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十種ヶ峰(山芍薬コース~ふるさと林道周回)
満開の山芍薬
山行日  2014年5月2日(金)
天 候  晴れ
メンバー  三浦(比) 斉藤(宗) 斉藤(滋) Iy(会員外)
行 程  宇部(7:30)~ 神角駐車地(9:10-9:25)~ 十種ヶ峰山頂(11;30-12:00)~
スキー場側ふるさと林道始点(13:00)~ 神角駐車地(14:35-14:45)~
山芍薬コース駐車地(14;50-15:05)~ 宇部(16:35)
 内 容

 
会の若手女性軍(ガールズ)から十種ヶ峰の山芍薬をめでる山行のお誘いメールが届いた。
 ガールズとは言えないが、私も女性軍の一員(?)M共々参加意欲満々であったが残念! 都合で参加出来なかった。
 3月15日の登山道修復作業の時に目にした、荒れた登山道にチョコッと芽を出していたあの山芍薬、災害にも負けず花をつけてくれたかな? きっと今年は花数が少ないだろうな? やっぱりこの目で確かめてみたい。よし! 熟年女性軍(オールドガールズ)も出かけるとしよう!
 神角側のふるさと林道始点近くの空き地に駐車し山芍薬コースへと向かう。
 しだれ桜開花便りを毎年くださるI家の前を通りかかる。ちょうど外におられたご主人に一言お礼をと声をおかけしたら、大好物のタケノコをくださるとのこと。タケノコの季節を心待ちにする程好きだが、今は背負って登る馬力が無い。帰りに必ず寄ることを約束し出発する。
 お地蔵様の傍のゲートから山道に入る。
 10日前に骨折のコルセットがようやく取れ、晴れて軽い身となったが(コルセット分1㎏)無理は出来ない。メンバーの了解のもと、ゆっくりと進む。
 林道終点で衣類調整をしていると先行のパーティーから「宇部山岳会さん」と声がかかる。岳連行事でいつもお世話になっている《ハイキングクラブ山歩》のお元気なみなさんだ。今日は楽しい登山になりそうだ。

 3月登山道の修復作業で訪れた時は雪が残っていて、荒れたコースは滑りやすく崩れた岩も不安定で、不自由な体では緊張が強いられた。があの時怖かった斜面のトラバースもしっかりと踏み固められ安定した踏み跡が続く。修復作業後に沢山の登山者が訪れたのだろう。
辺り一面に山芍薬
 心配した山芍薬のお花畑に到達。凄ーい!! 昨年と比べて同じ、いや昨年以上に咲いている!
 あの日、雪に覆われたガレ場にやっとの想いで(・・・と感じた)僅かに顏を出していた山芍薬、自然の猛威をものともせず何事も無かったかの如く静かに咲いている。瑞々しい緑の葉に守られ凛と天を仰ぐ真白き一重の花・・・気高さに胸がキュンとなる。
 3月15日の光景と、いま目の前に広がる光景がなかなか結びつかない。有難う、こんなにも美しく咲き揃ってくれて・・・。
稜線近くの斜面にも咲く山芍薬
 メンバー4人なかなかカメラが手放せない。撮っても撮っても同じような写真になることは分かっているが、次々とシャッターを切ってしまう。
 お蔭で心配した背中の痛みを感じることなく、一方通行のお花畑を登り詰め稜線に上がる。
新緑の稜線を行く
今年も出会えたイカリ草
 今日は休日? いや金曜日。いつにも増して賑やかな山頂に到着する。
 山頂標識の近くでお弁当タイムを過ごしていると、すぐ隣の方とMが「何処かでお会いしましたね」「修復作業の時じゃないですか?」と言葉を交わしている。
 周南山岳会の方で山口山岳連盟という組織を通じての人と人との繋がりを感じる。

 360度の大展望とたっぷり(過ぎる)のお弁当に満足し下山にかかる。
 肩の広場を通過して鳥居の傍を下り、左に神角コースへの分岐を見送る。神角コースを下れば早く駐車地に帰れるが、今日は少し遠回りしよう。
 スキー場の傍を走る車道を避け、東屋のあるコースを辿ってみたい。雪が深い時は読図をしながら何度か登ったが、無雪期にこのコースを歩くチャンスはなかなか無いので新鮮だ。ヒトリシズカがその名の通りひっそりと咲いている。
ヒトリシズカ
東屋のコースを下る
 スキー場下部の駐車場から神角へと向かうふるさと林道に入る。
 1度だけ車で通過したことがあるが歩くのは初めてなので、殆んど記憶が無い。昨年の豪雨の影響を心配し事前に得た情報によれば、車両通行止めとのこと。現在復旧作業中とのことで、作業の迷惑になってはと一旦は通行を諦め神角コースを下ることにした。しかし地元の方数人に尋ねたところ「大丈夫、通れますよ」「気をつけて行ってらっしゃい」と励まされ、行ける所まで行ってみようと決める。

 何も好んでアスファルトの車道を歩くこともないのだが、神角コースは3月に下ったばかりだ。
 修復作業の宇部山岳会担当場所は最上部となり、稜線間近まで足場の悪い中登ったが、作業終了後あの危険な悪場を下る気がせず、リーダーの許しを得てMに付き合ってもらい、山頂を越えて神角コースを下った(こちらもかなり荒れていた)。
 今日は衰えた脚力を少しでも回復できるよう遠回りして、ふるさと林道経由で帰ることにしよう。林道は標高差が無いだろうと甘くみていたが、緩やかだが長い登りが続く。
十種ヶ峰 ふるさと林道断面図
 身軽になって常盤湖周回などで訓練したつもりだが段々と遅れ始める。心配したメンバーから「大丈夫?」と声がかかる。「大丈夫!湯ノ峠に比べたら」と答えるとみんな大笑い。

 実は骨折後1ヶ月のある日、Mの釣りに同行して青海島に向かう車中、突然家庭内戦争勃発! 美祢線の湯ノ峠駅で車を降りる破目に。自ら下りたとはいえ、田舎の無人駅に置き去りにされ長時間列車を待つ気がせず(内心迎えがあると・・・)、取りあえずR316を南下するも迎え無し。長距離大型トラックが疾走する恐怖のR2を歩き霜降山を越え自宅まで7時間40分かけ帰着。これだけだとたいしたことではないのだが、腋の下から下腹部までコルセットでがんじがらめの身だったので、先に帰宅していたMもびっくり(JRで帰ったと思ったらしい)。我ながらバカだったと思うが、登山はもうダメかも・・・と暗い気持ちの日々だったが、平地ならなんとか歩けると少し自信を取り戻し、怒りが希望に変わった日となった。

 あの日に比べ、5月の陽射しをモロに受けての長い登りだが、風が爽やかで心地よい。今は人影も無い林道だが、意外な場所に十種ヶ峰の案内板が現れる。どうやら此処は登山口のようで、かすかな踏み跡が延びている。
 スキー場からと神角、福谷池コースしか歩いたことがないがいろいろなコースが楽しめそうだ。この分岐をポイントしようとGPSを見たMが「あれ、此処はさっき下った場所の直ぐ下」と地図画面を見せる。本当だ、多少の藪漕ぎはあるかもしれないがショートすれば、10分の1で歩ける距離を延々頑張ったわけだ。つまり10倍楽しめたという訳で、みんなまた大笑い。
トラック図  山芍薬コース~ふるさと林道周回
 突然崩れた土砂が行く手を阻む。数ヶ所崩落現場(整備後)を通過したが此処は完全にアウト。道路を覆い尽くした土砂の上には作業用の無人の重機。上方で作業中の方に声をかけ通ってよいか伺う。許可を頂いたのでお礼を言いながら急いで通過する(この日は幸いにも通過できたが、作業によっては通行出来ないかもしれない)。この辺りを襲った豪雨がいかに凄かったかを目の当たりにして、改めて日々の暮らしに感謝する。

 作業現場からワラビを摘みながらの程なくの下りで朝の出発地点に帰り着く。今日も美味しい阿東米を買って帰ろう。タケノコご飯が楽しみだ。新緑と山芍薬と地元のみなさんの温かさに出会えた清々しい初夏の一日だった。
( 文・写真 斉藤(滋)  写真・トラック図  斉藤(宗) )
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