へのリンク
小五郎山~寂地山縦走
期 間  2013年4月21日(日)               
山 域  小五郎山~寂地山
参加者  江本、鮫島、内田、藤村、林、井之上
天 候  曇り一時みぞれ、のち晴
行 程  5:30 小郡I.C. ~中国縦貫道~ 荷卸峠PA →吉和I.C. →7:00 松の木峠(登山口)7:05
 → 7:40向峠7:50 →9:00 小五郎山山頂 →10:00 カリマタ峠 →12:00 右谷山
 →13:05寂地山13:35 →14:50 松の木峠 →15:30 向峠 →六日市IC
 ~中国縦貫道~ 17:00小郡IC
 内 容

 そろそろ寂地山の稜線にカタクリの花が咲く頃なので、下見を兼ねて歩荷トレーニングを企画したところ、花には興味の無い若手5人の参加があった。馬力ある5人と共にスピード重視と銘打って若干荷物を軽くしての歩荷トレーニング実施となった。

 
 この日は、会の女子会メンバー3人も松ノ木峠から寂地山に登ることになっており、我々6人が計画通りの時間で縦走できれば寂地山の頂上か稜線上のどこかで女子会メンバーと出会えると考えていた。
 当初のペース配分としては、前半急いで後半は花の写真を撮りながらのんびり歩く、もしカタクリが開花していないときはコースタイムを気にしながら早足で歩くことにしていた。
 7時に松ノ木峠で藤村と合流して、藤村と鮫島の車は駐車場に駐車。ワゴン車一台で向峠に移動した。
 身支度を整え、全員のザックを計量して、それぞれで荷重調整。8時前に登山開始。
 林道から登山道に入ると時折降る小雨はみぞれに変わり、春というより冬を思わせる気候であった。それでも汗だくで、暑いからとどんどん薄着になっていく。
 途中一回の休憩で小五郎山頂着。
 山頂の木々は樹氷に覆われ、時折吹く風でカラカラと音を立てて落下してきた。視界は良くないが、天候は徐々に回復している様に感じられた。気温は低かったが寒がる者はいなかった。
小五郎山山頂にて
小五郎山頂の樹氷
 カリマタ峠までの下りでは1月に鮫島と迷った同じところで道を間違ったが直ぐに気づき軌道修正。
 縦走路はクマ笹に覆われ、その葉に付着したシャーベット状の雪で全員衣服はずぶ濡れとなった。
 靴の中に溜まった冷たい水で足の感覚は麻痺した。5人は軽登山靴だったが一人だけトレイルランニング用のシューズを履いていて、よほど辛かったのか、彼は足が凍傷になることを心配していた。
 容谷山の稜線への登りにかかるまでの縦走路は濡れて冷たい熊笹が続き、寒さで体力を消耗した。小五郎山の頂上で合羽を着るべきだったと反省してもあとの祭りである。
カリマタ峠付近縦走路にて
 カリマタ峠を過ぎたあたりで一瞬意識が朦朧としてから、体が思うように動かなくなり、前を歩くメンバー5人から遅れるようになる。体を濡らしたこととエネルギー補給しなかったことが影響しているようだ。
 先頭を行く鮫島、藤村は時々走る。他のメンバーもその後に続く。彼らとの差がどんどん開いていく。それでも気にせず、行動食を食べて自分のペースで歩きながら体調の回復を待った。
 容谷山稜線からの縦走路は整備されており歩きやすかったが、周囲は冬景色だった。それでも日あたりの良いところではカタクリの蕾を目にすることができた。開花するのは来週以降だろう。
     
右谷山付近縦走路
縦走路上のカタクリの蕾
縦走路から冠山を望む
寂地山手前の縦走路
 鮫島、藤村に遅れること15分、ようやく寂地山に到着。ほぼ予定通りの13時05分。
 この寒さではさすがに女子会のメンバーは待っていないだろうと思いきや、寂地山の頂上で寒さに震えながら昼食も摂らずに待っていてくれた。律儀なメンバーである。
 さっそく彼女たちの準備した昼食を馳走になる。他のメンバーは、寒さに震えており、食事どころでは無いようでみんな無関心。
 ところが食事中に、彼女たちが羽織ったダウンジャケットに寒さに震えていた男性会員の目が釘付けになる。
 「ダウンジャケット持ってきてたんですか。」と男性会員。
 「山に行くのに当然でしょう。」の一言に返す言葉はなかった。今回のメンバー全員が暑さ対策は考えていたが寒さ対策は考えていなかったようで、十分な防寒着を携行していなかった。江本は偶然にもウールの肌着を着ていたので全く寒さを感じなかった。たかがウエア一枚のことだが、もし山で厳しい状況に遭遇した場合、生死を分けるのは、このような些細なことなのかもしれないと感じた出来事だった。
 ゆっくり食事を取った後、出発することを告げると、寒さに震えてじっとしていたメンバーの表情が一気に明るくなった。
 集合写真撮影後、女子会員と別れ、全員が先を競うように松ノ木峠に向け下山した。
女子会のメンバー
寂地山にて集合写真
 
 今回は、歩荷とカタクリ開花状況確認の二つの目的があったが両方を満足することができた。
 歩荷については、通常よりは荷物軽めだったが、スピード重視で、それぞれの力の違いと自分自身のトレーニング不足を実感できた。
 天候の判断やウエアなどの選択ミスなどは反省点でもあるが良い経験になった。
 カタクリの花は開花を始めたばかりで、これからしばらくは楽しめることが分かり、来週予定の寂地山散策に期待を繋いだ。
 今回参加のメンバーはアルパイン志向だが、県内を代表する縦走コースで気持ち良い汗をかけたことで満足してくれたようだった。次回は、荷重を増しての交差縦走や、積雪期の縦走などイメージを膨らませていたようだった。
 今後の若手の成長が楽しみである。
  
(文、写真:江本 正彦)
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu