へのリンク
花の深入山でリハビリ山行
風にそよぐササユリ
と き  2012年7月15日
天 候  曇り時々晴れ
メンバー  斉藤(宗) 斉藤(滋) N(家族)
行 程  宇部自宅(6:50)~ いこいの村広島(9:30-9:50)~ 
深入山山頂(10:55-11:05)~ 八畳岩(11:20-11:30)
 ~ 西の東屋(12:05)~ 南登山口(12:35-14:00)~ いこいの村広島(14:15)
 内  容
 
 梅雨が明ければ夏山シーズンの到来。しかし日本列島各地で大雨の被害が続き心が痛む。
 今年の夏は我が家もついていない。5月に傷めた膝がなかなか回復せず、医師から9月まで登山ストップの宣告を受ける。内服薬と湿布薬で痛みがかなり薄らいだので、「山はダメでも丘なら登ってもいいでしょうか?」と訊い てみる。「まぁ 無理のないよう気をつけて・・・。」やったぁ~ 陶ヶ岳と霜降山の整備には倍の時間をかけながら歩き参加したものの(全然役には立っていない)以来じっと我慢の日々を過ごしている。
 丘ならばと許可が出た。深入山を丘と言ってはいけないかもしれないが、標高差からすれば、丘くらいだと都合よく考える。倍の時間をかけ、一歩一歩ゆっくり登ってみよう。同行のMとNには悪いが花を楽しみながらのリハビリ山行としよう。
  
 辺り一面霧の中、宇部を出発する。道中が思いやられるが中国道を進むうち霧も晴れ、順調に深入山の麓にある〈いこいの村広島〉に到着する。
 宇部では昨日は一日雨模様だったが、今は雲が広がっているものの降ってはいない。途中でカッパを着るのは面倒なので、Nと2人ズボンだけ穿く。久し振りにスパッツも付けワクワクする。
刈り払われた登山道を行く
 標高1153mの深入山への一歩を踏み出す。膝の痛みは山頂に着く前に出ないだろうか・・・。医師の診断は加齢による変形性関節炎?(はっきりと言われたわけではないが、何となくそんな説明)痛くなったら、その時は止めると決めゆっくりと登る。
 いろいろな花が咲いていて、カメラ片手のMも急いで前に進まない。咲き終わったはずのササユリが待っていてくれたようだ。他にもオカトラノオ・ウツボソウ・ギボシ・アザミ・・・。特に珍しい花ではないが、みんな待っていてくれたような気がして、ついついカメラを向ける。
オカトラノオ
南口登山道との合流地点
 山頂は3連休の梅雨の中休みとあって、家族連れや若い山ガール達で賑やかだ。
 少し霞がかっているが、360度の展望を楽しむ。臥龍山・聖岳・高岳・・・と馴染みの山々が並んでいるが、Nは自分がその頂に立ったことがあるのを知らない。(全く関心が無い)小さい頃から山頂に着けば、景色よりまずお弁当だった。
 とは云うものの、お昼にはまだ早いので山頂を後にして西登山口方面に向かう。直接南登山口へ下るコースは急坂なので、故障の膝には堪えるだろうとのMの判断だ。
山頂直下の東屋に向かう
 山頂を少し下った所にある東屋に向かう。思い出の東屋だ。10年以上昔のことだが、雪山未経験の5人と共に積雪期の深入山に挑んだことがある。まともにラッセル出来るのはM一人。助っ人の私もすぐ外れてしまうワカンに苦戦し戦力にはならなかった。寒さと戦いながらこの東屋に辿り着いたものの、壁の無い吹きさらしでは手もちぎれそうで、やっと出来た温かい雑煮を食べても震えが止まらなかった。初めての雪山の厳しさ、ニ度と雪山なんか登らない・・・。誰もがそう思ったに違いないとMは思ったそうだ。

 ところが、あの辛かった冬の深入山が、なぜかみんなを雪山のとりこにした。一歩一歩がやっと、穴に落ち込み這い上がれず苦しくもがいたりしたのだが・・・。
 あれからメンバー5人揃ってワカンを購入。今も宇部山岳会の雪山市民ハイキングに積極的に参加している人もいる。「あの深入山で雪山の素晴らしさを知った。」と言ってくれた仲間達の顔が、ここに来れば思い浮かぶ。(おそらくMもそうだろう。)

 八畳岩で小休止して山頂を振り返り、再び下り始める。「足は大丈夫?」とNが時々声をかける。ここで傷めると医師にお目玉をもらいそうなので、超ゆっくりと下る。虫採り網を手にした、賑やかな小学生のグループにも置いていかれる。
登山道わきの水場
西の東屋付近から山頂を望む
 西登山口への分岐を過ぎてブナ・ミズナラの樹林帯に入る。深入山は草原の山と思っていたが、改めて落葉広葉樹の山でもあると知る。涼しげに沢音がして来ると南登山口も近い。
樹林帯を下る
 南登山口の広場に帰り着き、木陰でお弁当を開く。足は故障しても食欲に影響はなく、運動不足の分、体重はプラス傾向に。「早く治したかったら、まず痩せろ!」との助言に頷きながら、運動の後のお弁当はやっぱり美味しい。
南登山口に下山後くつろぐ
 
 わずか3時間にも満たない丘登りだが、明日、いや2日後にこの右膝は大丈夫かな? 普通に歩けることの幸せ、今まで酷使しても頑張ってくれていた足・・・。
 思うように回復せずイライラがつのっていた日々をちょっぴり反省し、感謝の思いを新たにした、深入山でのリハビリ山行を無事終える。
 
( 文・ 斉藤(滋)   写真・斉藤(宗) 斉藤(滋) )
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu