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一切経山(福島県 吾妻連峰) |
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今も活動を続ける一切経山 |
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と き |
2012年10月1日 |
天 候 |
晴れ 時々曇 山頂部 霧雨 |
メンバー |
斉藤(宗) 斉藤(滋) |
行 程 |
岳湯温泉宿(8:30)~ 浄土平(9:35-10:00)~ 酸ヶ平避難小屋
(10:50-11:00)~一切経山(11:55-12:10) ~ 酸ヶ平避難小屋
~ 鎌沼 ~ 姥ヶ原(13:50)~ 浄土平 (15:10-15:30)~
岳湯温泉(16:20)泊
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内 容 |
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山形県の朝日連峰を後にして29日夕方には福島県入りする。
30日は休養日とし足らなくなった湿布薬などの買い物をする。重い荷を担いだMが筋肉痛になり、2人して湿布薬を貼るので充分用意した筈が足らない。膝の痛みが悪化すれば山旅も終りなので、出来る限りの手当てに心がける。無理はしないで次の山は優しい日帰り登山にしよう。前から登ってみたかった吾妻連峰の東吾妻山と安達太良山が候補に挙がる。
台風18号は遠ざかったようだが17号が近づいている。間も無く東北通過ということで車中泊はできない。岳湯温泉泊まりならどちらの山に登るにも好都合だ。地元の観光協会の紹介で希望通りの宿が見つかりほっとする。
台風一過の秋晴れとはいかず、安達太良山のロープウェーは運休らしい。Mの判断で東吾妻の登山口である浄土平に向かう。土湯峠から磐梯吾妻スカイラインに入るとまたしても濃い霧だ。5年前有料道路のゲートまで来たが、強風と濃霧のため引き返している。今日もまた駄目か・・・。カーナビの画面には、曲がりくねった道が延々と続いている。だが、此処まで来たからには登山口の浄土平までは行ってみたい。
ライトを点けノロノロ運転のM。何度もハンドルを切りながら徐々に標高を上げているようだ。私も油断せずじっと前を見る。霧の中ぼんやりと標識が浮かぶ。標高1600m。突然目の前に青空が広がる!! 嘘! 信じられない、こんなことってある?! 今の今まで霧で何も見えなかったのに。1600mの峠を境にこんなにも天気が違うのか? 自然のことなのだろうが、まだ夢を見ているようだ。「引き返さなくて良かった!」何度も言い合う。
儲けたような気分で浄土平駐車場を出発する。まずは一切経山に向かう。台風の雨で登山道は水浸しだが木道が現れ助かる。今年の紅葉は遅いということで、余り期待していなかったが山腹が色づいている。やったね、やっと紅葉の写真が撮れると張り切ったら、なんだか空模様が怪しくなる。
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やっと巡り合えた紅葉 |
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酢ヶ平に到着 |
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酸ヶ平避難小屋で雨具を着用し、山頂に向かう。湿原に漂っていた霧は高度を上げるにつれ濃くなる。
今日もまた視界不良の前進、時折下ってくる登山者はみな無言だ。きっと何も見えなかったんだろう。だだっ広い石ころだらけの尾根をMの背中を追いながらひたすら登る。傾斜が緩くなってきたと思ったら山頂だ。標高1948m意外と高い。(標高差は無いが) |
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霧の山頂に向かう |
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眼下の五色沼は深い霧の中、行動食を摂り長居は無用と山頂を後にする。それにしてもついてないなぁ・・・。(朝のラッキーはすっかり忘れている)
下るにつれ霧が薄くなり、酸ヶ平湿原が現れる。池塘が見える。鎌沼が見える。今までの不運を今度は忘れて、夢中でシャッターを切りまくる。 |
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酢ヶ平湿原を後にする |
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山頂の霧が嘘のようにまた青空が広がる。鎌沼の畔の木道をゆっくりと歩く。映画の場面のような光景に、前期高齢者2人というのが冴えない。モデルは他におらず、なるべく後姿をカメラにおさめる。八甲田の毛無岱や尾瀬ヶ原を思い出す美しさだ。 |
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鎌沼の畔を行く |
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鎌沼の黄葉 |
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ひと気の無い登山道で、やっと若いカップルと出会う。「東吾妻山に登られました?」と声をかけてみる。「登れなくて、引き返して来たところです」と意外な返事に驚く。登山道が川のようになっていて、踝まで水に浸かるため諦めたとのこと。明日は安達太良山に登りたいので、登山靴を濡らしたくないのだが・・・。若いカップルは、『無理ですよ・・・』という雰囲気で去って行く。
木道が続く姥ヶ原の休憩ベンチで一休みする。目の前には山裾を色染め始めた東吾妻が間近に聳えている(筈) 山頂部はスッポリと雲の中、山裾だけが招いている。ここまで来れば登りたい。若者のアドバイスを忘れる事にして、4差路分岐で迷わず東吾妻山方面へと進む。突然続いていた木道が消え、わずか30mで行き詰まる。確かに足元は小さな川になっている。このまま進めば、瞬く間に靴の中は水浸しだろう。 |
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4差路を迷わず東吾妻山方面に進んだが・・・ |
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東吾妻山登頂は結局、諦めてしまう。展望の期待出来ない山頂、水浸しになってしまう靴と色々考えて出した結論だ。心残りだが仕方ない。
そろそろ足も限界か?横木の階段の段差を避けて乗った石を踏み外し、足首に痛みがはしる。おまけに、ここも登山道は川だ。足の置き場に苦労しながらやっと浄土平へ帰り着く。 |
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吾妻小富士を眺めながら浄土平に下る |
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足は疲れても(体も)欲張りなのか(めったに東北まで来られない)明日は安達太良山に!と鼻いきだけは荒い。しかし年は隠せず、車中泊の気力は失せ今夜も宿を予約する。明日は晴れて欲しい。青空の下で安達太良山の山頂を踏みたいと思う。
(山旅の最後を飾る安達太良山は悪天のため断念。少し心残りだが、またの訪れを願いながら帰路につく。) |
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山旅を終えて
4座に登りながら山頂は全て霧。恵まれていた今までとは勝手が違った東北の山旅。長距離の運転を頑張ったMも疲れが倍加したことだろう。
でも、私は良かったと思う。5月から膝の故障で一時は山はもう無理かも・・・と落ち込んでしまったが、なんとか登る事が出来た。Ma先生に感謝!
「相棒のGはまだ膝の不調を訴えています。私は紅葉の秋山もお預けを覚悟しました。今までの戦友をおいて一人で遠くの大きい山には行けません。山は逃げません。」なんだか自分に言い聞かせるような、Mが友達に送ったメール。何気なく目についた・・・。「キザ!」 と言いたいところだが、ここは素直に感謝しよう。
無理の出来ない膝をかかえ、これからも足を引っ張ってしまうだろう。せめて細ーく、長ーく戦友でいられるよう心がけよう。
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( 文・斉藤(滋) 写真・斉藤(宗) 斉藤(滋) ) |
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