へのリンク
断魚渓(江の川水系)
日 時  平成28年8月21日(日)
天 候  晴れ
メンバー  池本、内田
行 程  山口~中国自動車道・浜田道~大朝IC~国道261号~断魚渓駐車場8:30~
眺橋8:50~入渓8:55~神楽淵~千畳敷~嫁ヶ淵~出渓10:55~駐車場11:10~
国道261号~国道9号~山口
 「西中国山地の沢」の中に、江の川水系の沢が一つだけ載っている。その名も断魚渓。
 中級者対象の激流泳ぎとのこと。以前から気になっていたが、水量も少ないこの時期、行ってみることにした。
 浜田道の大朝ICから国道261号を経て、断魚渓駐車場に到着。車は一台もない。準備をしてから出発。
 遊歩道を降りた橋から目をやれば、「楯巌(たてかがら)」と呼ばれる岸壁の下に断魚渓が続いており、素晴らしい光景が広がっている。
橋からの光景
 公園から入渓。
 まずは神楽淵を泳いで最初の滝に取り付く。はっきり言って水質は良くない。そして、最近の渇水のせいかなのか、元々なのか分からないが、とにかく岩がぬめる。我々が履いていたラバーソールとの相性は最悪だ。
 水流に削られた滑らかな岩肌にはホールドが少なく、汚い藻(苔?)が表面を覆っている箇所もあり、手足がツルツルとすべり最後まで苦労した。
滑って登れない
 それでも覚悟を決めて水の中を進む。
 沢は岩盤の間を流れる細い水路状となっており、上から見たのでは分からないが、思った以上に深い。
 今回、水量は少ないはずだが、それでも水の流れはかなり強く、足が底に届かない箇所もあるので、少し進むのにも時間がかかる。
この沢ではつっぱりを多用した
 大きな滝はないが、水流が強く、手足が滑るため、ちょっとした滝や段差が難しい。一手一手に意識を集中させ、全身を使って越えた。
水路の中の段差をバックアンドフットで越える池本
 千畳敷の後半、二つの淵の奥に連続する滝が現れる。
 右岸は垂直に立った壁で、左岸は丸っこいツルツルの岩。二つの淵の間は短い水路となっており、チョックストーンによる小さな段差がある。
 水路から吐き出される流れに抗い、苦労して段差を越えるが、奥の淵では水流が強くとても滝までたどり着けない。
 何度かトライするも、同じ場所に留まっているだけで消耗するため、結局、ショルダーで左岸に上がり、少し戻ってから奥の連続する滝を巻いた。
手前の淵を泳いで水路の中の段差に取り付く
奥の淵を泳ぐ池本
 千畳敷が終わると平凡な河原の後に、すぐに淵となる。それを泳いで越えると、開けた空間の先に高さ1~2mほどの滝が現れた。
 真ん中の岩の両側から重量感のある水が落ち込んでいる。右側にはスタンスがないので、左側から取り付くが、滝前を横切る際に、激流の巻き込みに身体が押さえつけられ、少し焦ってしまった。水流を受けると吹き飛ばされるため、流芯を避けて左から越えた。
流芯に入らないように
 そこからは廊下状となった長い淵が続く。
 疲れを知らずに先へ泳ぐ池本の後を追うと、突然、周囲が暗くなり、水瓶のような空間の中に入り込んでいた。
 窓のような出口には飛沫を上げる段差の滝が連続し、水瓶の底は渦巻く水で満たされている。
 池本が飛び込むが、かなり深い。右岸側から泳いで流れを横切って左岸側の岩へ上がり込み、つるつるの岩を腹這いになって越えた。
岸壁に囲まれた空間に滝が現れる
 そこからは廊下が細くなるため、流れの中に入らなければ、先へ進めない。ただし、細くなった廊下に水流が集中しているため、安易に飛び込むと、下の渦巻きまで押し流されてしまうだろう。
 無事に突破できるかどうか不安がよぎるが、ここは池本が覚悟を決めてジャンプ。上手い具合に激流を避けて、水面下の岩の上に立つことに成功した。こんな時、池本は本当に頼りになる。
 残すは最後の滝のみ。流芯に入らないよう、細心の注意を払って越える。水瓶の空間以降、逃げ場がないので、緊張の連続だ。無事に廊下を出た時、思わず池本と握手を交わす。
 後は平凡な河原となるため、遊歩道で駐車場へ戻った。
最後の滝
 遡行時間は2時間と短いが、難易度はかなり高い。
 渇水時である今回ですら、全てを突破することはできなかった。また、名勝に指定されているだけあり、岩の形状も文句なしに面白い。ただ、惜しむらくはやはり水質に難ありか。難易度はあがるだろうが、シーズン初めなら、まだマシなのかもしれない。
 ライフジャケットは着用した方が良かった。
( 文・写真:内田 )
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu