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北海道の山  ② 礼文島岬めぐり・礼文岳
岬めぐりコースを歩く
と き  2013年7月15日~7月16日
天 候  曇り
メンバー  斉藤(宗)、斉藤(滋)               
日 程  7月15日
 ホテル(9:00)~ 久種湖キャンプ場(9:50-10:25)~ スコトン岬
(10:45-11:00)~ 銭谷五兵衛記念碑(11:50-12:30)~
ゴロタ岬(13:15-13:20)~引き返し地点(13:40)~ 鮑古丹
(14;40)~ スコトン岬(15:15-15:40)~
 久種湖キャンプ場(16:10)テント泊
 

 7月16日
 久種湖キャンプ場(5:30)~ 登山口(5:50-6:05)~ 
礼文岳山頂(8;05-8:20)~ 登山口(9:45-9:55)~ 
香深港(10:20-14:00)~稚内(15:55)~ 
稚内道の駅(16:50)車中泊
 内 容 
 7月15日

 ホテルを出てまずはコンビニを捜す。
 山友達のFさんからの情報で(6月下旬から北海道旅行された)セイコーマートという道内限定のコンビニがあると聞いていた。ホテルからほど近いセイコーマートに立ち寄る。
 本日の行動食とアイスボックス用の氷を購入しホッとする。バナナ・トマト等の生鮮食品もあるので助かる。
 礼文岳は利尻山と違って気楽に登れそうな山なので、先に今夜の宿泊予定地の久種湖(くしゅこ)キャンプ場の偵察に行く。島の南の香深(かふか)から北の船泊まで一走りだ。

 キャンプ場の管理棟でいろいろ伺う。込み合う様子は無く泊まれそうだ。
 今日の天候はいまいちで、礼文岳に登っても利尻山は見えそうにない。Mの提案で礼文岳登山は明日にして、トレッキングに変更する。
 利尻富士町が送ってくださった《利尻島・礼文島》の資料によれば、礼文島は海抜0メートルから高山植物が咲きお花畑を楽しむ様々なコースがあるようだ。キャンプ場から近い岬めぐりコースを歩いてみようということで、早速スコトン岬に移動する。

 利尻島と対照的に礼文島は穏やかな丘陵が続く。スコトン岬を西海岸に沿って南下するが、同時に東西の海岸線を見下ろしながら行く。足元にはピンク・黄色・紫色と可憐な花々が人知れず咲いている。
ハマナスの花
 山・海・花と大欲張りなトレッキングをしながらも、お弁当タイムだけは忘れない2人。
 見晴しのいい銭谷五兵衛(昔、ロシアと貿易をしていた人と説明あり)記念碑前のベンチでおむすび(コンビニ)をほうばる。筋子入りはさすが北海道。
 お腹が満足したところでゴロタ岬に向かう。ゴロタ岬登山口の標識に導かれ山道に入る。岬めぐりのイメージとは大違いの山登りが始まる。
 登山道の両脇には風に揺れる沢山の花。振り返れば、出発地のスコトン岬と沖合のトド島、浜辺の鮑古丹(あわびこたん)の集落が見える。
     
鮑古丹集落・スコトン岬方面 トド島が見える
ゴロタ岬
 ゴロタ岬からは、好天ならサハリンも見えるとのことだが、あいにくの曇り空で海と空の境も分からない。
 岬コースはスコトン岬から西上泊まで南下して、半島を横断して北海岸の浜中へと至る12,3K(4時間)のコースだが、車の関係で途中からピストンするしかない。
 ゴロタ岬からさらに進み、しばらく下った鞍部から残念だがUターン。登山口まで戻る。

