ状の雪が顔に当たり痛い。バラクラバの上下を目元まで伸ばして顔を隠す。
 新雪が吹き溜まっていてラッセルを強いられたり、クラストしてると思ったら両足がズボズボとはまったりと歩くのも苦労する。目印の棒に沿ってクラストしている盛り上がりが2本ありその間を通ると比較的雪面が締まっていた。
 トレースなのかもしれないが雪が溜まっているのであまり歩きやすいとは言えなかった。
木道の先にうっすらと頂上小屋の三角屋根が見える
 9:30 頂上小屋に到着、かなり埋もれているように見える。
 穴を掘った下にある出入口に新雪が流れ込んでいて、とても入ることができない。

 もう少し進むと木道の登りがあり、その先にこんもりとした雪の山のピークがあった。
 地図で位置関係を確認してそれが弥山頂上であると推測した。
 写真を撮ろうとするが、ここでバッテリー切れ。景色も見えないので、すぐに下山することにした。
頂上小屋入口 誰かが苦労して掘り出したのに、また一晩で埋まってしまった
 自分の付けたトレースを探すが見つからない、あきらめて木道と棒を目印に引き返すことにする。

 10:10 右手に6合目小屋が突然現れる。再び頭をぶつけながら中に入る。
 お湯を沸かす間、中にあった除雪器具で小屋の入口を広げる。
 しかし雪が固まっていて思うように掻き出せなかった。
 インスタントラーメンを作って昼食とする。
 食べていると幸せな気持ちになる。小さな避難小屋だが雪山では本当に心強く感じる。

 10:40 休憩を終えて外に出ると雪が止み、ガスも薄くなっている。
 5合目を過ぎてようやく人と出会う。学生風の3人組だ。

 「この道を登ったんですか?」と聞かれたので「そうです」と答えると、
 「どこにもトレースがなかったんですが・・・・」と不審がる。

 足元を見るとサラサラの雪が数センチ積もっていた。この3時間ほどで私のトレースが全部消えてしまったらしい。
 その後、登山口までの間に10人くらいの人とすれ違った。

 登山口付近で加藤先生が話していた「毎日大山に登っている年配の女性」らしき人とすれ違った。
 11時を過ぎて天候はかなり回復していた。慣れている人は登るべき時間を知っているのだなと思った。

 11:30南光河原駐車場。近くの斜面で滑落停止の練習を一通り行った。

 12:00 帰路に着く。道路の雪は融け始めていてスリップの心配はもう無かった。
 19:10 帰宅
 3.感想
 初の雪山単独行ということもあり、慎重に行動したつもりだ。
 雪山の恐ろしさも垣間見たので、今後も気を付けて山を楽しみたい。
( 文、写真:中村(直) )
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