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甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳 縦走
山行日  2015年9月27日(日)~9月30日(水)
メンバー  福山 清二
行 程  9月27日(厚狭~尾白川渓谷駐車場) :天候 曇のち晴
 厚狭7:17~名古屋~塩尻~韮崎14:54、韮崎16:45<バス>道の駅・はくしゅう17:18、
(夕食)18:00~尾白川渓谷駐車場19:00(テント泊)

 9月28日(竹宇駒ヶ岳神社~七丈小屋キャンプ場) :天候 晴
 竹宇駒ヶ岳神社4:40~笹の平分岐7:30~刀利天狗11:05~五合目12:30~
七丈小屋13:30~七丈小屋キャンプ場13:45(テント泊)

 9月29日(七丈小屋キャンプ場~馬ノ背ヒュッテ) :天候 晴
 七丈小屋キャンプ場4:00~八合目御来迎場5:20~甲斐駒ヶ岳頂上7:45~
駒津峰10:00~北沢峠12:45(昼食)13:15~馬ノ背ヒュッテ16:40(小屋泊)

 9月30日(馬ノ背ヒュッテ~厚狭) :天候 晴
 馬ノ背ヒュッテ3:30~仙丈小屋5:10~仙丈ヶ岳5:45~小仙丈ヶ岳7:15~
大滝ノ頭8:50~北沢峠10:40、北沢峠11:15<バス>広河原11:40
広河原12:00<バス>甲府13:50、甲府14:31~名古屋~厚狭21:49
 20年前に家族4人で北岳登山をした際に、そそり立つ甲斐駒ヶ岳と穏やかな仙丈ヶ岳の姿を見て、是非登りたいと思っていた。
 しかし、往復の時間等を考えると南アルプスは後回しになり、多くの年月が経過してしまっていた。
 ところが昨年、上高地から槍ヶ岳、続いて西鎌尾根から裏銀座、烏帽子小屋からブナ立尾根を下り高瀬ダムまで縦走したが、険しかった烏帽子岳のブナ立尾根が日本三大急登で、他の二つの急登は甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、谷川岳西黒尾根と知った。
 そこで今回、念願だった甲斐駒ヶ岳に黒戸尾根から登り、北沢峠を経て仙丈ヶ岳への縦走を計画、充実した山旅が出来た。
 今回の縦走は日本三大急登で標高差も大きいので、ザック重量を抑えようと努めたが水を3ℓ持つと約19kgになってしまった。
 27日の早朝に新幹線で厚狭駅を出発、4回乗換、特急あずさ、で韮崎駅に到着した。
 韮崎からはバスに乗り、道の駅“はくしゅう”で下車。食堂は18時終了なので到着後直行して夕食を済ませた。
 道の駅も立派だったが、同じ敷地に建つスーパーは規模も大きくて20時までの営業なのでパン・おにぎり、ラーメン用のネギなど安心して調達出来た。
 道の駅からは緩やかな登りのアスファルト道路、満月の下、約1時間かけて尾白川渓谷駐車場まで歩いた。キャンプ場は受付終了だったので、すぐ傍の竹宇駒ヶ岳神社脇の清流を汲み約300m戻って駐車場脇でテント泊。
 28日は4:40に出発、竹宇駒ヶ岳神社、裏の吊橋を渡ってからは登りの連続、しかし急登ではなく適度な傾斜で歩きやすい。
 クヌギやコナラの林が続き枯死した樹木や岩が苔やキノコに覆われた素晴らしい雰囲気の登山道をゆっくり進んだ。
 刃渡りで初めての下山者と出会った。前日、七丈キャンプ場泊で今朝、甲斐駒登山をしたそうで早朝が良いよと勧められた。
連続するハシゴ、上から撮影
 登山開始してから9人の男性が先に行ったがほとんどは小さなザックの日帰り登山、縦走は青年2人パーティ1組と60代半ばの単独女性だけだった。女性は大きな15kgのザックをものともしてなかった。
 大きなザックを担いだ縦走もだが770mの登山口から2,967mまで高度差2,200mを日帰りするとは凄い。登りのコースタイムは9時間10分だが身軽そうな青年に聞くと3時間予定とのことだった。
 ハシゴやクサリ場が続くがしっかりと整備されているので怖さはない。
 五合目から更に厳しいハシゴ等が続くも1時間で七丈小屋に到着した。
 宿泊届を書き600円支払ったが管理人さんは「水はそこから汲んで」だけで領収書どころか、どこがトイレかテント場かの説明もない。
 少し上がった所とは調べていたが急なハシゴを上り相当な傾斜の登山道を5分ばかり登ったところにテント場はあった。
 先客は2張の3人、真砂土で石や木は無かったがペグが備えてあり、前に鳳凰山、その向こうに富士山の一部も見え、夜になると綺麗な星空、遠くに市街地の明かりも見えた。
 29日は八合目でご来光を見るため4時に出発した。
 時折、クサリを利用しなければ上がれない岩があった。
 ハシゴは垂直でも長くても一歩一歩上がれるが1mであっても全ての重量をクサリで持ち上げるには腕力がいる。体重にザック、更に靴や衣類、ストックなど約80kgを引き上げながら頂上を目指した。
 八合目御来迎場でご来光、鳳凰山の向こうに富士山と絶好の場所だった。花崗岩のざらけた岩道を進むと急峻な摩利支天峰その向こうに北岳、しばらくして三本剣、更に進むと駒ヶ岳本社の石祠が立ち頂上の祠も見えた。
 午後から登る仙丈ヶ岳、その左に北岳、更に左に鳳凰三山、その向こうに富士山、右には鋸岳、その右には八ヶ岳が連なっていた。
八合目御来迎場でのご来光、右は富士山と鳳凰三山
クサリが頼りの岩も
九合目の岩に三本剣
九合目から頂上付近を望む
甲斐駒ヶ岳頂上
 直ぐに下山したが花崗岩の小石はざらざら滑るので慎重に下降、双児山からの駒津峰・甲斐駒ヶ岳の眺めは紅葉期でもあり一段と美しく感じた。
双児山から紅葉の駒津峰・甲斐駒ヶ岳
 北沢峠に下山して、「こもれび山荘」の衛星電話で仙丈ヶ岳の馬ノ背ヒュッテに今晩の宿泊を予約、山菜うどんの昼食後、水を1ℓ補給して大平山荘前を経て藪沢・重幸新道を急いだ。
 ここでも軽装の60代半ばの単独女性に先を越された。
 登山道の最初は大きな木々の中を登ったが、ほとんどが沢伝いの急登なので高度は稼げた。
 昨日1,700m登り、今日は2,400mの七丈小屋から2,967mの甲斐駒ヶ岳を越えて2,000mの北沢峠まで下山し、再び2,640mの馬ノ背ヒュッテまでの行程は大変だったが快調だった。
 しかし、夕食時間になるのに到着しないのでヒュッテの従業員には心配をかけてしまった感じだが、「やはり七丈からの縦走だった」との会話を聞き、到着後直ぐの17時からの夕食を他の宿泊者と一緒に摂れて嬉しかった。
 30日は3:30発の予定なので就寝前にザック内を整理、早朝の朝食、バス乗車時の着替え等々の準備をして就寝、2:30に起床して予定通り3:30に馬ノ背ヒュッテを出発した。
 気温は0度、星や市街地の灯りが綺麗だった。
 仙丈小屋には明かりがつき、多数の風車が強風で回転していた。
 少し進むと日の出を感じてきた、急いだがわずかに日の出の瞬間には間に合わなかった。仙丈小屋泊で頂上に登られていた方に写真を撮ってもらった。
     
