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後立山縦走 |
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形 態 |
縦走 |
日 時 |
8月14日(火)~8月19日(日) |
天 候 |
8月15日 曇り 16日 晴れのち曇り 17日 晴れのち曇り 18日 晴れ一時雷雨 |
メンバー |
中村(直) |
行 程 |
[8月14日(火)~15日(水)]
18:30 小野田 => 山口南IC=>高速道路(仮眠)=> 豊科IC =>
翌10:20 扇沢駅駐車場 →11:00 針ノ木岳登山口 → 12:20~40 大沢小屋
→ 15:50 針ノ木小屋テント場
[8月16日(木)]
5:50 針ノ木小屋 → 6:50 針ノ木岳山頂 → 7:50 ズバリ岳山頂 →
9:55 赤沢岳山頂 → 11:00 鳴沢岳山頂 → 11:45 新越小屋 →
13:00 岩小屋沢岳 →14:40~55 種池山荘 → 16:00 爺ヶ岳中峰山頂 →
17:20~40 冷池山荘 → 17:50 テント場
[8月17日(金)]
5:50 冷池山荘テント場 → 6:45 布引山 → 7:55 鹿島槍ヶ岳南峰 →
9:00 鹿島槍ヶ岳北峰 →10:45~11:15 キレット小屋 →
13:20 口ノ沢コル → 14:50 G5 → 16:00~15 五竜岳山頂 →
17:20 五竜岳山荘テント場
[8月18日(土)~19日(日)]
5:30 五竜岳山荘 → 8:40 唐松岳頂上山荘 → 9:00~15 唐松岳山頂 →
9:30 唐松岳頂上山荘 →13:00 八方尾根第1ケルン・リフト乗り場
=リフト・ゴンドラ=> 13:40 八方ゴンドラ乗り場 =タクシー=>
14:00~35 白馬駅 =電車=> 15:00 信濃大町駅 =バス=>
15:40 扇沢駅 =>豊科IC =高速道路(仮眠)=> 翌11:30 小野田 |
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概 要 |
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針ノ木雪渓から針ノ木岳に上がり爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳~五竜岳~唐松岳を縦走し八方尾根から下山するテント3泊・小屋1泊の計画を立てた。
しかしクマ出没によるテント場の閉鎖や天気の変化により3泊で踏破する強行軍を強いられた。
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内 容 |
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[8月15日(水)入山一日目]
昼前に扇沢駅に到着。駅から少し離れた橋の脇の無料駐車スペースが一台だけ空いていて車を停めることができた。観光案内所で聞くとお盆の観光のピークが過ぎた直後で前日よりは人は少なめとのこと。
登山届を出して登山開始。電力会社の車道をショートカットするようなルートが続く。
最初の大沢小屋で弁当を開ける。貸しアイゼンを勧められたが持ってきていたので断った。
しばらく歩くと雪渓が見えてくる。事前にネットで見たより小さい印象。念のためアイゼンを着けたが
着けないで登り降りしている人の方が多かった。
夏の雪渓歩きは涼しくて気持ちがいい、さっきまでの樹林帯が暑苦しかったのでなおさら心地いい。
16時前に針の木小屋に到着。テント場が狭くてどう張ったものか悩む。 |
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[8月16日(木)二日目]
夜半まで小雨が降っていたが日が出ると青空が見えだした。
とりあえず種池小屋を目指すがクマの出没で幕営禁止になったと聞いたのでもっと進まなければならないかもしれない。
針ノ木岳に上がるとたちまちガスに巻かれる。次々にガレた山々を縦走していくが見通しが悪く脇道にそれて崖に誘い込まれそうになる。
昼前に新越山荘付近でようやく明るくなり道も歩きやすくなる。
種池山荘に到着したのが15時前。翌日の行動も考えるとここで一泊したかったがやはり幕営禁止で、次の冷池山荘まで進むことになる。
爺ヶ岳山頂を踏み5時を過ぎて冷水山荘到着。ヘトヘトの状態だがテント場まで更に8分。しかも急な登りで止めを刺される。水場もトイレも小屋にしかないという。
ここまで登山者を鍛えるテント場は初めてだった。 |
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[8月17日(金)三日目]
朝テントを畳みながら、昨日歩いた針ノ木~爺ヶ岳を眺める
雲が晴れていき剱岳や立山も綺麗に見える。不便なテント場だが絶景ポイントらしい。 |
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鹿島槍ヶ岳。冷池方面から。 |
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鹿島槍ヶ岳の南峰までは高山植物のお花畑を行くのどかなルート。急登もあるが登りやすく
整備されている。 |
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朝露に濡れるチングルマ。冷池山荘近く。 |
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出発から2時間ほどで山頂に到着する。北峰・キレット方面を見ると急峻で崩落気味の尾根が続いているのが見える。
キレット小屋が鞍部にあるのが確認できる。 |
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鹿島槍ヶ岳北峰・八峰キレット。鞍部にキレット小屋がある。南峰山頂から。 |
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鹿島槍ヶ岳北峰への下りは急下降と痩せ尾根の連続で緊張が高まる。