 「鮑古丹を通って帰ろうか。」とMがいう。違う道の方が新鮮なので同意する。
 分岐を海岸まで下ると数軒の家が並んでいる。映画の一場面を思い起こさせるような寂しい集落だ。廃村だろうか? 全く人影を感じないと思ったら、海辺の舟の横で人の気配がする。こんな寂しい所で働いている人が・・・と思った途端足早になる。厳しい環境(人里離れた大海原が広がるだけの場所)で頑張っている人の前を、のんびり観光・・・はさすがに気兼ねだ。
 Mは海も好きなので、ここで潜ってみたいと何度も口にするが、きっと最北の海は冷たいだろう。
ゴロタ岬・鮑古丹を振り返る
 (帰宅して数日後、たまたまテレビをつけると「あわびこたん」と言っている。NHKの路線バスの旅番組で俳優の平岳大さんが、まさにあの鮑古丹の集落の中にいる。慌ててMを呼ぶ。放送で分かったことだが、住人は1組のご夫婦で奥様は目がご不自由。ご主人が手を取って歩かれる。廃村?とまで思ってしまった寂れた集落で、たった2人で暮らしておられるという。舟の横でひと気を感じた時は、車で通っておられるのだろうと勝手に思っていた。あそこで生活しておられたとは・・・。コップ酒に昆布を浮かべて、それがご馳走とご主人。平さんも驚くほど何も無い所だが、お2人共、口を揃えて「ここが一番いい。」と言っておられる。しまったなぁ。あの時声をかけてお話しておけばよかった・・・。)

 キャンプ場に帰りテント泊の手続きをする。
 荷物を運び、Mは夕食の準備(メインは、お得意のラーメン)私は並んだ食材を狙うカラスとの戦い。と「斉藤さ~ん!」と管理人さんが慌てた様子で走って来られる。右手を振り上げておられるようだが、よくよく見ると我が財布。キャンプ代を支払ってカウンターに置きっぱなしだったそうだ。親切な管理人さんで本当に良かった。失くせば旅は即中止、家庭内大戦争になっていただろう。
久種湖キャンプ場
 7月16日

 標高490mの礼文岳、ガイド本を見ても隣の利尻山とは対照的に地味な山の感じだ。
 島の最高峰とのことだが、昨日歩いたような岬めぐりや林道歩きのトレッキングの方が人気らしい。でも登って見たい訳がある。わざわざ2泊したのもそのためだ。
 我が家に掛けてあるカレンダーの7・8月の写真は《礼文島からの利尻山》だ。一面に咲き誇る高山植物と利尻山の美しい光景、礼文岳に登れば、こんな光景が見られると楽しみにしていた。ガイド本も《山頂からの北の海の蒼さと彼方に浮かぶ利尻山の展望こそがこの山の持ち味》と紹介している。

 登山口の駐車場で身支度を整える。天気は今日も晴れそうにないが奇跡を期待して出かけよう。
 急な斜面をジグザグに登りきり、穏やかな尾根道となる。登山道の両側はチシマザサが続き期待した花はあまり目に入らない。
霧のブナ林
 登りらしい登りも無く単調な道にいささか厭きる。
 ダケカンバやブナの林はガスで展望も無く、水平移動ばかりしているようで面白くない。ようやく登りになり登り切った所は偽ピークか、今度は下りだ。歩き始めて約2時間、もうそろそろ着く筈と登りにかかる。
 
礼文岳山頂が見える
 ガスが晴れ、ようやく山頂を目にする。今のうち今のうちと心は逸るが、足はいつものマイペース。
 やっと着いたが、時すでに遅し再びガスに囲まれる。利尻山どころか何も見えない山頂は、人影も無くただ寂しいだけ。
 諦めて下りようとしたその時、ガスが流れ西海岸が覗く。ひと時の蒼い海、利尻山は見えないが「好かった、好かった」と慰め合う。登れただけでも幸せ、静かな山頂を後にする。
礼文岳山頂
 香深港近くのうすゆきの湯で汗を流し14時発のフェリーを待つ。昼食は利尻島で食べ損ねた生ウニ丼。地元推薦の店で食べられMも満足顔だ。
 稚内へ向かうフェリー、雲の上に頭を出した利尻山がだんだん遠くなる。もう二度と登ることはないだろう。夢のような4日間、利尻・礼文の旅だった。
文・斉藤(滋)  写真 斉藤(宗) 斉藤(滋)
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