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奥足谷(錦川水系)
 
日 時  2018年8月18日(土)
天 候  晴れ
メンバー  内田、鹿野(会員外)
行 程  山口IC~六日市IC~金山谷集落~入渓8:00~奥足谷出合8:05~道路の橋の下の滝8:55~岩陰の滝9:35~最後の大滝10:00~登山道11:10~小五郎山山頂11:30~金山谷集落12:20~六日市IC~山口IC
 以前、計画していたが、大雨で中止となった小五郎山西面の奥足谷に行ってみることにした。三浦さんの本にも遡行図は掲載されておらず、どんな沢なのか楽しみだ。
 金山谷の空き地に車を停め、奥足谷に向かう。お盆を過ぎて朝の空気は肌寒いくらいだ。蛇ノ谷手前から深谷川に降りて、水量の少なくなった河原を下流に歩くと、蛇ノ谷を過ぎて、奥足谷の出合に着いた。深谷川からすぐに幅広の斜滝が聳えている。登るつもりで見ると、結構な高さがある。水量はかなり少ないのだろう。
奥足谷出合の滝
 とりあえず、左から中間のテラスまで上がり、ハーケンでビレイポイントを作る。そこからロープを出して、内田が登攀開始。見た目通り、ホールド・スタンスが乏しく、なかなか支点も取れない。水量が多いとさらに難易度は上がるだろう。ノロノロと右寄りの水流沿いを進み、そのまま落ち口に抜けた。途中、ハーケンとカムを使用した。
出合の滝を登る内田
 その上には滝が連続する。いずれもフリーで登れて気持ちが良い。次々と滝が現れるので、道路の橋まではあっという間だ。橋の下の滝は水流の中を行こうとするが、手がかりがなく難しい。上部は右岸に逃げた。
フリーで登れる滝が連続する
 橋を過ぎると間もなく両岸が狭まった空間に二条の滝が現れる。高さは6mほどだろうか。鹿野は左から取り付き、するすると越えた。取り付いてしまえば、ホールド・スタンスはしっかりある。
二条の滝を登る鹿野
 その後、沢は平凡になり、単調な登りが続く。しばらく進むと、岸壁が横に広がる空間に出くわした。まるで円形ホールの中にいるようだ。沢は左手の大きな岩陰から流れている。
 大きな岩陰の奥には水流が滝となって落ちている。ロープを出して鹿野が登ろうとするが、中間部まで進むと、足を置くだけで岩が崩れてしまう。とても登れたものではないので、ここは登攀中止して、左手から巻いた。足元をよく見ると、ガレ岩が散乱している。登攀前に気づくべきだった。
岩陰の滝
 次第に細くなる水流を辿り、5m幅広の滝(水が少ないので岩壁?)や両岸が狭まったC/Sを越えて進む。幅広の滝(岩壁?)を鹿野は縦に走るクラックを使って器用に抜けていた。
クラックを登る鹿野
 すると、突然、目の前に大きな壁が。中央から細くなった水流が落ちている。滝だ。そして大きい。見上げるようにして観察すると、中間部までは何とか行けそう。問題はその先だ。ここはロープを出して、鹿野が登攀開始。
最後の大滝
 右手から取り付き、トラバースして中央へ。細い水流に身体を濡らして、さらに左へ進む。下から見ても、その先からホールド・スタンスがなくなるのが分かる。ハーケンで支点を作った後、しばらく周囲を探っていたが、掘り起こしたホールドを使って、そこから見事に左上。会心のクライミングで大滝を越える。思わずビレイする手に力が入った。
会心のクライミング
 自分も続くが、がっちり効いたハーケンを回収するのに一苦労。すっかり腕をパンプさせてしまってから、核心へ進む。スタンスは乏しく、掘り起こしたホールドは泥まみれ。泥だらけの手でカチを拾って、さらに上部へ手を伸ばす。セカンドなので突っ込めるが、とてもリードで行ける気がしない。おまけに抜け口が悪かった。

 大滝を越えると、ほとんど水流はなくなり、源流域となる。そして、予想はしていたが、最後は藪漕ぎ。背丈はないものの、久々の笹藪にヘロヘロになって、登山道に飛び出した。鹿野とがっちりと握手を交わす。後は装備を解除し、小五郎山のピークを踏んで、金山谷登山道を下山した。
トラック図(奥足谷)
 奥足谷は、単調な区間があるものの、さすが小五郎山系の沢であり登攀的だ。出合から橋までの滝の連続も素晴らしい。ただし、全ての滝を登るのであれば、ハーケンが必要だと思う。今回、最後の大滝を登れたのは強力なパートナーのおかげだ。
(  文:内田、写真:内田・鹿野  )
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