他の山域なら鎖かロープがあってもおかしくないような岩場や崩落跡でも何もついてない。
キレット方面への分岐点から北峰山頂へ30分程度ピストンする。狭い山頂で落ち着ける場所が少ないのですぐ降りた。
キレットが近づいてくるとさすがに鎖が増えてくる。使わずとも登り降りは可能なレベルだが岩が脆く浮石が多いので手を添えて慎重に進んだ。
八峰キレット核心部は高度感はあるがハシゴなどが整備されており、バランスに気を付けて進めば問題なく通過できた。 |
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八峰キレット核心部。手前は左、向こうは右が崖になっている。 |
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11時前にキレット小屋に到着する。当初の予定で宿泊するつもりでいた場所だ。
前日からの疲労もあったので「泊めて欲しい」と小屋の人に申し出るが、「明日以降の天気が不安定なので考えてみては」と言われる。
ジュースを買って休んでいると気力・体力が盛り返してきたので進むことにした。
午後の天気も不安だが小屋で五竜岳のルートの解説を受けて出発する。 |
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キレット小屋から五竜岳までは今まで以上に急な岩場と痩せ尾根に加えナイフリッジ越えやザレた巻道と歩きづらいルートとなる。一つ一つはそう難しくないが、延々と繰り返されるのでうんざりして疲労も蓄積する。
北尾根の頭を過ぎると岩峰を乗り越えたり巻いたりの連続で手を使い続けることになる。
ガスも出て来て山頂までの時間の見当がつかなくなり、遠くで雷鳴も聞こえてくる。
やっぱり小屋に泊まればよかったかと後悔する。 |
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このルート最大の難所の「G5」と書かれたペイントを発見する。、
前方を見ると両側とも切れ落ちた崩れかけの通路があり一瞬ひるむが足元を確認しながらゆっくりと通り過ぎた。
その後すぐに左手の鎖に取りつくべきだったが、気づかずに真っ直ぐ進んでしまう。
蟹の横這いで岩峰を巻くとどう見ても行き止まり。引き返そうとするもさっきまでの足場が浮石だったことに気づいて青くなる。冷や汗をかきお腹を岩にこすりつけながら元のルートに復帰。
今回の山行で本気で怖いと思った一瞬だったが、後で聞くと間違える人が多いポイントだそうだ。 |
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それ以降も高度感のある岩場が続くが恐怖を感じなくなってしまった。
頂上までの最後の登りで道迷いの夫婦と遭遇し一緒に山頂に到着。お礼にもらったオレンジがたまらなくおいしかった。
5時過ぎに五竜岳山荘到着。3日連続の遅い到着となってしまった。 |
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[8月18日(土)四日目]
この日も朝はきれいな空で昨日登った五竜岳をようやくハッキリと見ることができた。 |
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朝日に映える五竜岳。白岳から。 |
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いい気持ちで唐松岳へ向かう。ガイドブックに山荘の手前の鎖場に注意と書いてあったので
ちょっとキツイところがあるのかなと思っていたら、またしても長い岩場の連続で最後まで鍛えられた。 |
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五竜唐松縦走路の難所「牛首」の登り。 |
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牛首付近。写真に写ってる人とのすれ違い方に困った。(結局私が尾根に登った。) |
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唐松岳頂上からはいい景色だが次第に雲が増えてくる。不帰の嶮が遠目にも険しく見える。 |
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唐松岳。頂上小屋から。 |
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八方尾根から下山する。連日のガレ場と荷物の重さのせいで足の裏が痺れて痛んでくる。
なだらかで歩きやすい道だが、無理せずにこまめに休みながら歩いた。
雪渓を過ぎたところで突然の雷雨。木陰で雨宿りするが、雨をよけきれないくらいの強さになり合羽を着てじっとする。弱まってきたところで下山を再開。
八方池まで来ると雨が止んだ。観光客も増えて雰囲気が変わってくる。
八方池山荘でリフトに乗り込み楽々下山。歩かなくてもどんどん進むことに妙に感動した。 |
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感 想 |
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雪渓あり岩稜あり、花畑ありとバラエティに富んで歩き甲斐のある縦走路だった。
日程を繰り上げたため図らずも自分の体力の限界に挑戦することとなり歩き通せて自信になった反面、3日連続テント場でお隣になった単独の人には連日大きく引き離されるなど、鍛え方の違いを痛感した山行でもあった。
クマが出るのでテント場が使えないと聞いたときは「大袈裟だなあ。」と思ったが、実際にテントが破られたと聞きさすがに怖くなった。
今回は初日と最終日にそれぞれ登山者のヘリ救助を目撃した。救助隊の人が遭難保険の有無について確認する場面にも遭遇し、登山前の備えの大切さを改めて確認した。
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( 文・写真 中村(直) ) |
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