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針ノ木大雪渓、黒部湖・立山・剱岳 大展望の旅 ②
日 時  2017年7月15日(土)~18日(火)
山 域  針ノ木岳・スバリ岳・赤沢岳・鳴沢岳・岩小屋沢岳
天 候  7月17日 曇のち晴れ、 7月18日 雨のち晴れ
メンバー  福山 清二
行 程  < 7月17日(月・祝)>
 針ノ木小屋(4:20)~針ノ木岳(5:35)~スバリ岳(6:35)~赤沢岳(8:20)~
鳴沢岳(10:25)~新越山荘(11:00・昼食)~岩小屋沢岳(12:30)~
種池山荘(14:00)(泊)

 <7月18日(火)>
 種池山荘(6:20)~ケルン(7:50)~爺ヶ岳登山口(8:50)~
扇沢駅(9:05~9:30)~信濃大町(10:05~11:33)~松本(12:53)~
名古屋(15:09)~厚狭(19:00)
 予報は早朝から晴れとなっていたが、朝方まで大雨だった。晴れならヘッドランプで出発して頂上でご来光を迎える予定でいたが、直前まで雨が降り、なかなか厳しい雪渓も度々あるらしいので、夜明けを待って出発した。 
 登山路は小屋裏のテント場の中を抜けていたがテント場の一部には雪があり、一昨日に雪上テント泊をした跡がいくつも残っていた。
 少し登ると明るくなったので振り向くと霧の向こうからご来光が現れた。目の前の堂々とした蓮華岳も早朝の美しさで輝いていた。期待してなかっただけに大感激。
ご来光、右は蓮華岳
 撮影している内に青年3人のパーティが先に行った。
 針ノ木岳までは距離こそ短いものの結構緊張する雪渓が幾度もあったが、近くに登山者が居ることで安心感があった。頂上などの撮影ポイントではお互いに撮影しあった。
針ノ木岳登山路では厳しい雪渓が度々
 霧の中を進んで行くと時折霧が晴れて瞬間的に見渡せる様になった。右下方の緑の中に相当広大な白い建物群が見えた。何だろうと気にしながら進んだがその内に扇沢駅だと分かった。
 更に進むと突然霧が晴れて左側のはるか下方に神秘的な黒部湖が現れた。
霧が晴れると眼前に黒部湖
 浮き浮きした気分で更に進むと程なく赤沢岳に到着した。雪渓を抱えた立派な山系が所どころ見えるものの霧が濃くて全体は見えない。しばらく待つと正面に立山、やや右に剱岳の雄大な絶景が現れた。
 その右にはこれから縦走する峰々が続き、大雪渓側からは濃い霧が上っていた。遠くに五竜岳、鹿島槍も覗けた。改めて地図で確認したら赤沢岳から雄山までの距離は約7km、剱岳頂上までは約9kmの距離だった。雄山や剱岳が300mばかり高いものの、黒部湖や最深部2,000mの黒部渓谷を挟んで対峙しているのだ。
 快晴時と違って、霧に包まれたり、晴れたりの繰り返しでその大展望がどんどん変化するため同じ場所を何回も撮影するなどして、3人の青年、他のカップルが去った後もしばらく一人で絶景を堪能した。
赤沢岳から縦走路を望む。遠くに五龍・鹿島槍も覗く
赤沢岳から望む、雪渓豊かな立山・剱岳の絶景
 今秋は目の前に見える立山~剱岳~剱沢雪渓~仙人池~欅平を縦走する予定なので、剱岳大雪渓や、見えなくても仙人池がどのあたりかが気になり、写真を撮り続けながら歩いた。
 鳴沢岳の少し手前の約1,000m下を黒部アルペンルートのトンネルが通っている。
 赤沢岳から1時間で鳴沢岳に到着、撮ってもらった写真の背景には剱岳上部がバッチリ、こんな場所に来ることができた自分と天候に感謝。
鳴沢岳頂上にて、後方は剱岳