仙丈ヶ岳頂上、中央アルプスに仙丈ヶ岳の影
 小仙丈ヶ岳方面に進んで頂上付近を振り返ると10人程度の人がいて、まん丸のお月様が頭上にある風景が見えた。一方、稜線伝いの登山道は天気が良いのに強風で歩きにくく、時には吹き飛ばされそうにもなった。しかし、右側は日本一の富士山、二番目の北岳、三番目の間ノ岳の連続を一望し、左側遠くに中央アルプス、御嶽山、北アルプスの山々、槍ヶ岳も確認出来た。
小仙丈ヶ岳からは小仙丈カールの素晴らしさが一番感じられるところ、遠くだが富士山もほぼ全景が見える場所、甲斐駒ヶ岳の全景も眺められた。
     
仙丈ヶ岳とカール
 十分に堪能し下山を続けた。
 特に危険箇所はないが急傾斜の連続で急ぐのは危険で、頂上からの1,000mの下降は距離も長く感じたが予定通り下山して北沢峠11時15分発のバスに乗り、帰宅することが出来た。
 まとめ

 天候に恵まれ日本三大急登の二つ目を楽しく体験出来た。ザック重量をもっと抑え、時間の余裕も考えて当分、安全登山を楽しみたいと改めて思った。
( 文・写真 福山 )
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