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市房山~二ツ岩の縦走
 
日 時  2018年6月16日(土)~17日(日)
天 候  曇り、雨
メンバー  石井、浅原、谷
行 程  【16日】
 16:00宇部発~18:20古賀SA~22:00市房山キャンプ場着、
 【17日】
 5:50市房山キャンプ場発~6:30市房神社~8:55市房山~11:50二ツ岩~14:20林道~15:02市房山キャンプ場~20:15古賀SA~21:30宇部着
 梅雨入りを迎えたころ、石井から市房山への誘いを受けた。市房山とは、九州山地の南に位置し、熊本県と宮崎県にまたがる標高1721mの山である。
 私は、福岡に住んでいるため、宇部山岳会の活動に参加することは少ないが、今回は九州の山ということで、この誘いを受けることにした。
 山行内容は、市房山~二ツ岩の縦走で、メンバーは私を含めた三名である。
 山行初日、仕事を終えた私は、集合場所の古賀SAへ向かい、宇部の二人と合流する。九州自動車道を通り、熊本方面へ。人吉ICを降り、近くのコンビニで、食料などを調達。さらに下道を約一時間走行し、市房山キャンプ場へは22時に到着した。
 キャンプ場でテントを張り、ビールとおつまみを手に明日の予定を話し合う。
 天気予報では午前から雨となっていた。山頂からの眺望を楽しみにしていたが、登頂まで天気は持ちそうになかった。テントの外は満天の空が広がっている。明日、雨が降ることなど微塵も感じさせない綺麗な空だった。
 翌日は5時に起床。
 朝食をとり、テントを片付けキャンプ場を後にする。登山口へは徒歩で向かい、5時50分に登山を開始した。
 10分ほど進んだ場所で巨大な杉の木が姿をみせる。その大きさに圧倒され、しばらく足を止めた。
平安杉
 この杉は「平安杉」と呼ばれ、市房山では幹周りが最大のものであった。
 市房山神宮の建立年が平安時代であったことから命名されたそうだ。平安杉の他にも様々な杉が立ち並び、どれも個性的で飽きることはなかった。時間が経つのも忘れて、山道を歩いていく。
 6時30分、市房神社に到着する。市房山の4合目にあたり、縁結びの神社として知られているが、今回は出会いではなく、登山安全を祈願した。
市房神社参拝
 市房神社を境に急な坂道が続いていく。標高が上がるにつれて、周りの景色はどんどん変化していった。
 気が付くと、杉の木は姿を消し、サルスベリが群生している。
「サルスベリ」の群生
 さらに上ると低木林に変わり、視界は次第に開けていった。
 9合目に差し掛かり、田園や町の風景を望むことができた。天気が山頂まで持つのではないかと期待を寄せるが、それもつかの間、すぐに辺りは雲に覆われていった。
 8時55分、市房山登頂。眺望を望むことは叶わなかったが、それを労うかのように霧吹き状の雨が降り出した。ひんやりとして気持ちがよかった。
9合目からの眺め
市房山登頂
 20分ほど休憩を取り、次の目的地へ向かう。
 二ツ岩への標識には『心見の橋(3分)』との文字が書かれていた。こんなところに橋があるのかとワクワクしてしまう。
 意気揚々と進んでいくが、橋のようなものは見当たらない。代わりにチョック・ストーンが視界に入ってきた。どうやらこれが「心見の橋」らしい。想像とは違っていたが、見事に挟まった岩を観て感激した。
 橋を渡るべきか悩んだが、雨風が強くなってきたので断念し、先を急いだ。
心見の橋
 高山植物を眺めながら、尾根上を進む。
 市房山とはまた違った景色で不思議な感覚になった。歩き始めて一時間が経過した頃、雨が本格的に降り出した。風も吹きだし視界は悪くなる。また、尾根は細く崩落箇所があり、市房山に比べて緊張する場面が多くあった。中でも二ツ岩頂上近くの岩場はかなり堪えた。
尾根を歩く
山頂付近の岩場
 雨で足元が滑り、なかなか越えることができない。傍らにロープはあるが、細く古い様子だったので、それを頼る気にはならなかった。極力使わないよう試みるが最後にバランスを崩し、ロープを握り込んでしまった。肝を冷やすが何とか越えることができた。それから、数分ほど歩き山頂へは11時50分に着いた。
 「二ツ岩」という名から、岩場を想定していたが、そこは平らな広場になっていた。景色が観えないのもあるが、山頂にいる感じはしない。雨は弱まったところで昼食をとり、12時15分に下山を開始した。
「二ツ岩」で2ショット
 第2縦走路を通り、キャンプ場を目指すが、土砂がむき出しになっており、足場の悪い尾根が続いた。迂回しなければならない所が何度もあり、ルートから逸れることもあった。
 無事、林道に出ることはできたが、急な上り下りを繰り返し、脚が棒のようになってしまった。石井は腰痛が発生し、悲鳴をあげている。
 キャンプ場までは林道を抜けて車道に入り、さらに歩く必要があった。休憩中、気が遠くなる思いのなか、「車をとってきます。」と声がした。振り向くと颯爽と林道を駆けていく浅原の姿がみえた。私はその無尽蔵の体力と迅速な行動に感服した。
 長い時間を掛けてようやく林道を抜ける。小道を歩き、遠くに白い車が見えた。おそらく浅原に違いないとは思うが、もしそうでない場合の精神的ダメージは計り知れない。私たちは、「あの車は絶対に違う!」と声に出し、期待値を下げながら車へ向かった。
 今回の山行では梅雨の時期にも関わらず、晴れ間の景色をいくらか望むことができた。山頂ではあいにくの雨であったが、次回の楽しみとっておきたいと思う。
(  文:谷 写真:石井、浅原 )
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