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三段峡本流下部 龍ノ口(太田川水系)
日 時  平成28年7月24日(日)
天 候  曇り
メンバー  池本、内田
行 程  山口IC~戸河内IC~三段峡駐車場~入渓8:00~8:10龍ノ口9:30~ぐるの瀬10:15~
二谷出合10:45~黒淵渡し船乗り場11:15~小休止~遊歩道~
二谷出合から再び入渓11:45~ぐるの瀬~龍ノ口~三段峡駐車場12:40~戸河内IC~山口IC
 ようやく中国地方でも梅雨明けし、いよいよ泳ぎの沢の季節となった。
 梅雨明け以降、雨が降っておらず、さすがに水量は落ち着いてきたはず。せっかくなので本流系に行きたい。
 目指すは三段峡本流下部。昨年に続き、今回も龍ノ口を突破することができるだろうか。(今回の報告では、龍ノ口の漢字表記は地理院地図に従った。)
 いつものように赤い橋を越えてから入渓。時間が早いせいか、観光客は誰もいない。
 いきなりの泳ぎで右岸に渡るが、岸辺には何やら不思議なオブジェがぶら下がっていた。
不思議なオブジェ
 さらに泳ぎを交えて先へと進み、右岸から姉妹滝が現れると、龍ノ口が見えてくる。相変わらずの瀑流で、滝自体に人を寄せ付けない意思があるかのようだ。もちろん、ここまで来て帰る訳にはいかないので、淵を泳いで、いざ龍ノ口へ。手前にあったはずの河原はなくなっていた。
龍ノ口が見えてきた
 龍ノ口左岸スラブ手前の水中に安定して立てる岩があり、そこでひとまず作戦会議。
 近くで観察すると、滝から吐き出される水の流れは昨年より激しい気がする。気を引き締め直して、いよいよ攻略開始だ。この泡立つ激流にも臆せず、池本は果敢に泳ぎでトライする。
果敢に泳ぐ池本
 昨年の経験から左岸際の立ち込める岩の場所は分かっているのだが、池本のパワーをもってしても、あともう少しのところで水流に押されて辿りつけない。
 他に方法が思いつかないので、結局、昨年のやり方を試みることにした。
 苦労してスラブに取付き、先へと進んだところから激流の中へダイブ。何とか水中の岩に立ちこみ、カムで攻略拠点を作ることに成功した。間近で見る龍ノ口は言葉で表現できないほどの迫力だ。
荒れ狂う龍ノ口
 そこから再び池本が泳ぎで突っ込むが、やはり激流に阻まれ、前に進めない。
 仕方がないので、ここでも昨年と同じくハンマーを投げることにする。なかなか思ったところに投げられないが、何度もトライするうちに手ごたえあり。ハンマーが落ち口の向こう右岸側に決まったので、ロープを辿って無事に龍ノ口を突破することができた。
 確保されていても、万一、水流に押し流されたらと思うと、落ち口を抜けるときは肝を冷やした。
ロープがあっても身体が押し流されそうになる
 龍ノ口を越えたところも水流が強いため、流されないよう慎重に渡渉し、すぐ上の滝は左岸側を越えた。
 その後も所々に立ちふさがる白く泡立つ激流を越えながら、淵は泳ぎで進んでいく。途中のぐるの瀬には倒木がかかり、簡単に越えることができた。
倒木のかかったぐるの瀬
流れに逆らって泳ぐ
 すべりやすい石に足を取られることに消耗し、流れに逆らって泳ぐことに疲れた頃、ようやく黒淵渡し船乗り場に到着。
 完全装備の我々に観光客の視線が突き刺さる。渡し船が出ているときは、黒淵に入らない方が良いとのことだが、遊歩道が通行止めになっていることもあり、ここで遡行を終了することにした。
白く泡立つ激流の中に飛び込む
遊歩道は通行止めになっていた
 小休止の後、しばらく遊歩道を歩いてから、二谷出合から再度の入渓。あとは水の流れに身体を任せて、激流下りを楽しむ。強い流れに抗えず、身体のコントロールを失いながら、何度も四肢を岩にぶつけてしまった。痛い思いをしながら、下りもヘトヘトになって、三段峡入り口まで戻った。
 後日、昨年の写真と見比べると、龍ノ口から流れる水量自体は前回より多いものの、龍ノ口までの水位については今回の方が低いようだ。一方、龍ノ口から上は、今回の方が水位は高いように見える。龍ノ口までの水位については、下流の柴木川ダムの貯水量と関係しているのかもしれない。
 いずれにせよ、西中国山地で、これだけの激流を味わえる沢はそうそうないだろう。今回も運よく龍ノ口を突破することができたが、ひょっとすると他の攻略方法の可能性もあるのかもしれない。今後も三浦さんのように何度でもチャレンジしたいと思う。
( 文・写真:内田 )
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