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西穂高岳~奥穂高岳 岩尾根縦走
日 程  2013年8月8日~8月10日               
メンバー  福山 清二
行 程  8月8日 (西穂高口~西穂山荘)
  厚狭6:45~新山口7:05~名古屋10:00~松本12:03
  松本バスターミナル13:05~平湯(乗換)14:40~
  新穂高ロープウェー15:40~西穂高口16:30~西穂山荘17:20(泊)

 8月9日 (西穂高岳~奥穂高岳 縦走)
  西穂山荘 4:00~独標5:30~西穂高岳7:15~間ノ岳9:00~天狗の頭10:20
 ~ジャンダルム13:50~奥穂高岳14:40~穂高岳山荘15:30(泊)

 8月10日(穂高岳山荘~前穂高岳~岳沢~上高地)
  穂高岳山荘4:20~奥穂高岳5:20~紀美子平7:10~前穂高岳7:50~
  紀美子平8:15~岳沢小屋11:00~上高地12:45~上高地アルペンホテル
 13:10~上高地バスターミナル・乗車券購入13:40、
 14:45発~新島々バスターミナル15:45(乗換)新島々16:05~
 松本16:35(乗換)松本16:53~名古屋19:12~徳山22:16~厚狭22:41
 内 容

 ・ 永年の夢だった西穂高岳~奥穂高岳の岩尾根縦走だが天候第一の日程、自分のペースでの縦走を重視したため単独行、交通機関利用となった。
 ・ ザックはなるべくコンパクト化、軽量化に努めたが雷雨や事故等アクシデントによるビバークも考えて用意したため15kgにもなった。


 [第1日目 8日(木)] 天候 曇りのち晴れ
 
 上高地の帝国ホテル前から西穂山荘に直接登山した方が西穂山荘に早く到着出来るが、今回は翌日の縦走を考え無理をせず、平湯でバスを乗り継ぎ、新穂高ロープウェー利用、西穂高口から50分の登山で西穂山荘に到着した。
 同じロープウェーで山荘を目指した福岡の恋人同士のパーティと親しくなり、お互いに初めてなので安全縦走しようと話し合った。
 [第2日目 9日(金)] 天候 曇りのち晴れ

 3時起床。前夜もらった朝食と昼食の2つの弁当の内、朝食分を出発前 に山荘で食べ、独標での夜明けを想定してヘッドランプで4時に霧の中を出発した。
 独標、西穂高岳までは登山者が多く、ハーネス装着の青年男女の2パーティ14人、年齢に幅のある男女4人のパーティにはすぐに追い抜かれた。
 西穂高岳で前日、安全縦走を約束した福岡の2人とも出会った。しかし、女性は既にザックを途中で置いており、男性が「残念だが今回は断念する、気を付けて!自分もネットに書くから縦走経過をネットに載せて…」の言葉に名前を交わして縦走路に入った。
 浮石に気を付けながら進むと霧が突然晴れてきて目の前にピラミッドピークなど数々のピークや凄い岩稜が現れたのでシャッターチャンスを逃すまいと度々写真を撮った。
これらの岩稜やピークを越えて行く
 クサリのかかる岩場などを昇り降りしていたら岩が積み重なるピークに出た。大展望のピークなのに指導標がない。岩を探すと「間ノ岳」とペンキで書かれていた。
 すぐ後から中年男女2人が登って来た。夫婦かと思ったが中年女性は「今回で3度目、今までも全て晴れ」と答えて休むことなく先に行った。男性には写真を撮ってもらった。どちらも単独縦走だった。
     