 鳴沢岳から少し進むと新越山荘が見えてきた。小さな雪渓を越えて11時に山荘に到着した。朝食は針ノ木小屋の出発前に弁当のむすびを食べただけなので昼食とした。
 少し早く到着していた青年3人も昼食を注文してビールを飲んでいる人もいた。ラーメンとカレーライスがあり、どちらも900円だったが種池小屋での夕食がカレーライスの可能性もあるのでラーメンにした。大きいチャーシューの入った濃厚な醤油ラーメンで凄くおいしく、塩分摂取の為にも一滴残らず頂いた。
 山岳警備員の方がおられたので爺ヶ岳登山について尋ねたら、「明日も天候は良いし往復2時間もかからないので朝食前にご来光を見て来たら。」と言われた。全体は晴れてきたが爺ヶ岳、鹿島槍方面だけには雲が多かったし日差しも強くなったので爺ヶ岳は明日の早朝とすることにした。
 新越山荘を出て岩小屋沢岳の途中から振り返ると昨日登った針ノ木雪渓、蓮華岳、今朝スタートした針ノ木峠、針ノ木岳、赤沢岳、鳴沢岳が望め、その右には立山、剱岳の山系が望めた。登山路のあちこちには小さな雪渓が幾つも残り雪解け水を避けながら爺ヶ岳の麓に建つ種池山荘に14時に到着した。
振り返ると大雪渓、針ノ木岳・赤沢岳・鳴沢岳、新越山荘
爺ヶ岳、手前に種池山荘
 到着してすぐ缶ビールを飲もうとしたら、なんと本物の生ビールを勧められたので中ジョッキを900円で頂いた。本当に美味かった。ビールを片手に山荘前の展望台で左から爺ヶ岳、信濃大町方面の市街地の遠望、蓮華岳、針ノ木岳等々の景観に見とれていたら隣にいた山岳警備員から正面の遠くに見えるのが大天井岳、蓮華岳と針ノ木岳の間、針ノ木峠の向こうに見えるのが水晶岳と教えて頂き改めて感激した。
 針ノ木小屋からずーと、前後して縦走して来た青年3人は扇沢に向けて下山するらしいので手を振って別れた。扇沢までは3時間、高度約1,000mの下り、早朝4時30分に出発したのに、若者達はすごいなーと思った。
 山荘前の展望台では、のんびりしながら鹿島槍方面からの下山者の方々とも話したがほとんどは扇沢に下山、テント泊が数人、小屋泊まりも20人足らずで夕食は8人のみだった。
 シーズンが始まったとはいえ3連休が終われば山荘泊は少なかった。そう言えば今日の針ノ木岳から種池山荘までの縦走者は3青年と私の4人のみ、逆方向の縦走者は7パーテイの12人位だった。
種池山荘から望む大雪渓、蓮華岳、針ノ木岳、中央に水晶岳
 最終日は爺ヶ岳でご来光の予定だったが夜半から大雨になり朝も止まなかったため残念ながら中止して下山する事になった。
 柏原新道は石で良く整備されていたが濡れていたので注意して下りた。ケルンまで下りて小休止したがコースタイムより相当早く下山出来た。爺ヶ岳登山口近くになってテレビカメラで撮影しながら登って来たNHK取材班と遭遇した。11月放送予定の花の百名山「蓮華岳」の取材とのことだった。
 扇沢駅9時半発のバスで10時過ぎに信濃大町駅着。3年前に上高地~槍ヶ岳~水晶岳~野口五郎岳を縦走した際にも利用させてもらった駅前旅館の風呂ですっきり、特上信州そばの昼食を駅で頂き19時には厚狭に帰着した。
 まとめ

 全国で豪雨の続く不安定な梅雨明け前だったが、行動中はほとんど雨に降られず、とりわけ大雪渓登山、翌日の縦走中は絶好の天気で素晴らしい景観に遭遇する事が出来た。
 小屋泊にしてザックを軽量化したため楽で安全な登山が出来、素晴らしい山旅が出来たことに心の底から感謝している。
( 文・写真  福山 )
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