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比婆山縦走(烏帽子山・毛無山・伊良谷山・牛曳山)
伊良谷山から牛曳山に向かう
山行日  2015年6月29日
天 候  快晴
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  吾妻山キャンプ場避難小屋(6:40)~横田分れ(6:55)~ 烏帽子岳(7:40-7:50)~
出雲峠(8:35-9:05)~ 桔梗ヶ丘往復 ~ 毛無山(10:05-10:20)~
伊良谷山(11:00-11:40)~ 牛曳山(12:05)~ 牛曳山登山口(13:30)~
県民の森公園センター(13:50)
 清々しい朝を迎える。まずは水場で顏を洗おう。水槽に勢いよく流れ込む谷水は冷たく思わず飲みたくなる。小屋を管理しておられる奥出雲町観光課によればそのままの飲用は不適との事だが、透き通った水は訊いていなければ何の躊躇いも無く飲んでしまうだろう。
 アドバイスに従って沸かし朝食の準備に取り掛かる。今日は時間的にゆとりがあるのでゆっくり朝食を取り(粗食だが)食後のコーヒーも楽しむ。
快適に過ごせた避難小屋
 荷物を片付け掃除を済ませ、ご夫婦より先に出発する。いずれ直ぐに追い越されるだろう(烏帽子~御陵に登り島根県側の登山口である大峠へ帰られるらしい)
 今日の大膳原は昨日の梅雨空が嘘のような快晴で南方には雲海が広がっている。小屋泊まりのおかげで見られた比婆山初の光景だ。
 大膳原東端の横田分れから島根県側に30m位下ると、ご夫婦に教えていただいた水場が直ぐに見つかる。早速ペットボトルに汲み入れ一口飲んでみる。美味しい! 比婆山に何度も通い殆んどのコースを歩いているつもりだったが、島根県側のことは全く頭になかった。ご夫婦が奥出雲町の方で良かった!
大膳原の朝
吾妻山に見送られ出発
 爽やかな朝の空気をいっぱい吸いながら一頑張りで烏帽子岳に登り着く。遮るもの無く大展望が広がっている。大山、道後山が間近に見え、昨日の天候不運を取り返した気分になる。烏帽子岩に登り日御崎方面も見渡す。そういえば雪の無い烏帽子の山頂は久し振りだ。見飽きる事が無いがまだまだ先があるそろそろ出発するとしよう。

 懐かしい夏道を下り出雲峠へ到着する(ここ数年はいつも尾根筋の冬コースを歩いている)雪の無い出雲峠は4年ぶり? 季節はあの時と同じだ。そこで記憶を辿りミヤマヨメナの大群落とヤマホウシの真っ白な花を探してみる。「もう遅いんじゃないか・・・」と言いながら仕方無くMも付き合って探している。やはり遅かったようだ。カレンダーの同じ日に訪ねても自然の法則は計算通りにはいかない。真っ白なミヤマヨメナの花園もウェディングドレスのようなヤマホウシもまたの楽しみに取っておこう。
ミヤマヨメナ? 群生地で見つけたが葉にギザギザが無い
 黄色と白いニガナが仲良く咲き揃った桔梗ヶ丘にも立ち寄り、毛無山に登り着く。何度登ってもいい山だ。
 ホッカリ気分で景色を眺めていると、賑やかな男女4人グループが現れる。リーダーらしき中年女性から「何処から登って来た?」と気軽に声をかけられる。「出雲峠から」と返事をすると「牛曳山からならササユリが咲いてるかどうか訊きたかったけど」とのこと。「牛曳には今から行きますが、多分咲いてると思います」と答えると「咲いていることは分かっているけどね。いつもここには来ているから」と無愛想に返事が返る。おまけにお仲間までが「ここには何度も来ているから」と相槌を打たれたのはいいが、かのリーダーの次の言葉にはびっくり。「牛曳から登って来るつもりだったが林道で間違え毛無に登ってしまった」エッ!? 林道で間違える? 牛曳山登山口と毛無山登山口は全く違う所だが。説明をしようにもこの雰囲気、耳を傾けて貰えそうにない。お節介が売りの私も早々に退散する。快晴でよかった、悪天時なら怖い話だ。
ササユリ
 伊良谷山への稜線はササユリが咲き誇っている。まだまだ硬い蕾もたくさんあってしばらく楽しめそうだ。アルプスや有名な山のお花畑のような華やかさは無いが草むらの陰でひっそりと咲く名も知らぬ花を見つけては嬉しくなる。鳳翩山でもよく見るウツボグサさえ紫色が鮮やかで思わずシャッターを切る(Mのカメラを借用)登山道に大きく伸び出して咲く花はナルコユリ? それともアマドコロ? 毎回悩んで来たが、今回は茎をじっくりと観察、稜が無くツルツルはナルコユリだ。
じっくり観察 ナルコユリだ
 見晴しのよい伊良谷山の山頂で大休憩。担いで来たありったけの食糧を並べる。気温が低く生ものも保温バッグで十分持たすことができ助かる。若い頃の行動食といえば必ずと言っていい程フランスパンで乾いた喉を通らず苦戦したが、今は様々な装備、食品が改良され山中の食事もらくになり楽しめる。 

 全山縦走の最後のピーク牛曳山が近づいて来る。第4キャンプ場への下山路を右に分け登りにかかる。ピーク時ならミヤマヨメナの花壇がこの辺りから延々と続く筈だ。さっきすれ違った単独行の男性から「まだ少し残っていますよ」と情報を貰ったがあまり期待は出来ない。かって最盛期の大群落の中を歩いているので、ついついあの時の事を思い浮かべてしまう。何も知らないで出会えた光景だから、心に強く残っているのかもしれない。
( http://ubealpine.fc2web.com/20houkoku/10-hibayama.html)
     
少し残っていたミヤマヨメナ
 最後のピーク牛曳山に正午着。ゆっくりと歩いたので余力を持って縦走できホッとする。後は公園センターに下るだけだ。
 伊良谷山との鞍部まで引返し第4キャンプ場に下れば楽だが、せっかくだから沢沿いコースを辿り白樺林に下ることにする。秋には紅葉が見事なジグザグの下山路をいっぱいの緑に囲まれて下る。小さな沢を左岸に慎重に渡ると高度差のある沢沿いの道となる。歩き慣れた道とはいえ一部崩壊した急斜面のトラバースに緊張する。登山者が減れば増々荒れてしまうだろう。右岸に渡り返し再び樹林帯に入ると、間もなく白樺林だ。
 夏らしい日差しの下アスファルトの県道を、公園センターまで足取りも軽く(?)帰り着く。
     
今回歩いたコースのトラック図
 Mのドクターストップは解除されたものの、私も体のあちこちが痛んでなかなか登山再開できずにいた。このままじゃいけない・・・焦りに気力が追いつかぬ日々。Fmさん宅へのお誘いが新たな出発のきっかけとなる。いつか挑戦してみたかった比婆山全山縦走の夢、実現できたのは大膳原にある避難小屋のお蔭だ。深緑と野花に囲まれた快適な山小屋。≪誰でも利用出来ます≫温かい入り口の表示を思い出すたびに感謝の思いが湧いてくる。 
( 文・写真:斉藤(滋)  写真;斉藤(宗 )
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