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二ノ原谷(太田川水系)
山行日  平成28年6月11日(土)
天 候  曇り時々雨
メンバー  池本、内田
行 程  山口IC~吉和IC~十方山登山口7:40~二ノ原橋7:55~入渓8:05~F28:10~F59:10~
F1210:10~二俣10:25~小休止~登山道11:10~小休止~十方山山頂11:45~
十方山登山口13:00~吉和IC~山口IC
 天気予報では、土曜日は梅雨の合間の晴れマークがつき、気温も上がりそう。とはいえ、まだ泳ぐ気にはならないので、十方山の二ノ原谷に行くことにする。記憶によれば、ほとんど水に浸かることはなかったはずだ。

 現地に向かう道中、何度か雨雲に遭遇したが、どうも天気は不安定なようだ。吉和ICを降りてからも道路は濡れている。
 十方山登山口に駐車して、空模様を気にしながら、二ノ原谷まで歩く。二ノ原橋で準備をしてから入渓。さすがに水量はやや多いか。
F1の奥に二段の滝F2が控える
 入渓すぐのF1を越えると、その後ろにF2二段の滝が立ちはだかっている。
 ここでロープを出して登攀開始。身体が温まっていないので慎重に登るが、下段はリングボルトやハーケンが打たれていることもあり、それほど難しくはない。
F2下段は水流の左側を登った
 問題は上段の斜滝だ。登るとすれば水流の右側の岩だが、ホールドスタンスが乏しく、ライン上には支点がとれない。つる状の木にとった下段最後の支点にも不安が残る。
 悩んだ末、小さな突起状の岩に無理矢理スリングをかけ、アブミで越えようとしたが、その途端、岩が欠けて支点が崩壊。体勢を崩すことはなかったので、下に落ちることはないものの、冷や汗が出た。
 仕切り直して、改めて水流の左側も探ってみるが、こちらも支点がとれない。結局、上段だけで20分以上を費やしたが、可能性が見出せないため、テラスから右岸を巻こうと、池本に上がってきてもらうことにした。
 ところが、下段を登ってきた池本がトライしてみると言う。その度胸に驚くが、無理しないようにと伝えて、緊張しながらビレイに入った。
 しばらく岩の様子を見ていた池本は、意を決してじわりと登っていく。「落ちるなよ、落ちるなよ」と見守るしかない中で、渾身のクライミング。池本が見事に上段を登り切った。
 内田がフォローで続くが、やはりトップとは怖さが違う。さすがベテラン池本。突破しようという気持ちに差が出るのだと痛感した。
核心となったF2上段
F2を落ち口から見たところ
 F2を過ぎ、いくつかの小滝を越えて本流を進むと、F5斜滝20mと出会う。傾斜は緩いが、水流の中を進むのは難しそう。
 ここは右岸のブッシュ沿いをカムで支点をとりながら進み、結局、最後は水芯に入りシャワーとなって落ち口を抜ける。水量は多めだが、ホールドは豊富なので問題なかった。
F5斜滝
 その後はF12まで小滝が連続して飽きさせない。中にはボルダーチックなものもあって楽しめる。ただし、釜がないので、落ちないように注意が必要。ハイステップやステミングで越えていく。
F8?ムーブが面白い
F9?ステミングの後の抜け口が苦労した
 気が付けば、目の前にF12が現れる。池本に聞くと、ロープは不要と言うので、フリーで登った。標高が上がってきたせいか、水が冷たくなった気がする。冷えてきた身体を濡らしながら、慎重に越える。
F12を越える池本
 F12の上にすぐF13があり、それを越えると滑滝が続く。
 滑滝を過ぎると二俣となったので、ここで小休止。地図で現在地を確認すると、860m付近の分岐か。後は左へ左へと進めば、登山道に出るはず。
 しばらく沢の中を進み、源流域の雰囲気となったあたりで、左の尾根に取り付いた。傾斜はあるものの、藪はそれほどでもない。間もなく無事に登山道に出た。
 小休止した後、時間があるので、十方山山頂へ足を延ばしてみる。ところが山頂は見事なガスの中。写真を撮った後、腰を下ろすことなく一気に下山した。
トラック図
 二ノ原谷はコンパクトにまとまった良い沢だと思う。登山道に出るまで、思ったほどの藪漕ぎがないのもポイントが高い。ただ、後からトラック図を確認してみると、860m付近の分岐を右に進んでしまっていた。
 考えていたルートを誤ったことは今後の反省点としたい。
( 文・写真:内田 )
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