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霧氷の涌蓋山 |
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涌蓋山々頂からの九重連山 |
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と き |
2013年12月12日 |
天 候 |
晴れ 時々曇り |
メンバー |
斉藤(宗) 斉藤(滋) 会員外(Ay・Iy・My) |
行 程 |
宇部(5:40)~ 高速道路 ~ 小国町はげの湯(9:50-10:07)~
登山口駐車場(10:38)~ 涌蓋山々頂(12:45-13:10)~
ミソコブシ(14:35)~ 一目山(15:45)~ 九重森林公園スキー場
(16:10)~回送車~ はげの湯(泊) |
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内 容 |
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今年も残すところ後わずか・・・のんびり山歩きのメンバー間で忘年山行の話が持ち上がる。
「行けたらいいね。」の希望からだんだんエスカレートして、いつの間にか「少し遠出しよう!」と話が進む。
慌ただしい年の瀬だからこそ一息入れて、今年を振り返るのもいいかもしれない。涌蓋山に3度チャレンジし、悪天の為にいまだに登れてないIyさんの希望を最優先して、はげの湯泊まりの涌蓋山登山を計画する。
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予報によれば今日は曇り時々晴れ(降水確率30%)の筈だが、大分道を行く車のフロントガラスを雨がたたく。「あぁ やっぱり・・・」と誰もが秘かに思ったかもしれない。
Iyさんは自他共に認める雨女である。雨は彼女の所為ではないのに、あまりの偶然が彼女を雨女にしてしまった。「今日は雨が降っても矢が降っても登ろうね。」と思わず言ってしまう。
みんなの願いが通じたのか、九重ICで高速を下りると少しずつ青空も覗いてきた。予定より少し遅れて宿泊予定のはげの湯《Mや》に到着し車を置かせてもらう。
当初の計画は一目山登山口から涌蓋山を越えてはげの湯に下山ということで、一目山登山口まではタクシー利用を考えていた。ところが昨日《Mや》に確認の電話を入れたところ「朝、登山口まで送っては行けないが、夕方なら迎えに行ける」と思いがけない言葉を頂いた。タクシー会社の目安料金は中型で約8千円だったので大助かり。急遽はげの湯から一目山に縦走と予定を変更する。6人乗りの車が無いとのことで、愛車デリカを回送していただくために鍵を預けて出発する。
はげの湯からの涌蓋山は初めての挑戦で、ワクワク感と不安が入り混じる。涌蓋山の裾野はいくつもの林道が走っている。登山口がすんなり見つかるだろうか? 10年以上昔のガイドブックのコピーを見る。
「林道を行くと牧柵が現れ、道が二分するので、右に進む・・・」ガイドの通り牧柵が現れる。牧柵を中心に左は真っ直ぐにしっかりとした道、右はやや小道だがガイドに従う。が5分も進まない内におかしいと感じ引き返す。正解は左の真っ直ぐな道でしばらくすると立派な涌蓋山登山口の標識が現れる。直ぐに二つ目の牧柵があり、これがガイドブックの牧柵らしい。
牧柵から右に取った山道は間もなく林道に合流する。山頂へと続く稜線らしきも見えてくる。さて、そろそろ写真でもとカメラを取り出す。えっ! 何これ? 液晶画面に色とりどりの縦線がズラッと並んでいる。何処かに手が触れて変な操作をしてしまったのかな? 人一倍メカに弱く自分のカメラといいながら、電源を入れることとシャッターを押すこと以外何も知らないので慌てる。今までに無かった現象にMも???でお手上げだ。(カメラは液晶が傷んでいた) |
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林道から山道への分岐 |
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林道のカーブを回り込んだ所でMが急に左の山道に入る。オッとカメラの故障で頭がいっぱいなので、危うく見落とす処だった。林道脇の足元に《← 湧蓋山》の標識と垂れ下がったピンクのリボン。山道に入ると背丈ほどのカヤが待ち受けている。カメラの故障に気を取られている内に先行部隊はかなり進んだようだ。全く姿が見えない。カヤが邪魔をしているのだが不安だ。「オーイ」と呼んでみる。「オーイ」「オーイ」何度呼んでも返事が無い。おかしい!携帯をもどかしく取り出す。良かった圏外ではない。通じた!「今、どこ!?」どうやら分岐を見逃し林道をそのまま進んだようだ。直ぐに追いつかれるから、少しでも先に行っておこうと思ったとのこと。危ない危ない、直ぐに追いつけないからどんどん離れてしまった。カメラの故障に気を取られ、立ち止ってしまったことを深く反省。大事に至らなくてよかった。 |
