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剱岳 八ツ峰縦走
山行日  平成29年10月5日~9日
メンバー  福間、城代(会員外)
天 候  6日曇り後雨みぞれ 7日雨  8、9日晴れ
行 程  5日 山口南IC(19:00)~立山駅駐車場(7:20)   
 6日 立山駅(7:40)~室堂(9:30)~剣沢キャンプ場(12:00)テント泊
 7日 テント場(終日)
 8日 テント場(5:30)~長次郎谷出合い(6:30)~5・6のコル(8:40)~
八ツ峰の頭(13:00)~長次郎の頭(15:00)~剣山頂(15:30)~剣沢キャンプ場(18:30)
 9日 テント場(6:30)~室堂(8:30)~立山駅(9:40)~帰路
 目 的:
 
剱岳が見たくなり、アラフォー女子2人で八ツ峰Ⅰ峰からのチャレンジ計画。
 四方から懸念の声が飛び交う中、またしても雨予報。しかも今回は初冠雪の可能性大。予想はしていたが、ダメ元で剣沢小屋まで向う事にした。
 内 容:
 6日
 剣沢キャンプ場に着くとみぞれが降りだす。幕営後、雪渓の情報を収集する。
 翌日は雨なので停滞することにした。当然、この時点で1峰からのアプローチは不可能となる。夜半から豪雨。
登山道情報案内
 7日
 日中も雨足は弱まらず、その気配すらない。だが雪にならなかったのは幸いだった。
 流石に翌日の行程を決めなければならない。ダラケついでに一般ルートに決定。
 8日
 未明、目が覚めると月明かりが眩しく空も空気も澄んでいる。出発直前にルート変更、5・6のコルから取り付く事にした。
 城代さんはいつもの様にアグレッシブだ。私は歩きながら気持ちを切り替える。簡単だった。
 剣沢に入ると源次郎取り付きには4,5パーティー、長次郎谷にも数パーティーいた。
 Ⅰ・Ⅱ峰ルンゼに到着し、暫く偵察する。シュルンドの高さは5m前後ある。内部は前日の雨で更に増水している。ルンゼに入る為の右岸は巻ける状態ではなかった。いや巻けるのかもしれないが、状況を見てルートがイメージ出来ない者にその資格はない。 ジャンプで取り付きに移るなど本末転倒である。
 行程が計画通りだったとしても、八ツ峰前半はカットした。
ⅠⅡルンゼの取り付き
シュルンド内部
 6峰を登り始めて20mの場所でいきなりトラブる。
 Ⅳ(-)が出た。あり得ない。下を見れば明瞭な踏み跡が見える。
 一本隣のルンゼに入った様だ。腐ったハーケンで懸垂下降するか、ガレ場のクライムダウンか(実際、登りで落石にぶち当たった)、片や登る気満々だ。結局、ロープ確保で10m登ったが、ここはもっと冷静に判断すべきだったと思う。
6峰クライミング
 その後はかなり慎重にルートファインディングをする。
 リッジなので外れようはないが、不安定な岩も多く、あえてそちらに進む必要はない。双方注意する様、何度か話した7峰の巻き道にも踏み込もうとしたが即修正。
 7峰から見る8峰は巨大で多少傾斜もでる。一見どこを登るか不明だが、必ずルートはあるし6峰の様なミスはしない自信もあった。基部に着くと明確なルンゼが見えた。
8峰
 基本的に、ピーク毎に懸垂用支点がある。
 今回、全て懸垂下降したが、全てでロープが絡まった。始めはこちらの非かと思ったが、ロープに癖があるようだ。サバきながら下りるくらいなら、クライムダウンの方が100倍安全だ。
 実際7、8峰以外クライムダウン可。八ツ峰の頭からもガレて危険との記録もあったので、ラスト懸垂を楽しもうとダブルロープにしたが、何度ロープを放置しようと思った事だろうか。借りておいて申し訳ないが本気でそう思った。
 ここも弱点を付けば45mクライムダウン可。

 5年前、チンネのアプローチ中に間違って登った池の谷の頭は、岩の崩壊からか正規のルートはグレードが上がっている様だ。北方稜線は終始その様に感じた。踏み跡も散乱し、昔あった印象的な岩がない。
剣岳山頂
 少し遅めだが15時半、本峰到着。
 道中、日没を迎えるだろう。だが本来ここは、どっぷり暗闇か若しくは辿り着けなかった場所なので、気持ちにはかなり余裕がある。
 別山尾根を下山中、他にも数パーティーいた。剣山荘からヘッデン歩行でベースの剣沢キャンプ場に戻った。
別山尾根の鎖場
余裕の日没
 9日
 気が付けば5時半。慌ててテン場を後にした。
 感 想:
 10月の年間を通して極悪の雪渓状態からⅠ・Ⅱ峰間ルンゼに入るという無謀さが指摘されたが、時々刻々と変わる雪渓は、当日激変するかも知れない。予測は付いても現地に入らなければ正確な情報は得られない。見て手に負えなければスルーだ。目の前にそびえるルンゼに向かって軽率な行動を取るつもりは更々なかった。
 今回潔く諦める事が出来たが、逆に8、9月は崩落しかけのスノーブリッジに乗ってしまう危険性が高くなる。どちらにしろ安易に1峰から取り付こうなどという考えはやめるべきだろう。しかし6峰からだと物足りなさは否めない。
 やはり剱岳は魅力的な山である。
近くて遠い八ツ峰前半
( 文・福間 写真・城代、福間 )
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