|
大雪山・トムラウシ山縦走(後半) |
|
|
|
|
期 間
(前半報告) |
2012年8月4日~8月7日 |
(後半報告) |
2012年8月8日~8月10日 |
メンバー |
江本 正彦 |
天 候 |
8/8晴れ、8/9雨のち曇り、8/10曇り |
行 程 |
8/8 ヒサゴ沼避難小屋(4:30)~日本庭園(5:25)~ロックガーデン(5:55)~
北沼分岐(6:30~6:50)~トムラウシ山頂(7:15~7:30)~南沼キャンプ指定地(7:50)
~トムラウシ公園(8:25)~前トム平(9:00)~温泉コース分岐(11:35)~
国民宿舎東大雪荘(12:45)~トムラウシ野営場(16:00) トムラウシ野営場泊 |
8/9 トムラウシ野営場(7:30)~国民宿舎東大雪荘(8:45)~新得駅(10:15)
~札幌市内 札幌市内泊 |
8/10 札幌市内=(JR)=新千歳空港(14:15)=福岡空港=(地下鉄)=博多
=(JR)=宇部(19:45) |
|
|
|
|
【トムラウシ山】 |
|
|
|
北海道の朝は早い。山口県よりは1時間以上早く明るくなるので、山歩きにはありがたい。
急ぎの旅ではないが眠れないのにじっとしているよりは歩いたほうが良いので、暗いうちから起床して他の宿泊者に気兼ねしつつ出発の準備をする。
小屋を出るとあたりはすっかり明るくなっておりヘッドランプは必要なかった。小屋の前で軽くストレッチをして4時半に出発。 |
|
|
|
|
夜明け前のヒサゴ沼 |
|
|
|
ヒサゴ沼からいきなり雪渓の登りが始まる。
夜中の冷え込みでクラスト気味のためツルツル滑ってキックステップが決まりにくい。
スリップしたら無事ではすまないので、慎重にトラバースして右側の岩場に進路変更。安易にトレースを辿ったことが間違いだった。油断禁物と気を引き締める。
縦走路に合流し、登りきったところに日本庭園が広がる。ここは自然が造った箱庭。
なぜか日本アルプスの雲ノ平を連想してしまう。シーズン中の雲ノ平は登山者でごった返しているイメージがあるが、ここ大雪山の日本庭園ではほかの登山者は見当たらない。
遠く目を凝らしてみてもどこにも登山者らしき姿はない。木道に導かれながら進む行く手にはロックガーデンその先にトムラウシ山が見えるだけだ。 |
|
|
|
|
日本庭園から遠くトムラウシ山を望む |
|
|
|
日本庭園からロックガーデンと呼ばれる岩場に続く。
大きな岩の上り下りは苦手ではないが荷物を背負っていると楽ではない。所々濡れているのでスリップしないように慎重に通過した。 |
|
|
|
|
ロックガーデン |
|
|
|
ロックガーデンを越えると正面に北沼とトムラウシ山が現れる。
水面に写るトムラウシが美しい。北沼のほとりで大休止。写真を撮ったり行動食を食べたりしてゆっくり過ごす。 |
|
|
|
|
北沼から見るトムラウシ山 |
|
|
|
トムラウシの頂上からの360度の展望を楽しむ。
旭岳、十勝岳、石狩岳、日高山脈。遮るものは何も無い。なんともすがすがしい気分だ。
遠くからトムラウシを見るときには気付かなかったが、トムラウシは火口底をはさんだ双耳峰だ。まるで王冠のような形をしている。
火口底のぐるりを歩けるのかもしれないが、そこまではしない。最高点に登れただけで満足。 |
|
|
トムラウシ山頂から見た十勝岳 |
|
|
|
|
トムラウシ山頂から見た旭岳方面の山並み |
|
|
|
南沼のキャンプ地まで下りると何張りかのテントが目に付く。
幕営している人たちは、のんびり自然を満喫しているように感じた。ここは十勝岳方面への縦走路の分岐点でもある。
今回はトムラウシ温泉へ下るのが目的なので、トムラウシ公園に向かって下る。
下からは登山者がどんどん登ってくる。登山口からここまではかなりの距離があるはずだが息切れしている人には出会わない。きっとトムラウシを日帰りで登る人は体力に自信のある人たちに違いないと思った。 |
|
|
|
|
トムラウシ公園(遠くは十勝岳) |
|
|
|
|
トムラウシ公園から南沼方面を見上げる |
|
|
|
まるで人造の公園のように整ったトムラウシ公園を何度も振り返りながら下っていった。
貴重な休みを使って北海道まで来たのに、たった3日で縦走が終わってしまうと思うと名残惜しい。
前トム平を過ぎて樹林帯に入るとたくさんの高山植物が目につく。コマドリ沢の分岐からはぬかるんだ登山道が2時間余り続き、ぬかるみに足を取られながら歩いた。
所々、木道が整備されていてありがたかったが、十分とは言えず、単調なぬかるみ歩きで疲れが増幅した気がした。
車のエンジン音がかすかに聞こえだしてから一気に高度を下げて、13時前にトムラウシ温泉に到着し、2泊3日の大雪山縦走を無事終えることができた。 |
|
|
|
|
トラック図2=旭岳~トムラウシ山(後半) |
|
|
2009年7月の大量遭難事故の事を知り、どのような山なのか、自分で歩いてみたいと考えて今回の山行に至った。
縦走後の感想は、旭岳からトムラウシ山までの縦走路は大きなアップダウンがあるわけではなく、技術的にも難しいところは無い。コースのポイントには避難小屋も整備されており、特別に遭難が起こりやすい山とは思わなかった。
ただ距離が長いのと、風をよける場所が無いので、強風雨下では適切な判断が必要だと思った。
北アルプスと違って食事や寝具を提供してくれる有人の営業小屋が無く、食料を含めた必要装備を全て自分自身で持ち歩かなければならないので歩荷力も必要になる。サービスの充実した営業小屋の多い日本アルプスを縦走するときとは少し考え方を変える必要があると感じた。
日頃仕事に感けてトレーニングを怠っている私の場合、わずか2泊3日の縦走だったが4日目には筋肉痛が発症し、トレーニング不足を痛感した。
最初から分かっていたことだが予想以上に体が鈍っており反省点の一つである。
今回、一ヶ月前に休暇が取れることが決まり、急いで準備してなんとか対応できたが、チャンスは何時訪れるかわからないので、日頃からトレーニングをして、突然訪れるチャンスに備えておくことが大切だと感じた。
北海道の山屋に言わせると、内地から来る登山者(本州からの登山者)の中には北海道の山をなめているように見える人が多いそうである。
単独行の私のこともそのように見えたかもしれない。
実際、現地では私が単独行であることを心配する方が多かった。自分自身もヒグマとの遭遇による事故を心配したが、やはり山の中では不確定要素が多く何が起こるかわからない。
北海道の山に限らず、今後、単独行は慎まなければいけないと感じた。
|
|
|
( 文・写真・トラック図;江本 ) |
|
|
|
|
|
|
|