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遥か遠く英彦山、近くに万年山方面を望む |
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心配した天気も快方に向かっているようだ。一息入れて振り返れば、遥か遠くに英彦山の山並みが見える。出発地のはげの湯の噴煙もかなり遠くになった。樹林帯に入り高度が上がるにつれ霧氷が現れ始める。気がつけば辺り一面真っ白、青空バックの純白の世界にしばし足が止まる。カメラの無い筈の私が夢中でシャッターを切る。「ゲコさん、私は撮る余裕が無いから使って」とAyさんがカメラを渡してくれたのだ。
図々しい事を百も承知で借りたからにはサボってはおれない。先に登ったり追いかけたりで息がきれる。写真にはあまり興味が無いと思っていたIyさんも携帯を取り出して熱心に撮影。「今日も雨・・・」と冷やかしたご主人に証拠写真を見せるそうだ。 |
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山頂へ続く霧氷の道 |
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出発時の引き返し、カメラの故障騒ぎ、落し物での引き返しといろいろありながらも、無事涌蓋山登頂!
初登頂のIyさんとMyさん、初縦走に挑むAyさん、本当におめでとう! 目の前に広がっている九重連山が最高に祝福してくれてるよ。
PM2.5の所為で、地元の大海山に登ってもいつも霞んでいるのに、今日は由布岳、阿蘇山はもちろん祖母山まで見渡せる。雨女の異名返上できるね。 |
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山頂を後に縦走開始 |
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ぽかぽかとした陽射しの中で、ゆっくりしたいところだが迎えの車の時間も気にかかる。一目山を目指して縦走を開始する。
見下ろす斜面も、背後の涌蓋山の斜面も一面霧氷で被われている。今までいろんな山で霧氷の美しさに出会ったが今日は格別、メンバーの笑顔が嬉しい。 |
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春を待つアセビ |
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涌蓋山頂に別れを告げる |
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涌蓋越えまで下ると、白の世界から秋色の風景となり気も緩む。でものんびりとはしておれない。車回送場所の九重森林公園スキー場まで、程々の時間には下りたい。急ぐとしよう。 |
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涌蓋越え付近から九重連山を望む |
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涌蓋山に見送られ、一目山へと向かう |
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ようやく一目山の裾を回り込む林道に下り立つ。このまま林道を辿って登山口に行くことも出来るが、初挑戦組は一目山へ登頂意欲満々で、すでに登り始めている。後に続くとしよう。長くはないが急な斜面は薄っすらと雪に覆われている。滑らないよう登り始める。うん?左大腿が変、ひょっとしたら例の前兆?と思った途端やっぱり来た!! 突然襲った左大腿に走る激痛で息が苦しい。いつも手元に用意している痙攣の特効薬《ツムラ68番》を取り出す事が出来ない。呻き声にMが気づき助かる。呻き声が届いたのかな、前を行くメンバーが一目山のピークで待っている。「いいねぇ。直ぐに68番出して貰えて」と口を揃えてみなさんおっしゃるが、私は普段その何倍も関白様に仕えておりますが・・・。
九重森林公園スキー場で約1時間待って回送車が到着。若女将自らの迎えに恐縮する。瀬の本は凍結の恐れがあるとのことで、助手席の若女将のアドバイスに従い筋湯・地蔵原経由で宿に向かう。曲りくねった夜道の運転に緊張したと言ったM。(本当は助手席の美人が気になった?)タクシー代にはほど遠いが、ささやかなほんの気持ちを受け取っていただく。お金では買えないご厚意への感謝の思いを、こんな形でしか伝えられない。
悪天候やいろいろの都合で今日まで踏めなかったという涌蓋山山頂・・・。メンバーの初登頂と初縦走を祝うように、大展望と霧氷で迎えてくれた。彼女たちの口から何度出ただろう? 「奇跡」「奇跡」という言葉。確かに雨の大分道を思えば、青空と霧氷の涌蓋山は神様がくれた奇跡だったかもしれない。 |
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(文:斉藤(滋) 写真:斉藤(宗)・ 斉藤(滋)) |
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