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日向神(ハナタテ岩・チムニールート)
 
 
 
山行日  2019年3月12日
天 気  晴れ時々曇り
メンバー  高田・有松・林
行 程  05:30宇部インター駐車場→下道→10:30日向神駐車場→11:00ハナタテ岩、黄金週間取り付き→13:00ハナタテ岩終了点→14:00駐車場→14:30チムニールート取り付き→16:00チムニールート終了点→16:40駐車場→下道→19:30小倉南ICから高速道路→20:00宇部インター着
 当初は大山へ山スキーに行く予定だったが、鳥取は天候が悪い。九州なら天気が良いということでクライミングに計画変更。
 今回がマルチピッチクライミング4回目の新人有松も、本日の為に有給を上手い事調整したみたいで、やる気満々!
 出発前日は快晴だったが、朝になると道路が濡れていた。夜の間に結構降ったみたいだ。どうやら九州の方も夜のうちに雨が降っているみたいとの事。到着を少し遅らせて岩が乾くことを祈り、朝は全て下道で行くことに。平日という事もあり所々少し混んでは居たが5時間ほどで到着。
 早速ハナタテ岩へ。下部スラブはコケが凄いので上部だけ登る事に。川を渡渉して、コケむした岩のとなりに赤テープのある登山道があるので迷うことなく上部へ行くことが出来る。
 
 登山道を登ると目の前にルンゼ状の岩が見えるが、ここから右のカンテまで更に回り込むと綺麗なハンガーとセルフビレー用のチェーンがある。黄金週間というルートの3ピン目から登るルートだ。ルートは沢山あるみたいだが、今回はここから取り付くことに。1ピッチ目の出だしが濡れているが、それより上は乾いている。1ピッチ目は高田さんリードで。
 1ピッチ目、ボルト間隔が遠く、出だしが核心。小さなくぼみが多いので、そのくぼみを上手い事使ってクライミングシューズのフリクション頼みで登る。上に行くほどくぼみも大きく、多くなってくるので簡単になってくる。取り付きから見えるスカイラインの辺りに立派な終了点。
 濡れたクライミングシューズでフリクションが全く効かないとは言いつつも、高田さんの流石なクライミングを見させてもらいました!
 新人有松も、前回の宮崎県大長征クライミングでクライミングシューズの特性に気が付いたみたいで、今回は万全に準備をしてきたとの事!流石!
 
1ピッチ目下部が核心
 2ピッチ目は林リード。下部は快適なクライミングを楽しめるが、最後の終了点手前が完全なスラブで岩もカビてる。オマケにこの日は染み出し有り。支点はしっかりしているので思い切って登った。
 古い残置スリングの終了点に到着。もう5m程登ると立派な立木があるが、50mロープでは長さが恐らく足りない。ここから更に山頂に向かって登るルートもあるみたいだが、2ピッチ目終了点で懸垂下降して降りることに。
 ダブルロープで懸垂下降。2回の懸垂で取り付きまで降りられる。
 
高田さんをフォローする新人有松
 駐車場に戻り、時間もまだあるということで、前から気になっていたチムニールートへ。
 駐車場からガードレールを乗り越え、古いトンネルを二つ抜けた所が取り付き。ここも高田さんがリードで!

 1ピッチ目、トンネルの上をトラバース。鉄のはしごが岩に打ち付けられているが油断大敵。簡単だけれども岩が脆く緊張。ロープが岩をこすり、時々落石。ビレー位置に注意。
 終了点は残置スリングにゴムホースが巻いてありました。
 新人有松も岩を落とさないように、そして後続に続く林に注意を促しながらの流石なクライミング。
 
トンネルの上をトラバース
 1ピッチ目を登ると、目の前に高さのある圧巻なチムニーが姿を現す。ここも高田さんがリード!落石があれば逃げ場がないので、注意しながらビレー。大きなスズメバチの巣が二つ見えるが、この時期はまだ大丈夫だろう。
 高田さんが四肢を上手い事使いズリズリ登っていき、よどみがない。支点は沢山あるみたいだ。
チムニーを3分の2程登った所で高田さんの動きが止まる。それまでまともに休憩するような所が無く、ようやく少し落ち着ける場所に着いたとの事。暫し休憩をして、再び登り始める。高さは40mぐらいか。最後だけチムニーが狭まっており、足を大きく広げてダイナミックなムーブで登るのが見えた。
 最後は藪のなかに突っ込んで行くのが見えた。ちょうどチムニーが終わった所に終了点があるみたいだ。
 
チムニーの出だしを登る高田さん
 
右上の赤い服が高田さん
 続いて自分たちの番だ。最初の離陸でホールド・スタンスが乏しい。背中と四肢を使い、ズリズリ上がる。新人有松は「芋虫登りです!」とか言いながら登っていくが、まさにそんな感じだ。
 ズリズリと、様々なフリクションを活用して登っていく。支点は多いが、どれもボロイ。錆びたリングボルトとハーケン。特に、頭の落ちそうなハーケンが多い。これは落ちることは出来ないなと思った。
 高田さんは途中2カ所カムを使用した。小さめのカムがあれば良かったとの事。
 
先の長いチムニーが始まる
 
 10m程上がって、日向神独自のわりかし新しい自作ボルト?がある。チムニーからカンテに少し出る所にボロボロの残置スリング。これを使うと楽にはなるが、あまり使いたくない感じ。
 すぐにまたチムニーに入り込み、チムニー奥のスタンスが使えるようになってきたぐらいのところで、リングボルトが3つある昔の終了点らしき所に到着。
 
ようやく落ち着ける所に到着
 
 そこから更に一段登ると、ペツルのハンガーがあった。リードで登ると、このハンガーの安心感はすさまじいだろうなと思った。
 それより上はチムニーが一段と狭くなる。壁を使いたいが、コケが凄くて難儀した。岩もカビっぽくなっているので、ファジーなフリクションを使ってダイナミックに登った。
 新人有松もここで奮闘したらしく、降りた時にどう登ったのかを聞くと「手と足と唇のフリクションを使った」との事。流石!
 
一段と狭くなったチムニー。ここが核心か?
 終了点に到着。岩が脆いので落石させないように注意。まだ上に続くピッチがあるみたいだが、草木に覆われてとても登れる状況ではない。懸垂で降りる事に。残置スリングは古く、終了点はプアプロテクションなので注意が必要だ。
 
終了点にて!これから怖い懸垂をした
 二回の懸垂で取り付きまで無事に降りることが出来、ようやく安心できた。3人で熱い握手を交わす。久しぶりのクライミングなので慣らし運転のつもりで行きましたが、全力でした。
 駐車場に戻り、そそくさと山口に向けて帰宅した。
 今回登ったチムニールートは、報告書も少なく、古い情報ばかりだったのでどういう状況なのか分からずに取り付いたが、経験豊かな高田さんのお陰で登れました!
 新人有松も、素晴らしい順応力で着実と力を付けている!
 クライミングといえばハードルが高いように思われるかもしれないですが、新人有松を筆頭に、クライミングに興味を持つ若者が一人でも多く入会すれば良いなと3人で話しながら山口へと帰路についたのでした!
( 写真・林、高田、有松 : 文・林 )
 
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