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大山八合尾根
山行日  2015年3月21日(土)
天 候  快晴
メンバー  内田、会員外(鹿野、山田、山本)
行 程  南光河原駐車場5:00~元谷5:45~八合尾根取付7:00~夏道と合流9:00~
弥山~剣ヶ峰10:45~天狗ヶ峰11:00~元谷12:15~南光河原駐車場12:40
  3月も中旬を過ぎ、暖かい日が続く。
 雪の状態が気になる中、祈るようにして今シーズン最後の大山北壁に向かった。
 前日の夜に防府で落ち合い、山陽道から中国道経由で大山に向かう。仮眠をとった後、3時半に起床。ほとんど満車の南光河原を5時に出発する。
 林道を歩いているうちに空が白み始め、元谷に着くころには、あたりはすっかり明るくなっていた。視界に入った北壁の様子を見て、全員、思わず唖然とする。雪がない。
黒々とした別山
 計画していた別山は黒々とした岩塊を誇り、左隣の弥山沢には茶色の土が流れ込んでいる。弥山尾根も上まで雪がつながっているか不明な状態。雪のない北壁は土と浮石の塊であることから、まだ雪が残っている八合尾根を登ることにする。
まだ雪が残る八合尾根
 元谷小屋の裏に延びる尾根を弥山沢側から乗り越し、別山沢に入る。沢の手前でアンザイレン。
 万が一のことを考え、一人ずつ距離を置いて沢をトラバースし、別山沢から八合尾根の左斜面に取り付いた。
別山沢をトラバース
 まだ早い時間なので、出だしはアイゼンがよく効き、ガシガシ登れるが、陽が当たるとすぐに雪が腐ってくる。
 重たい雪に足を取られながらも、それほどの傾斜もないため、コンテで進む。
     
八合尾根斜面を進む
 斜面から尾根に出て、ところどころブッシュが現れたリッジを進む。忠実に尾根を辿ると、目の前に脆い岩壁のピークが立ちはだかった。
     
ブッシュが現れたリッジ
 そのまま進むと岩壁手前は雪のない細いリッジとなっているため、雪の残ったところをクライムダウン。
 一旦、正面の雪面に出てから、岩壁の右に抜けた。結果的には、岩壁のずっと手前から右へトラバースした方が歩きやすかったと思う。
 一方、鹿野・山本ペアは細い岩尾根を進み、岩壁を直登していた。
脆い岩壁のピーク
岩壁手前の細いリッジ
 後は暖かい日差しの下、夏道との合流地点まで快適な尾根を歩く。
 天候に恵まれた夏道は多くの登山者が列をなしていた。八合尾根の岩壁を直登した鹿野・山本ペアを待った後、スキーで元谷へ滑降する山田と弥山で別れ、いよいよ3人で縦走を開始する。
 弥山から望む縦走路はラクダの背のあたりで土が露出しており、無事に通行できるか分からない。
弥山から望むラクダの背
 縦走前に3人でアンザイレン。
 ラクダの背の手前のピークまではトレースがあるが、その先はまだ誰も足を踏み入れていない。基本的に縦走路では使えるホールドがないため、雪のないコブを乗り越す際には緊張が走る。
 一人ずつ慎重に難所を越え、なんとか無事に通過した。剣ヶ峰方面からやって来て、ラクダの背を越えたところで待機していてくれた単独の登山者と入れ替わり、先へと進む。ラクダの背から剣ヶ峰までの間にも少し悪い箇所があった。
土の露出した縦走路
 天狗ヶ峰からの下りでも雪融けが進み、かなり土が露出している。ただ、稜線から元谷への斜面には雪が豊富に残っており、腐った雪に足を取られながら一気に駆け降りた。
 途中、左手の沢から流れてきた泥混じりデブリが春の到来を告げていた。
 山行前に春の雨が降ったおかげで、すっかり雪が融けてしまっていた。
 計画していた別山が登れなかったのは残念だが、今シーズン最後まで事故もなく無事に北壁を登れたことに感謝したい。そして、これからも鍛錬を積み、来シーズンも北壁に向かい合いたい。
( 文・写真 : 内田  )
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