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洗谷遡行(福岡県)
山行日  平成27年7月18日(土)
天 候  曇りのち晴れ
メンバー  江本、大岡、兼安、西村(佳)、津田、井之上
行 程  宇部IC(6:05)~中国自動車道~九州自動車道~福岡都市高速道路~西九州自動車道~
今宿IC~瑞梅寺登山口キトク橋(8:25-8:50)~洗谷ルート登山口(9:15)~F1(9:35)~
二俣分岐(11:40)~F11(12:00)~F19(12:20-13:00)~F21(13:10)~
縦走路洗谷分岐(13:50)~井原山(14:20-14:30)~縦走路瑞梅寺分岐~井原山自然歩道~
アンノ滝(15:35)~瑞梅寺登山口キトク橋(16:00-16:30)~今宿IC~西九州自動車道~
福岡都市高速道路~九州自動車道~中国自動車道~宇部IC(18:45)
 今シーズンもいろいろ行事が重なり、沢登りができずにいたが、ようやく自分自身の沢登りシーズン解禁である。
 今シーズン最初の沢登りは、九州の脊振山地にある洗谷を選択した。この地域は、脊振、雷山県立自然公園に指定されており、自然林が多く残り登山道もよく整備されていると聞いていたことと、洗谷であれば井原山登山と沢登りの両方が楽しめるということで興味を持っていた。
 井原山北面に派生する洗谷は初心者向けの難易度の低いルートではあるが、台風一過の曇り空の元、谷は増水しており直登が容易でない滝もあった。かえってそのことで遡行に変化が生まれ、当初期待した以上に充実した遡行を愉しむ事が出来た。
 瑞梅寺登山口奇徳橋駐車場で身支度を整え、洗谷ルート登山口に歩いて移動。

 堰堤をいくつかやり過ごし、西谷川フヂ橋を過ぎたあたりから入渓地点を伺いながら登山道を進んだ。

 一旦入渓するが、堰堤が出現して沢から上がり迂回する。
 結局、小さなゴルジュを形成している手前から再度入渓。幅1メートルの狭いゴルジュだが、直ぐに3メートルの小滝が現れる。
 水量が多いので直登は避け、右岸をザイルを出して越えた。
ゴルジュ
 その後も、滑の斜滝、インゼル、小滝と続くが、小滝といえどもどれも水量が多く直登するのに苦戦する場面も見られた。
 しばらく平凡な谷が続くが谷全体に霞がかかり幽玄な雰囲気を醸し出し時間を忘れさせてくれる。
 時々沢と交差する登山道に登山者の姿を見ることはない。沢の左岸にフィックスロープを目にするが、一般登山者のためのものであろうか。一般登山道とすれば厳しいルートである。
 事前に登山情報を調べたが、一般登山道として紹介されているのを見たことはなく、今回遡行終了後に下山道に使用する目論見は現実的でないことを悟った。
 一般登山者も、井原山自然歩道が整備されているので、井原山への登山をされるのであればそちらを利用されるであろう。
水流に苦戦する
平凡な谷を行く
森林浴
 左岸の枝沢に見事な滝が現れたところで小休止する。
 各自足ごしらえを整えなおして、行動食を頬張る。地形図を確認すると終了点までのほぼ中間点である。少し先を急ぐ必要がある。
 歩き出してしばらくすると二俣分岐に到着。止まらずそのまま進む。
 すぐに7メートルの二段の滝が現れるが、水量が多いので直登は難しく、時間もかかると判断し、左岸の登山道を利用して高巻くことにする。フィックスロープが残置されているが利用せずに登る。
登山道を利用して滝を高巻く
 この後も3~4メートル程度の小滝が適度な感覚で連続するが、ザイルを使うほどではない。
小さな滝は構わずフリーで越えていく
 12時20分、7メートルのF19に到着。
 左岸には一般登山者用であろうかロープがフィックスされているが、折角なので、ザイルを出して滝を直登することにする。
 水量が多いので、シャワーを避けるように滝の右寄りを登る。後続をエイト環でビレイしたが、キンク気味でザイルの流れが悪いため途中からムンターに変える。
 慣れていることもあるが、沢登りでセカンドをビレイするのはムンターがベストだと実感する。
     
F20は全員フリーで越える
 ここを抜けると5メートルの斜滝F20だが、全員フリーで越える。
 なおもすすむと沢は二俣となり、左俣に最後の2メートルの滝が現れる。少しずつ谷の傾斜が増してきて、水量が一気に減少して滑床になるといくつもの分岐と出あう。
 ケルンに導かれるように右俣、左俣と進むと水も涸れ、最後の急登になる。残置されているフィックスロープには頼らずに登りきると藪漕ぎすることもなくササの茂った縦走路に抜けることができた。
 ここで男性メンバーは沢靴からズックに履き替える。
 女性メンバーは全員沢靴のまま縦走するのだが、この判断の違いがこの後ダルメキ谷を下る際の明暗を分けることになる。

 30分で井原山に到着。頂上には青空が広がっていた。
 360℃の展望を満喫した後井原山自然歩道からダルメキ谷を下降する。

 途中何度も沢を渡渉するのだが、沢が増水していたため、男性メンバーは濡らさない努力も空しく全員ズックを濡らし、女性は沢靴で大胆に沢を渡渉し、最後まで水遊びを楽しんだのだった。
増水した沢を渡渉する
     
 16時に奇徳橋駐車場に到着。
 朝あれほどにぎやかだった駐車場もハイカーの姿は見当たらず、駐車している車も二台だけになっていた。
 洗谷は、苔が目立つ緑豊かな谷であった。
 今回台風一過で増水していたが、ザイルなしでも登れる手ごろな滝が適度に連続し、飽きさせない。遡行の難易度も高くなく、初級者でも楽しめる手ごろなルートだと思う。
 九州の沢は、高速道路を利用すれば時間的には山口県境周辺の中国山地に点在する沢と同じくらいのアプローチである。
 特にこの洗谷は高速道路を下りてから近いこともあり、とりわけ交通の便が良いことも魅力の一つだと感じた。
 
トラック図:洗谷の軌跡が飛んでいる部分がありますが、
GPSをザックの下の方に入れていたためです。この部分の軌跡は差し引いてご覧ください。
( 文、トラック図:江本・ 写真:井之上、江本 )
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