間ノ岳頂上、槍ヶ岳をはじめ大展望
  高度感のある稜線を緊張しながら進み、逆層スラブを登ると岩屑が積み重なった天狗ノ頭の頂上に着いた。
 壊れた指導標の前で大展望を背景に写真を撮ってもらった。今日は雷雨の心配もなさそうだ。
天狗の頭への逆層スラブ
 天狗のコルまでの下りは足場が悪く一段と厳しく緊張感があった。天狗のコルから岳沢へのエスケープルートを覗いた、今日は使わなくてすんだが荒天時のエスケープルートにするには勇気がいる感じだった。
 ガレ場や岩稜を登ると目前に大きなジャンダルムが見えるコブ尾根の頭に着いた。遠く槍ヶ岳、前穂高、乗鞍、御嶽山、笠ヶ岳など360度の凄い眺望に1人でうっとりしていた。
 そこにマラソンランナー姿?の好青年が登って来て目前の光景を見て「あれが憧れのジャンダルムですか?凄い」と言いながら万歳し拝んでいた。
 「そんな恰好では大変でしょう。スピードに挑戦?」と質問すると、「時間も目指しているが幾度もルートを間違ってしまった。目印が分かりづらいですね」「今朝、上高地から西穂高に登り、奥穂高まで縦走して岳沢経由で上高地まで下りる」と聞き驚いた。
目前にジャンダルム、右奥は奥穂高岳
 縦走路は全て緊張の連続、日中は日差しが強くなったものの天候は最高、縦走者は少なく、雷雨の恐れも無かったので写真を撮りながらゆっくり縦走した。
 ここで2度目の超人と出会う、今度は上高地から岳沢経由で登山し縦走後、西穂高から上高地に下山し松本行のバスに乗るという中年。ジャンダルムは時間が無いのでスルーしたとのことだった。
 コブ尾根の頭からは目前に見えたジャンダルムだったが厳しいクサリ場の連続などで苦労し、たどり着くまで大変だった。
 しかしジャンダルムはルートを間違えないよう気をつけたが縦走路より簡単に登れた。ここでも頂上到着時は一人だったが数分後には3人になり絶景を背景に写真を撮りあった。
ジャンダルム頂上にて、後は奥穂高岳
 続くロバの耳付近のトラバースや両サイドがナイフエッジの馬ノ背は緊張感があつた。
 他の縦走者もいないので遠慮することもなく厳しい場所、場所で慎重に写真を撮りながら無事通過して奥穂高岳にたどり着いた。
ロバの耳付近の厳しいトラバース
ロバの耳とジャンダルムを振り返って
奥穂高岳、右下に○○とウマノセの白ペンキ表示
ウマノセの取り付き、右上の岩稜を越えて進む
 この日の縦走者は西穂髙岳から奥穂髙岳が約25人。3パーティの18人以外は7人全員が単独だった。
 反対方向への縦走者は全員で9人。2人組の警察と3人のパーティ以外の4人は全て単独だった。
 縦走者が少なく鎖場等での待合も無かったのに、ジャンダルムを含む全てのピークで誰かと出会い写真を撮りあつた。持参した三脚は一度も使わないままだった。
 水分補給は、ポカリスェット2L、お茶1Lで、予備の水1Lはそのまま残った。
 [第3日目 10日(土)] 天候 曇りのち晴れ
 
 3時起床、松本からの列車の時間が気になるが穂高山荘から奥穂岳への登りも結構大変なので朝食弁当を山荘で食べ、夜明け時間を考えてヘッドランプを着け4時20分に霧の中を出発した。
 奥穂岳の頂上ではもう日の出時間なのに視界は10m程度、ここでも後から登って来た槍ヶ岳から縦走して岳沢経由で上高地に下山する青年と話した。青年は馬の背を覗いて来るとザックを置いて馬の背に向かった。
 前穂高岳に登る前の紀美子平は数人だったが、下山したら20人位が休憩中、岳沢小屋までは多くの登山パーティと出合い譲り合いが大変、岩場での鎖や長いハシゴなどが多く下山自体が結構厳しいのに譲り合いで予定時間が次第に遅れてきた。
 岳沢小屋は雪渓水を飲んだだけで通過、前日のダメージも重なり右足のつま先が少し痛んできたが松本発の列車に乗るため先を急いだ。
 上高地に着いたら一般観光客でいっぱい。
 アルペンホテルで温泉入浴と着替えが出来て一安心、急いで上高地バスターミナルに行き松本行の乗車券を求めたら、まだ出発時間前なのに増便分(2号車)も既に満席、予定していたバスに乗車できなかった。予定より40分後の次便しかも増便(2号車)の乗車券・整理券がやっとゲットできた。
 もう10分遅れていたら当日中に自宅まで帰れないところだった。
 
 まとめ
・ 年々、体力が弱るので、今夏こそはと天候第一の日程で計画した。日程も変更せず強風や雷雨もなく安全縦走できたことに感謝している。
・ 天狗の頭付近で目印を見失いナイフエッジ箇所の突端に到達してしまい本来のルートに戻る目印も見当たらなかった時は一瞬不安を感じた。
・ ルートの危険度、緊張度は剱岳の一番厳しい部分の状態が延々と続く感じだった。また浮石がとても多く落石の危険を度々感じた。
・ 縦走中は天候に恵まれた。三日目は急な下りの連続で疲労感もあったが無事縦走できた充実感でいっぱい。

 
(文・写真 福山)
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