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鴻ノ峰〜古城ヶ岳(里山で読図トレーニング)
と き  2012年4月5日
天 候  曇り
メンバー  三浦(比)・ 斉藤(宗)・ 斉藤(滋)・Ks(山歩)
行 程  宇部東IC駐車場(8:00)〜 山口県庁(8:45)〜 鴻ノ峰(9:45)〜P408(12:10)
〜油峠からの尾根合流地点(12:20−12:40)〜 古城ヶ岳(14:45−15:10)〜
一の坂ダム(16:00)〜 県庁(17:00)
 
 内 容
 
 山口市街を眺めながら鳳翩山でお弁当を食べる時、いつも目にしていた目の前の山々。今まで意識したこともなかったが急にMが登ってみようと言いだした。
 手始めに兄弟山〜鋤尖山に登ったが、県庁のすぐ傍にこんな自然があるなんて知らなかった・・・。
 年度初めの総会で若者2人がこの山域の話をしている。かなり歩いているようだ。意外! 地元の里山を若い会員が地道に歩いているのを耳にし、なんだか嬉しくなる。
 ようし中高年組も頑張ってみよう!! 藪こぎ覚悟で鴻ノ峰〜古城ヶ岳のコースに挑戦する。
  
(トラック図)
 県庁駐車場の隅っこに車を置かせてもらい鴻ノ峰へ向かう。未知のコースの安全登山を祈りながら、山口大神宮の境内を抜け山道に入る。
石段を登り山道に入る
 かなりの急坂でどんどん高度を稼ぎ、三角点のある台地に到着。説明板によれば大内氏の城跡とのこと、静かな佇まいに歴史を感じる。本丸跡の山頂に向かっていると展望が開け、本日の最終目的地の古城ヶ岳が遥か遠くに見える。あそこに到達するまで、果たしてどんなことが待っているのだろう?       
広々とした鴻ノ峰山頂
 山頂で一休みしていよいよ縦走路に入る・・・と言っても簡単ではない。郭が山頂を取り巻いていて尾根が分かりにくい。コンパスをセットしてその方向に進みたくても
 段差が酷く下れない。取り敢えず右側の主尾根に下り左にトラバースして修正、分かり辛い目的の尾根に乗る。覚悟はしていたが藪尾根だ。時折ほっとできる立派な登山道になるかと思うと、一転倒木とシダ・茨の総攻撃で手・足をフル回転して、跨ぐ潜る這うで身体能力を試されているようだ。子供の頃みたテレビ番組、コンバットの戦場場面が思い浮かぶ。
ホッとする快適な登山道
 鴻ノ峰とP408の中間地点まで到達。二つのピークの谷間は、ことのほか藪が酷い。当然一番ボロの服装で来ているのだが、トゲが引っ掛かり強引に突破すればカギ裂きだらけになるだろう。行くか引くか、もがきながら、もし他人が見ていたらこの行動は???・・・一人苦笑いする。

 やっと藪から逃れトラバース道となるが試練は続く。数m毎に倒木が横たわり行く手を阻む。右の谷に落ちないよう跨ぎ、潜り・・・障害物競争なんて冗談は言っておられない!どうにか無事脱出成功しホッとしたのもつかの間、今度は超急坂が待っていた。アキレス腱が伸び切って、ともすれば後ろにひっくり返ってしまいそうだ。
 登山道は無いので登れそうな所を選んで行く先行者を必死に追う。なんとかP408(高崎山)に登るも既に正午を過ぎている。比呂子さん手作りのフルーツ入り寒天でエネルギー補給し、取り敢えず油峠からのコース合流地点まで下る。
長いトラバース道 行く手を阻む倒木を潜る
 タイムオーバーなら油峠経由で下山の予定だったが、この時間なら先へ進めそうだ。それにこれから先はガイドブックにも出ているし・・・と楽観ムードが漂う。それでも未知のコースなので早々に昼食を摂り出発する。

 鳳翩山を眺めながら、のん気にお喋りしながら、しっかりした踏み跡をドンドン下る。ドンドン・・・。おかしい?と間も無くメンバー全員が気付く。こんなに下る筈がないし、いつの間にか方向も違う。ということで登り返す。うっかり踏み跡の導くままに何も考えずに下ってしまった。注意しながら登り返していたら、目的の方向に合った尾根の分岐が見つかる。よくよく見れば目立たないが古い赤テープが付いている。油断禁物、改めてコンパスをセットする。

 前半のような酷い藪ではないが、予想に反してかなりの悪路だ。それでもP370まで順調に進む。さぁ残り僅か・・・と進んでいたら後ろからMの「待った!」がかかる。小さな分岐の先に赤テープが見える。Mはそっちの方向だと主張、がここはやっぱり残り3人の「コンパスの進行方向に進んでるよ」の意見が通り、明瞭な踏み跡の方に引き続き進む。3対1、山の世界も多数決? 

 ・・・というわけにはいかず、コンパスの方向が怪しくなる。M主張のさっきの分岐尾根に入るのが正解のようだ。再び登り返して地図をじっくりとながめる。正解尾根を少し下ったら、今度は左の尾根に入らないとP302(古堂山)に向かってしまう。何度も失敗しないよう今度は慎重に左の小さい尾根へ入る。地図を見なければ見逃してしまうだろう。
超急坂だが写真の腕が未熟で平坦に見える 疲れて焦点も定まらない
 荒れた縦走路を進み小さなピークを三つ越える。残るは朝、鴻ノ峰から眺めた古城ヶ岳の登りだけだ。最後の登りだと自分に言い聞かせながら急坂に挑む。前半のP408以上の急斜度が続く。手頃な灌木を掴まないと登れない。背中の荷より自身の重みが堪える(分かっているのだが、なかなか・・・。)いつもながらしんがりだ。
ひっそりとした古城ヶ岳山頂
 今日も膝がなんとかもってくれ、古城ヶ岳の山頂に立てた。山頂は、目にする山容から想像もつかないほど広く城跡だと納得できる。展望は無いが三角点がひっそりと待ちなぜか心静かになれる雰囲気だ。その昔ここで、武者たちが戦ったのだろうか・・・。目的の地に着いた安堵感で、ゆっくりと縦走の余韻を楽しむ。Ksさんが差し出してくれた桜もちが甘い。さぁ下山だ。一の坂ダム方向に針路をとり、急坂を一直線に真下に(40度位?)落ちないよう下り、植林の伐採作業用の林道に下り立つ。
(鴻ノ峰〜古城ヶ岳 高低差データー)
 ダムの堰堤を渡り県道に出て県庁に向かう。ふと見事な枝垂れ桜が目に入る。美しさに誘われ道路からそのまま畑、庭先へと立ち入り「桜を見せていただけますか?」と声をかける。 「どうぞ。」と窓から気さくそうな奥様の声。裏庭に回らせていただき、古城ヶ岳を背景に撮影する。曇り空を残念がっていると、青空の下満開の桜の写真を持って来られ頂く。撮影されたのは奥様で、お宅に上がって「同じ場所から撮られませんか」と誘ってくださる。(さすがに辞退したが)
Y家の枝垂れ桜 背景は古城ヶ岳
 往きずりの見も知らぬ者へのご厚意ただただ有難く、疲れた体にたくさんの元気をいただく。今回の苦闘の山行を想い出す度に、その麓に咲くY家の枝垂れ桜と、大切に見守っておられるご家族を想い出すに違いない。

 鳳翩山に向かう車中から、あるいは山頂から何気なく目にしていた身近な里山。大荒れの藪こぎコースだったが終わってみれば満足感でいっぱいだ。前回の鋤尖山で転んで作った青あざと引っかき傷、治る前にまた次の傷を作ってしまった。絆創膏を貼り替えながら、まだまだ懲りない自分になぜか納得。
( 文・写真  斉藤(滋)  写真・トラック図 斉藤(宗) )
 注  現在の縦走路はかなり荒れていて、鴻ノ峰からの取りつき点も分かりにくい。油峠付近以外は展望もなく、時折目にするテープ頼りの縦走は要注意です。
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