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向半四郎山~広見山縦走(敗退)
日時  平成29年2月11日(土)
天 候  曇り時々雪
メンバー  内田・林
行 程  駐車場07:30~向半四郎山取り付き8:30~標高1060m地点13:50引き返し~取り付き15:30
~駐車場16:40
 大山の予定だったが、幸か不幸か大雪のため大山を中止し、気持ちの良い縦走路として教えてもらった向半四郎山~広見山の縦走へ行くことに。
 当初、5時半に山口を出発の予定だったが、内田さんより「大雪で移動に時間がかかる恐れがある」ということで4時半出発に。これが大正解で道路にも雪が多く、意外と移動に時間がかかってしまい駐車場についたのは7時半だった。
 道路を歩いて、高架橋より向半四郎山へと続く林道へ降りる。
 林道から早速膝辺りのラッセルが続き、こんな所で時間はかけられないと早速ワカンを装着し、表匹見峡を左手に見ながら50分程ラッセルをして取り付きに到着。
高架橋を降りる
林道もラッセル
 林道を離れ取り付きからは一段と雪が深くなり、腰までのラッセルとなる。縦走をするためには、最低でも11時には向半四郎山へ到着して、それから判断しようと最初に決めていたが、「これは無理そうだな」と早速不安になってしまった。
取り付きでも一苦労
 樹林帯に入ると、ヤブの中をモンキークライミングで進み、ヤブを抜け傾斜がなだらかな場所へ出た。標高616mのピークである。
 向半四郎山のピークはまだまだ先で地図を見てゲンナリしてしまう。時間はまだあるが、恐らく縦走は無理でも、せめて向半四郎山のピークには行きたいと密かに思う。
 地形的にも難しい形をしており、所々尾根を間違えそうなところでは立ち止まり地図で確認する。標高616mのピークから先の尾根は、殆どすべて腰までのラッセルで、ちょっとした斜面でも一歩一歩が一苦労である。所によっては胸までのラッセルでステップを刻みながら登る。
 遂に縦走のタイムリミットである11時になってしまったが、向半四郎山ピークはまだまだ遥か先。とにかくピークにだけでも行こうと、更にタイムリミットを13時とし、黙々とラッセルを交代しながら進む。
 景色が変わらず、ただただ雪の深い山の中をラッセルし、騙し騙し登っていた足がついに攣ってしまった。ちょっと休めば大丈夫と、少し休んで再びラッセル。
 ラッセルは技術だと感じながら、足に負担がかかり過ぎないように足を前に出そうとするが、その度に足が攣りそうになるのを堪えた。
ラッセルが続く
景色も変わることなく・・
 遂に13時となってしまったが、やはりまだピークは踏めていない。これまでに1時間で進んだ距離と稼いだ標高と、現在地から頂上までの距離と標高を鑑みて、内田さんが素早く計算し、「あと1時間だけ進んでみよう、これまでの速度なら行けるかもしれない。行けなければスッパリと諦める」という事でさらにタイムリミットを14時とした。
 そして、これまで100歩毎でラッセルを交代していたが、それを50歩にして速度重視で進むことに。

 雪は無慈悲にも、浅くなるどころか深くなるばかりである。傾斜もきつい。これまでの行程で最もキツイ登りである。
 黙々と進むが、山頂手前のピークの辺りで「これ以上進んでも時間内には登れそうにない」と内田さん。僕も地図を見ながら「確かにそうですね、残念ですが諦めますか」と、撤退を決断。
 山頂まで距離にして約200mの地点だった。
残念ながら撤退
 しかし撤退して大正解。トレースを頼りに下るが、雪が降り続けた訳でも無いにも関わらず場所によっては既に消えかかっている場所もあった。恐らく、時折吹く風の影響だろう。
 この向半四郎山は尾根が複雑に絡み合っており、登りはまだ良いが下山が難しそうだという事で、今回縦走の往路にした。今回は大丈夫だったが、トレースが想像以上に消えており、更に天候悪化による視界不良などが合わさると、下山で時間が掛かってしまい、最悪ビバークの可能性もあったと思う。
 実際には、トレースを頼りに1時間半程で下れたので良かった。あれほど苦労した登りも下りはあっという間だ。

 山の中ではほとんど気が付かなかったが、下界はよく雪が降っていたようで、帰りの林道のトレースもほとんどなく、ラッセルが続きゲンナリ。更に食料の選択もミスってしまい、僕は帰りにストックが握れなくなるほどシャリバテになっていた。
 帰りの林道ラッセルがかなりきつく感じた。
帰りもラッセル
ようやく解放される
 駐車場に到着。車にはやはり15cm程の積雪。
 本来の目的である縦走どころか、一つ目のピークさえ踏めなかった事に苛立つ、、、なんて事は無く、よくも時間一杯まであのラッセルを黙々とやれたものだと充実感と達成感で一杯だった。
 今回で言えば、縦走を達成、もしくは達成に近い形にするには、ワカンよりも浮力が大きいスノーシューやスキーが有効だったかもしれない。また大雪が降った時にはそれらの道具でチャレンジしたいと思った。
車は埋もれていた
( 文:林  写真:内田、林 )
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