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大山弥山尾根西稜 |
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日 時 |
平成26年1月3日(金)~4日(土) |
天 候 |
3日晴れ、4日曇り→雪 |
メンバー |
内田、鹿野陽(会員外) |
行 程 |
(4日):起床4:00~元谷出発5:00~西稜取付・登攀開始6:00~
稜線10:20~山頂小屋10:30~元谷・撤収11:30~南光河原駐車場12:30 |
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内 容 |
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大山北壁。初めて大山に登ってからの憧れだった。
今回、会の大山山行に参加し、北壁に登らせてもらったことは自分にとって貴重な経験となった。 |
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3日は南光河原駐車場に集合した後、弥山尾根西稜の取付を確認するため、皆より一足先に出発する。
元谷までは楽に歩けるが、そこからはわずかなトレースが付いているのみであった。しかも沢の中央付近を通っているので、なるべく尾根寄りを歩く。
取付の手前で、弥山尾根と別山、弥山沢の位置関係を頭に入れて、17時に引き返す。
元谷で他のメンバーと合流してからテント設営、夕食。夜は2人用のツェルトで就寝したが、思ったよりも寒くはなかった。 |
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4日は4時に起床、アルファ米を食べ、5時に出発。
ヘッドライトの明かりを頼りに昨日つけておいたトレースを歩いたつもりが、いつの間にか宝珠尾根の方に寄ってしまった。鹿野が気づき、方向を修正した後、取付付近に到着。
明るくなるまで間があるため、ゆっくり登攀準備をし、付近の状況を再度確認する。
真正面の尾根の右手に弥山沢と思われる沢が広がり、さらにその右手にぼんやりと別山らしき山塊が浮かび上がったことから、自分たちが弥山尾根西稜の末端にいると思われる。 |
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暗闇の中の西稜取付 |
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結局、明るくなるのを待たずに登攀開始。
いきなりの傾斜の上に、雪は思ったよりも柔らかく、足を踏み込む度にずぶずぶと埋まり、ラッセルしているような印象。
登り始めてすぐ灌木のあるところで、足元の雪がずるずる崩れ、難しくなったため、巻くかどうか鹿野と相談する。
結局、ロープを出してトップを交代。
鹿野は器用な足さばきで悪場をクリアしていった。今回、取付から尾根を直登したが、出だしは少し左から巻いて取付く場合もあると聞いた。
適当な灌木で支点をとった後、つるべで進むが、特に悪い箇所もないため、すぐにコンテに切り替え、尾根のやや右側を登っていく。
その後、やはり灌木のところで悪場があったため、スタカットで抜けてから尾根上に乗りこむと、傾斜が落ち着いたことからロープを片づけて進んだ。 |
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ロープを片付ける |
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それまでガスっていたのが、一瞬、晴れ渡り、振り返ると眼下に元谷が広がる。
右手には別山がそびえ立ち、左手には屏風岩が圧倒的な存在感で迫ってくる。これまで見たことのない光景に心が震えた。 |
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ガスが晴れて元谷を望む |
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そこからは急速に天候が悪化する中、延々と尾根を進んでいく。
視界が悪くても尾根沿いのためルートを誤ることはないが、風と雪が強くなり心理的な不安は増していく。また、相変わらず雪が締まっておらず、徐々に体力が奪われ、ペースが上がらない。
後半、ほとんどを鹿野がトップを務めてくれた。
激しい風雪の中、尾根上のコブを越える毎に山頂はまだかと期待するが、先が見えずなかなか着かない。
うんざりした頃、突然、稜線に出た。視界10m以下のため、稜線の状態もはっきりせず、どちらが山頂小屋方面なのか一瞬分からなくなる。
不安になりながらも地図を確認して右手に進むと、わずかに露出した山頂碑が見えた。ようやく鹿野と握手をする。 |
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ようやく山頂に着く |
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横殴りの雪が顔に痛いのを我慢し、写真を撮ってから、そそくさと山頂小屋へと急ぐ。
小屋では仲間が登攀システムの練習をしていた。我々は本日帰るため、先に下山する。
鹿野の驚異的なペースに遅れて元谷に着くと、雪の重さでテントがたわんでいた。 |
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今回、初めて北壁を登攀させてもらったが、予想していた以上にハードな山行となり、自分の技術的・体力的な未熟さを認識することとなった。
トップを務めてくれた鹿野さん、登攀を許可してくれたCLや仲間たちに感謝するとともに、改めて研鑽を積み、今度は自分の力で弥山尾根西稜に挑戦したい。 |
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( 文・写真;内田 ) |
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