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樹氷と氷瀑を探る九重の旅
 
 
 
日 時  2019年2月1日(金)~2日(土)
山 域  扇ヶ鼻、平治岳
天 気  2月1日 晴、 2月2日 晴
メンバー  福山 清二ほか 会員外2人
行 程  < 2月1日(金)>
 山陽小野田(21:00)~小月IC~椎田南IC~牧ノ戸峠駐車場(24:00) (テント泊)

 <2月2日(土)>
 牧ノ戸登山口(6:15)~沓掛山(7:00)~扇ヶ鼻分岐手前(7:40)~牧ノ戸登山口(9:00)~車で吉部駐車場~吉部登山口(10:00)~暮雨の滝(11:00)~吉部登山口(12:15)~山陽小野田(16:00)
 一面を樹氷で覆われた九重を体験したい、凍結した御池の氷上を歩きたい、法華院温泉とバンガロー泊も楽しみたいと数ヶ月も前から仲間を募り大寒に九重山系縦走を楽しんだ。完全凍結した御池の湖上歩きの念願は叶い、法華院温泉とバンガロー泊は楽しめたが、今年の九重は雪が無く、雪景色は皆無だった。もう今年はダメかと思っていたら、立春前に寒波が来る、九重の気温も相当低いし天候は2日間晴れが続くという予報が出た。
 今度こそ九重山系の樹氷と雪原を見ようと急に企画して先日の同行仲間に呼びかけた。すぐにok、2週間前に御池が完全凍結していたので“暮雨(くらぞめ)の滝”の氷瀑も期待出来そうと思って出かけた。
 今回は夜明け前に牧ノ戸峠からの登山開始なので前泊をテント泊にした。
 4時半に起きるとテント内は霜がびっしり、外の気温はマイナス6℃だった。
 テント内でラーメンと酵母パンの朝食を済ませて6時過ぎに登山口に行くと何組ものグループが既に登り始めていた。空が澄んで星空がとても綺麗だった。
   なんと三日月の右上に金星が明々と輝いていた。翌日の新聞で月と金星の大接近!との写真と見出しを見て、偶然ながら最高の場所で体験出来た事を嬉しく思った。
 
夜明け前、月と金星の大接近が
 キャップランプを付けた登山者、グループが多数で通常以上に多かった。日の出時刻までに簡単に到達できる見晴らしの良い場所、沓掛山までまず登った。
 東方向に1,700m峰が連なるため日の出時刻になっても、ご来光を見ることは出来ないが、夜明け前の陽射しを受けた峰々のシルエットは特別な美しさがある。山や空が次第に明るくなる様は、とても静かで美しく素晴らしい。
 三俣山、星生山、扇ヶ鼻などのシルエットが見れる沓掛山は絶好ポイントと感じた。
 
左が星生山、右が扇ヶ鼻その上空に月と金星も
 久住山などに向かう登山ルートは5cm程度の積雪でサラサラ状態、8本爪アイゼンを付けての歩きは非常に快調だった。しかし、雪を被った樹々は綺麗ではあったが寒風を受けて目を見張らせるような樹氷には遭遇しなかった。
 扇ヶ鼻分岐付近でまで進んだところで、休憩中のグループと少し話した。みなさん凍結した御池を楽しむそうで、別のグループにはスケート靴持参の人もいて多くの人が御池狙いの様だった。しかし、最近御池の氷が解けて落ちた人がいたと聞いて驚いた。この時期にあそこの池に落ちて衣類が濡れてしまったらそれこそ大変、重大事故でなかったらと願うばかりだ。2週間前は完全凍結だったが湖面にムラはあった。この間の気温上昇で一部解けたのかも知れない。
 
登山路の雪はサラサラ
 
扇ヶ鼻付近の雪景色
 今回の登山目的はもう一つ、雪原や冬景色は十分楽しめたので“暮雨(くらぞめ)の滝”の氷瀑を訪ねるため7時40分から下山を始めた。
 沓掛山が近くなったところで、朝日を受けて自分たちの影が登山路の雪面にくっきり映っていることに気づきカメラに収めた。ちょうど8時だった。
 
登山路の雪面に長い影、真中のピークは沓掛山
 沓掛山頂上付近では、早朝は雲海に埋もれていた阿蘇の根子岳・高岳が雲海から顔を出していた。そのまた遠くに外輪山らしい峰々も薄っすら望めた。
 
雲海から顔を出した根子岳・高岳ほか
 反対方向には、早朝は霧で見えなかった長者原が眼下に見え、遠望には雲海の上に由布岳の尖った西峰・東峰が望めた。牧ノ戸峠の向こうには地熱発電所からのモクモクと大きな水蒸気雲、涌蓋山も山頂付近の姿を現していた。
沓掛山から長者原方面、右遠方に由布岳もチラリ
 
 予定時間ぴったりの9時に牧ノ戸登山口に下山した。運転手以外はアイゼンを装着したまま乗車して吉部登山口に移動した。
 吉部には有料駐車場が2ヶ所並んでいる。手前が1日1,000円、更に100m先に1日300円(泊は500円)の駐車場があり、そこに駐車した。
 1,000円駐車場には管理人がいたが、300円駐車場には管理人室は開いていたが無人だった。ただし、小さなチャック袋と紙・鉛筆が備え付けてあり、ナンバーを記入した紙と300円をチャック袋に入れて瓶に入れる仕組みになっていた。1,000円の有人駐車場への駐車はゼロ、無人の300円駐車場には6台駐車していた。300円駐車場の簡単でかつ登山者の心理をつかんだシステムに感心しながら100m位歩き、吉部登山口に到着、牧ノ戸登山口に続き2回目の登山届を出してから登山を開始した。
 ここの登山口は平治岳登山の際に過去5~6回は利用したが、駐車場もトイレも十分ではなく、駐車料も掛かるためか地の利の割には登山者が少ない感じだった。登山路は踏み跡があるものの登山者が多くないのか自然が多く豊かな感じ、びっしりと霜柱が立つ光景も牧ノ戸登山口ルートより新鮮味を感じた。
 951mの登山口から1,110mの暮雨(くらぞめ)の滝までの高度差は200m足らずなのに中程にある急登は相当長く続き、しかも根っ子が多数張って雪もついていたので慎重に進んだ。
 しばらく進むと数年前にこの道を歩き平治岳のミヤマキリシマを訪ねた際に聞いた音、渓流を下る水流の大きな音が聞こえてきた。一瞬で氷瀑は無いなと感じたが更にしばらく進み“暮雨の滝”の表示板から渓谷の底まで急坂を下りた。そこには結構幅広の滝、水量豊富な素晴らしい滝があった。たくさんのツララ、1mを超えるものもあった。見事な滝だが滝全体が凍結している期待していた氷瀑ではなかった。完全凍結していた御池の氷も一部が解けた様にここも解けたのかもしれない。
暮雨の滝へのルートは一部に急登も
 
見事な暮雨(くらぞめ)の滝、氷瀑は見られず
 
 まとめ
 今年は暖冬で九重山系の降雪はほとんどなく雪原も珍しかったと聞く、限られたその瞬間に訪れ体験できたことを嬉しく思っている。
 氷瀑の暮雨の滝は見ることが出来なかったが、逆に来年以降の楽しみが増えたと思っている。順調に歩けたことに感謝し、これからも体調を整えゆっくり安全登山を続けたい。 
( 文・福山、写真 福山ほか )
 
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